
かぜをひいたらどうする?
熱が出たときの対処法や汗で熱が下がるメカニズムなどかぜが治るまでの過程
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この記事の概要
かぜをひいたときは、発熱やさむけ、のどの痛み、鼻水などの症状に合わせて身体を休めることが大切です。
無理に動かず、水分補給や十分な睡眠、身体を温めるケアを行い、回復を助けましょう。
高熱が続く、症状が悪化する、息苦しさや強いだるさがある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
目次
かぜが治るまでの過程と一般的な症状
かぜは、かぜをひいている方の鼻水や咳などの飛沫が手に付いたり吸い込んだりして、気道粘膜にウィルスや細菌などが付着して増殖することから始まります。この段階では、必ずしも発症するわけではなく、健康状態や環境によって発症するかどうかは決まります。 通常、発症初日に、微熱、のどの痛み、倦怠感などがあらわれ、2~3日目になると鼻水や鼻づまりなどの鼻症状が強くなり、その後、咳や痰が出るようになります。症状のピークは3日ごろで、通常7~10日ほどで自然に治ることが多いです。ただし、鼻水や咳だけ2週間程度残ることもあるようです。 かぜが治るまでの過程や症状は、原因のウイルスや細菌など病原体の種類や強さによって異なります。また個人差も大きく、同じ原因であっても、同じ症状や経過をたどるとは限らないのが、かぜの特徴とも言えます。
出典: 日経メディカル:外来診療クイックリファレンス かぜ症候群 MSDマニュアル家庭版:かぜ(感冒)
発熱
発熱は、風邪の主要な症状の一つであり、体がウイルスと戦っている証拠です。体温が上昇することで、免疫系が活性化し、病原体に対する抵抗力が向上します。特に風邪の場合、通常の体温を超える微熱が見られることが多く、これは身体が自らの防衛メカニズムを働かせているためです。視床下部という脳の一部が感染を感知し、体温のセットポイントを引き上げることで起こる現象です。
のどの痛み
のどの痛みはかぜの初期症状としてよく見られる症状です。通常、のどの痛みは風邪ウイルスが粘膜に感染することで引き起こされ、炎症が生じるために感じるものです。この痛みは、細胞の破壊や免疫反応によるもので、体内でウイルスに立ち向かうための自然な過程の一部です。
鼻水・鼻づまり
鼻水や鼻づまりは、体内でウイルスに対抗するための防衛反応として現れます。風邪をひくと、ウイルスが鼻の粘膜に感染し、炎症が生じることで鼻水が分泌され、その結果として鼻づまりが引き起こされます。このときの鼻水は、体がウイルスや細菌を排除するための防御メカニズムであり、サラサラとした液体型から、徐々に粘度が増していくことがあります。
咳(せき)・痰(たん)
風邪によって引き起こされる上気道の感染は、体内の免疫系がウイルスに対抗する過程での自然な反応として、 咳や痰を伴います。特に、咳は気道に侵入した病原体や異物を排除しようとする防衛機構です。 咳が出る際、体の防御反応として気道が炎症を起こし、痰生成が増加します。この痰は、ウイルスや細菌とともに、体外に排出されることで健康を保護します。咳と痰の量や質は、感染の程度や個人の健康状態によって異なります。例えば、痰が透明な場合はウイルス性の風邪が多く、緑色や黄色の場合は細菌感染の可能性があるため、注意が必要です。
かぜをひくと体温があがる(熱が出る)のはなぜ?
かぜをひくと体温があがる(熱が出る)のは、身体の中で免疫細胞がウイルスと闘っている証拠です。体温を上げて免疫を活性化させ、ウイルスへの攻撃力を高めているのです。 発熱は、体に備わった体温を調節する仕組みによって起こります。通常は、私たちの身体は37℃前後に保たれています。これは、脳にある体温調節の司令塔である視床下部が設定した温度です。これをセットポイントといいます。ウイルスに感染すると、免疫細胞が察知して発熱物質を作り、ウイルスが体内に侵入したことを視床下部に伝えます。そして免疫を活性化させるために、体温を調整する機能が作用して、セットポイントを高い温度に設定します。そうすると、脳から身体に発熱するように指令が出されるのです。 熱が出る時に悪寒がして震えるのは、筋肉を震えさせて熱を生み出すためです。強いウイルスに感染したときほど、セットポイントは高く設定されると考えられています。そのため、一般のかぜよりインフルエンザの方が高熱になるのです。

かぜで熱が出たときの対処法
では、かぜで熱が出た時には、どのように対処すればよいでしょうか。上手に対処するためのポイントを説明していきましょう。
無理に熱を下げない
熱が出ても、無理に熱を下げる必要はありません。 前述の通り、かぜで熱が出るのは自然な体の防御反応で、ウイルスなどの病原体の増殖や活動を抑えたり、体の免疫を活性化させたりする働きがあるからです。
ひきはじめの段階で免疫力を上げる
かぜで熱が出た時には、ひきはじめの段階で病原体に対する生体防御の効果を高めるために、免疫力を上げることが大切です。 免疫力を上げるには、上手に体温を上げるのがポイントです。体温が上昇すると、免疫力が活性化されると言われているからです。 かぜのひきはじめには、脳が設定したセットポイントまで体温を上昇させるために悪寒や震えがおきますが、安静を保ち保温することで体温の上昇を促すことができます。 また、葛根湯など体を温めかぜ症状を緩和する働きのある漢方薬を活用すると良いでしょう。
汗をかきはじめたら?
発熱後、汗をかきはじめたら、免疫とウイルスなどの病原体との闘いが収束した証拠です。闘いが終わって脳が体温のセットポイントを普段の37℃前後まで下げたために、体は汗をかいて体温を下げようとしているのです。 汗をかきはじめたら、熱を放出できるように薄着にしましょう。汗はこまめに拭き、衣服は汗で濡れたままにせずに着替えます。わきの下や太ももなど、太い血管が通る部位を冷やすと、効果的に熱を下げることができます。 また、汗で失われた水分の補給も大切です。汗と一緒に塩分も失われているので、スポーツドリンクや経口補水液などが適しています。
汗をかいて熱が下がるメカニズム
人の体は、体温が上がると汗を分泌し、その汗が皮膚表面で蒸発する際に熱を奪うことで体温を下げています。発熱後に汗をかいて熱が下がるのは、この体温調節機能が働いて余分な熱を逃がしているためです。 そのため、汗をかいた際は水分補給を行い、脱水を防ぐことも大切です。
高熱なのに汗が出ないときは?
高熱なのに汗がでないときは、まだウイルスなどの病原体との闘いが終わっていないと考えられます。
ただし、なかなか熱が下がらない場合にはかぜ以外の病気が原因のこともあるので、医療機関を受診することをおすすめします。
また、食欲がなく、食事や水分が摂れていない場合には、脱水状態で汗が出ないこともあります。少しずつこまめに水分を摂るようにしましょう。
また、葛根湯や麻黄湯といった漢方薬を活用する方法もあります。体質によって使い分ける必要があるので、ドラッグストアや薬局で購入する場合には漢方薬に詳しい薬剤師や登録販売者に相談しましょう。
さむけ・頭痛をともなうかぜのひきはじめには、クラシエの葛根湯の効能・飲み方も確認しておきましょう。
発熱時の食事と水分補給
発熱時の食事と水分補給は、体調回復において非常に重要な役割を果たします。特に、風邪などの感染症によって体温が上昇した際には、栄養バランスを考えた食事と、しっかりとした水分補給が欠かせません。
水分補給について
発熱時は体温の上昇に伴い汗が出るため、知らず知らずのうちに脱水状態に陥りがちです。 喉が渇いていなくてもこまめに水分を摂取することが大切です。スポーツドリンクや経口補水液は、電解質を補給できるため特にお勧めです。 継続的に少量ずつ飲むことが、体が必要とする水分をしっかりと補うコツです。
食事について
消化が良く栄養豊富なものを選ぶことがポイントです。 たとえば、温かいおかゆやうどん、野菜と豆腐を使った味噌汁など、体に優しいメニューが適しています。これらは、体温を上げるサポートにもなり、免疫力を高める効果も期待できます。 ただし、胃もたれがしたり胃腸が弱っている場合は無理をせず、口当たりの良いものから始めて、少しずつ食べるようにしましょう。また、特に消化の悪い油分の多い食事は避けるべきです。
発熱時にすべきこと、避けること
発熱時の過ごし方について、注意すべきポイントを説明していきましょう。
注意すべきポイント
こまめに水分をとる
こまめな水分摂取が大切です。 発熱時には、汗をかいている実感はなくても、体温の上昇にともない体の水分は失われています。スポーツドリンクや経口補水液を少しずつゆっくり飲むようにしましょう。
消化がよく栄養のある
食事をする
かぜで発熱している時は、胃腸の働きも衰えているため、消化がよく栄養のある食事を摂りましょう。 消化に時間のかかる油分は控え、糖質、タンパク質、ビタミンなどの栄養素をバランスの良く取り入れた食事、例えば、おかゆやうどん、野菜や豆腐の入ったみそ汁、玉子を入れた野菜スープ、茶わん蒸しなどがおすすめです。 どうしても食欲がない時には、プリンやゼリー、アイスクリームなど、のど越しの良いものを摂ると良いでしょう。
部屋の湿度を高くする
ウイルスの感染予防のために部屋の湿度の管理が重要なことはよく知られていますが、かぜをひいてしまった後も、部屋の湿度を高く保つことが大切です。 部屋の湿度が高い方が、のどや鼻の粘膜にある線毛の動きがよくなり、ウイルスなどの病原体を排除しやすくなるからです。部屋の湿度を高くするには、加湿器を使用する以外に、濡れたタオルを部屋にかけておくのも効果があります。
お風呂は体力を
消耗しないように
発熱時は必ずしもお風呂に入ってはいけないわけではありませんが、38℃以上の熱や悪寒や倦怠感がある時には、体力を消耗しないようにシャワーで流す程度の方が良いでしょう。子供の場合には体調を上手に伝えることが難しいため、無理にお風呂には入らずに、体をふいてあげるだけでも良いでしょう。
厚着しすぎず様子を見る
発熱して顔や体がほてるようになったら、必要以上に厚着をせずに様子を見るようにしましょう。 発熱時にも保温を心掛けて免疫を高める必要はありますが、厚着をしすぎたり布団をかけすぎたりすると熱が放散されずためこむことになるので危険です。状態に合わせて衣服や環境の調節をすることが大切です。
その発熱、かぜが原因ではないかも?
発熱の原因が、かぜでない場合もあることを念頭に入れておきましょう。 ウイルスが原因のかぜの場合、発熱は2~3日程度、他の症状も含めて7~10日の経過で自然と良くなります。しかし、高熱が続いたり、発熱以外の他の症状が激しかったり、なかなか回復しなかったりする場合には、かぜが原因ではないかもしれません。かぜと間違いやすい他の病気を紹介します。
かぜと鑑別が必要な他の病気
| 発熱以外の特徴的な症状 | |
|---|---|
| 急性細菌性副鼻腔炎(きゅうせいさいきんせいふくびくうえん) | 鼻づまり、膿性の鼻汁、顔の片側の痛みや腫れ、頭痛など |
| 細菌性咽頭炎(さいきんせいいんとうえん) 細菌性扁桃炎(さいきんせいへんとうえん) | 飲み込む時ののどの痛み ・咳や鼻水は少ない ・のどの痛みや発熱が1週間以上続く、または軽快した後再発した場合など |
| 急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん) | のどの激しい痛み、息を吸い込む時の喘鳴(ぜいめい)、よだれなど |
| 急性気管支炎 | 主な症状は咳で2~3週間続く ・鼻の症状は少ない |
| インフルエンザ | 強い全身症状(高熱、筋肉痛、関節痛) ・冬季の季節性 |
| 結核 | 2週間以上続く咳・痰・微熱・倦怠感 |
| 新型コロナ感染症 | 筋肉痛、倦怠感 ・咳、痰、味覚障害など |
かぜの治りかけはどう過ごす?
熱が下がり鼻や咳の症状が軽くなると「かぜが治ってきたな」と感じるかもしれませんが、体はウイルスなどの病原体と戦うための免疫応答で消耗しているため、すぐに日常生活に戻すのは禁物です。 体力を回復させるためには、安静を保って十分に睡眠をとり、水分と食事をしっかり摂りましょう。食欲が回復しても、油っぽいものや辛いものなどは避け、アルコールは控えて、消化の良い栄養のあるものを摂るようにしましょう。
まとめ
一般的なかぜは、のどの痛みや違和感、鼻水・鼻づまりで始まることが多く、悪寒や寒気をともなう発熱後、7~10日で回復することがほとんどです。 発熱はウイルスなどの病原体の活動や病原性を弱め、免疫機能を活性化するために必要な生体防御反応のため、安易に熱を下げることは回復を遅らせる可能性もあります。 かぜをひいた時には、保温と安静を保ち、上手に体温を上げることで、免疫を活性化することができます。 少しでも回復を早めるために、かぜをひいた時の過ごし方や発熱時の対処法を知っておくことが大切です。
出典: 日本リサーチセンター:かぜに関する調査 2017年1月調査結果 日経メディカル:外来診療クイックリファレンス かぜ症候群 MSDマニュアル家庭版:かぜ(感冒) みんなの家庭の医学 WEB版:かぜ症候群 外来診療クイックリファレンス:かぜ症候群 3.鑑別診断
小谷敦子
ライフステージの変化にともない、メディカルライターとしての実績を積んできた。

