
痰(たん)が絡む咳の対処法は?
止まらない咳・切れない痰を和らげる方法や飲み物
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この記事の概要
咳や痰が止まらないときは、喉や気道を乾燥させず、痰を出しやすい状態を整えることが大切です。
水分補給、加湿、温かい飲み物、横向きで寝るなどの対処で、つらい咳を和らげられる場合があります。
咳や痰が長引く、息苦しさ・発熱・血が混じる痰などを伴う場合は、医療機関への相談を検討しましょう。
目次
しつこい咳や痰(たん)は、体力を消耗し、のどだけでなく体全体が痛くなったり、睡眠不足になったりするなど、日常生活にも支障をきたすことのあるつらい症状です。 ここでは、咳や痰(たん)が出る理由やその原因、和らげる方法をご紹介します。
痰が絡む咳と対処法は?
痰が絡む咳は、風邪やインフルエンザなど、さまざまな原因によって引き起こされます。このような咳は、気道に溜まった粘液が呼吸を妨げ、場合によっては体力を消耗させる原因となることもあります。症状を和らげるためには、まず痰を上手に排出することが大切です。
対処法①:水分をしっかり補給する
温かい飲み物を摂ることで喉の粘膜が潤い、痰がやわらかくなって排出しやすくなります。特に、はちみつを加えた飲み物や生姜湯は喉にやさしく、おすすめですのでこの後詳しく紹介いたします。
対処法②:食生活を見直す
咳がひどいときは、刺激の強い食べ物や冷たい飲み物を避けるようにするとよいでしょう。
対処法③:生活習慣を整える
適度な運動は体力や健康維持に役立ちます。無理のない範囲で深呼吸や軽い体操を取り入れることで、呼吸がしやすくなることもあります。
なぜ咳や痰(たん)が出るの?
咳は、吸い込んだ空気中のほこりや煙、風邪のウイルスなどの異物が体に入らないようにするための、体に備わった生体防御システムのひとつです。気道にあるセンサーが気道に異物などを感じると、その刺激が脳にある咳中枢に伝わり、異物を追い出すために咳が出ます。 痰(たん)の原因は、肺の分泌物や空気中の異物をからみ取った気道の粘液(分泌物)が溜まることで発生します。 通常、分泌物は気道の線毛の働きで、のどの方へ運ばれる間に吸収されたり、のどまで到達しても気づかないうちに飲み込まれたりするため、溜まることはありません。しかし風邪などによって気管支や肺に炎症が起きると、分泌物の量が増えて粘度が増し、線毛の動きも悪くなるため痰(たん)として溜まりやすくなります。そうして溜まった痰(たん)が、咳によって排出されるのです。
咳や痰(たん)を放っておくと?
咳や痰(たん)には重大な病気が隠れていることがあるため注意が必要です。症状はどのぐらい続いていますか?続いている期間によって、原因が予測できるかもしれません。 咳が長引くと体力が消耗し、強い咳では肋骨を骨折することもあります。咳や痰(たん)が長引いたら放っておかずに、医療機関を受診して診断してもらい、適切な治療を受けることが大切です。
3週間未満の咳(急性咳嗽:きゅうせいがいそう)
風邪やインフルエンザなどによる咳や痰(たん)は、3週間未満で治ることが多いです。
3週間以上8週間未満の咳(遷延性咳嗽:せんえんせいがいそう)
3週間以上になると、風邪以外の感染症、例えばマイコプラズマや百日咳菌による気管支炎や、感染症以外の病気の可能性が高くなってきます。
8週間以上続く咳(慢性咳嗽:まんせいがいそう)
咳喘息、副鼻腔気管支症候群(鼻と気管支の両方に炎症を生じる病気)、アトピー性咳嗽(がいそう)、胃食道逆流症、慢性閉塞性肺疾患の他、肺結核や肺がんなど重い病気が疑われる場合もあります。
痰(たん)が絡む咳と絡まない咳、
なにが違う?
咳はその性状によって、痰(たん)がからまない乾いた咳の、「乾性咳嗽(かんせいがいそう)」と、痰(たん)がからむ湿った咳の「湿性咳嗽(しっせいがいそう)」にわけられます。 その主な違いは以下の通りです。痰(たん)が絡む咳か、絡まない咳かによって、咳の原因を予測する目安になります。
乾性咳嗽と湿性咳嗽の違い
| 乾性咳嗽 | 湿性咳嗽 | |
|---|---|---|
| 痰(たん) | からまない、または少量 | 咳のたびに痰(たん)がでる |
| 原因 | 気管支や肺の炎症が刺激となって出る咳 | 痰(たん)を排出するための咳 |
| 主な原因疾患 | ・風邪などの感染症後の咳 ・咳喘息 ・アトピー咳嗽 ・胃食道逆流症 ・一部の降圧薬の副作用など |
・副鼻腔気管支症候群(鼻と気管支の両方に炎症が起きる病気) ・後鼻漏 ・慢性気管支炎 ・気管支喘息など |
| 治療 | 咳を止める治療(咳止めなど) | ・痰(たん)を減らし、痰(たん)を出しやすくする治療 ・痰(たん)が増える病気を探して治療する |
痰(たん)の色から原因がわかる?
痰(たん)の色や粘り気は、原因となる病気の目安となります。痰(たん)の色や性状と疑われる病気を紹介します。
痰(たん)の色と原因疾患
| 痰(たん)の色や性状 | 疑われる病気 |
|---|---|
| 透明で粘度が低い | 気管支喘息、気管支拡張症など |
| 無色透明~白色、 粘度が高い |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性気管支炎の初期 |
| 薄い黄色、粘度が高い | ウイルスや細菌による感染 慢性気管支炎、気管支拡張症など |
| 緑~黄色、粘度が高い | 細菌感染 |
| 茶色(血痰(たん)) | 炎症が強く血が混ざっている 肺がん、気管支拡張症、肺梗塞など |
咳や痰(たん)をとめるには
どうしたらいい?
咳や痰(たん)には、気道内の異物などを吐き出す働きがある為、むやみに止めるべきでありません。しかし、どうしたらつらい咳や痰(たん)を和らげることができるのでしょうか。ここでは、咳や痰(たん)を和らげる方法をご紹介します。
横向きに寝る
横向きに寝ると、うつ伏せ寝や仰向け寝より気道を確保できるため、夜間の咳を和らげることができます。また横向きや上半身側を少し高くすると呼吸がしやすいだけでなく、鼻水や痰(たん)がのどに流れにくくなり咳が軽減されます。
濡れマスクをつける
濡れマスクをつけると、喉や鼻の粘膜を潤す効果が非常に高く、鼻呼吸も促すため、気道の刺激となる乾燥や異物の侵入を防いで咳を和らげることができます。
〈 誰でもカンタン!お手軽濡れマスク 〉
- ①マスクを水でぬらして軽く絞ります。
- ②マスクの上1/3を外側へ折り返します。 そうすることで就寝時のマスクのズレも防げます。

水分をとる
喉が乾燥すると刺激になり咳が出やすくなるため、水分を摂るようにします。また水分を多く摂ると痰(たん)の粘度が低くなり、排出しやすくなります。
漢方薬を活用する
漢方では、「咳」「痰(たん)」という症状から、根本的な原因を突き詰め治癒を目指します。たとえば「咳」の症状に対しては、「咳」を抑えるのではなく、その原因となっているからだの状態を見極めます。ここでは咳や痰(たん)の傾向から、効果的な漢方薬をご紹介します。
〈 乾いた咳が出る場合… 〉
オススメの漢方は
乾いた咳は、熱によってからだの水分(喉の粘液)が失われていると考えられます。体に水分を与え喉の粘膜を潤すことでからぜきを改善する麦門冬湯が選ばれます。
〈 湿った咳が出る場合… 〉
オススメの漢方は
湿った咳が出る場合は、痰(たん)がなかなか切れず、消化器の働きが衰え、消化・吸収がうまくいかず、余分な水分が排出しきれず滞った状態と考えます。消化器の働きを助けると共に余分な水分を排出し、かぜなどの回復期における咳や痰を改善する竹茹温胆湯が選ばれます。
咳や痰(たん)は意外と体力を使ってしまうものです。体力が落ちているときや高齢の方は、さらに体力を低下させることあるので、早めに対処しましょう。
ツボを押す
咳に効果のあるツボを紹介します。
中府(ちゅうふ)
尺沢(しゃくたく)
肺兪(はいゆ)
痰が絡む咳を和らげるためのおすすめの飲み物
痰が絡む咳を和らげるためには、適切な飲み物を選ぶことが重要です。特に、以下のポイントを考慮して飲み物を選ぶと良いでしょう。
温かい飲み物
咳が出る時には、温かい飲み物をおすすめします。温かい飲み物をゆっくり飲むと、鼻やのどを加湿し、気道の線毛運動がスムーズになり、痰が出しやすくなります。喉や気道、体全体が温まり血行も良くなり、呼吸が楽になると咳が治まりやすくなります。
はちみつを入れた飲み物
はちみつに含まれている成分には、殺菌作用や荒れた粘膜を保護して炎症を抑える作用などがあり、のどを潤して口やのどの乾燥を防ぐため、はちみつを入れた温かい飲み物がおすすめです。ここでは、体を温める生姜を合わせた「はちみつ生姜湯」の作り方を紹介します。
〈 ハチミツ生姜湯の作り方 〉
- ①お湯を沸かします。
- ②おろした生姜とハチミツを入れてよく混ぜます。(市販のチューブのすりおろし生姜でも代用できます)
- ③お湯を注いで混ぜます。
- ④ハチミツを足して味を調えます。 (お好みでレモン汁やスライスレモンを入れても美味しいですよ。)

乳製品は控えたほうがいい?
「乳製品をとると痰が増える」と言われることがありますが、複数の比較試験ではそのような関連は確認されていません。牛乳を飲んだあとに口やのどがねばつくように感じることはありますが、これは飲み物のとろみによる感覚と考えられています。気になる場合は無理にとる必要はありませんが、必ず控えなければならないというものではありません。ただし、牛乳アレルギーがある場合は咳などの症状が出ることがあるため避けましょう。
痰を切るために注意したい食事や飲み物、生活習慣
咳や痰(たん)を長引かせたり、悪化させたりしないためには、どのような注意が必要でしょうか。具体的な例を紹介していきましょう。
冷たい飲み物は避けましょう
冷たい飲み物が過敏になっている気道を刺激し、かえって咳の原因になることがあるため、避けるようにしましょう。
刺激物は摂らないようにしましょう
辛い食べ物、熱すぎる物、炭酸が強い飲み物、アルコールは、粘膜を傷つけたり、気道を刺激したりすることがあるため、避けるようにしましょう。唐辛子やわさび、からしなど刺激の強い香辛料も控えることをおすすめします。
喉を使い過ぎないように注意しましょう
カラオケや長時間のおしゃべり、大きな声を出すようなスポーツ観戦などは、のどの乾燥を招き、粘膜を傷つけるなど、のどや気道の負担が大きくなり咳が出やすくなるため避けるようにしましょう。
タバコは控えましょう
つらい、しつこい咳が止まらないのは、喫煙のせいかもしれません。喫煙は、たばこの煙やニコチンがのどや気道を刺激し、咳の原因になることがあります。また、喫煙は、肺がんだけでなく他のがんの原因になることや、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、喘息などの慢性の呼吸器疾患や、心筋梗塞や狭心症などの心臓の病気のリスクも上がることがわかっています。これを機会に、禁煙の治療をはじめてはいかがでしょうか。
痰(たん)を出したほうが、
風邪は早く治る?
痰(たん)を出さずに気道にたまっていると、呼吸困難や息切れ、二次感染による肺炎などのリスクが高まるため、痰(たん)は出した方が良いでしょう。ただ、痰(たん)を出すために強く咳をすると、のどが切れることがあるので、無理は禁物です。水分を十分に摂り、痰(たん)の粘度が薄まると出しやすくなります。また、空気が乾燥していると痰が硬くなるため、加湿器を使用して部屋の湿度を上げたり、マスクをして口からのどの乾燥を防いだりすることも大切です。
咳や痰を解消するための体操
咳や痰を解消するための体操は、自宅で手軽にできる方法の一つです。
体操を通じて呼吸器の働きを促進し、痰の排出を助けることが期待できます。
以下に、いくつかの体操を紹介します。
深呼吸
深呼吸は、咳や痰(たん)が出るときに非常に効果的な対処法の一つです。
特に、咳が続いているときは呼吸が浅くなりがちですが、深呼吸を行うことで肺をしっかりと使い、空気の流れを改善できます。
以下の手順で行うと良いでしょう。
1. **リラックスした姿勢で座るか立つ**
肩の力を抜き、気持ちを落ち着けることが大切です。
2. **鼻からゆっくりと息を吸い込む**
空気を腹部までしっかりと入れるイメージを持ちながら、約4秒間吸い込みます。
3. **息を一瞬止める**
吸い込んだ息を最大限に活用し、約2秒間息を止めます。
4. **口からゆっくりと息を吐き出す**
吸い込んだ息を、4秒以上かけてゆっくりと吐き出します。このとき、体がリラックスするのを感じることが重要です。
肩回し
肩回しは、日常生活の中で非常に簡単にできる運動であり、咳や痰を和らげる効果も期待できます。特に肩周りの筋肉をほぐすことで、気道の血行を促進し、呼吸が楽になることがあります。
以下のポイントを参考に、肩回しを行ってみてください。
・両肩を耳に近づけるように上げ、数秒間キープした後、ゆっくりと肩を下げます。
・次に、肩を前から後ろへ、またはその逆に大きく回します。この時、大切なのは、できるだけリラックスした状態で行うことです。
・1回につき10回程度を目安に繰り返し、徐々に回数を増やしていくと良いでしょう。
背伸び
背伸びは、身体全体のストレッチを促進し、呼吸器系の緊張を和らげるのに役立ちます。咳や痰が絡む時に、背伸びをすることで体内部の血流を改善し、肺活量を向上させることが期待できます。その結果、気道が拡張し、痰の排出を促す効果があります。特に、長時間同じ姿勢で座っている場合などに適した運動です。具体的には、背筋を伸ばして両腕を上に伸ばし、数秒間その姿勢をキープします。次に、ゆっくりと元に戻ることで、首や肩のコリも解消できます。
首の運動
首の運動も、咳や痰の症状を和らげるために有効な方法の一つです。
特に、首周りの筋肉をほぐすことで、気道の圧迫を緩和し、呼吸を楽にする効果があります。
以下のような簡単な運動を試してみましょう。
・首を前後に傾ける:頭を前に引き寄せた後、後ろに反らせることで、頸部のストレッチができます。この動作を数回繰り返すことで、緊張がほぐれ、呼吸が楽になります。
・横に曲げる:首を右側に傾け、肩を下げたまま数秒キープ。反対側も同様に行います。これにより、横方向の筋肉がほぐれ、胸部の緊張も緩和されます。
・回旋運動:首をゆっくりと左右に回すことで、血行が促進され、呼吸が楽になります。これも数回繰り返すことが重要です。
まとめ
咳は異物から身体を守る生体防御システムのひとつのため、危険を知らせてくれるサインです。しかし感染や炎症が進むと刺激となって、しつこい咳や痰(たん)に悩まされることになります。咳や痰(たん)が長期間になると、風邪以外の他の病気が隠れている場合などがあり、適切な治療が必要となります。そうなる前に、咳や痰(たん)を和らげる方法を身に付けておくことをおすすめします。
小谷敦子
ライフステージの変化にともない、メディカルライターとしての実績を積んできた。



