日々是漢方

不眠

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春は草木がどんどん成長するように、生き物たちの命が育まれる季節です。
それは人間も同じで、やる気をもたらす「陽の気」が高まります。しかしそれに逆らって、家に閉じこもり発散しないでいると、「陽の気」が上昇して上半身に影響を及ぼすことが。
そのひとつが不眠です。毎日のように不眠が続くのはつらいものです。
ぐっすり眠れる体をつくり、春を元気に過ごしましょう。

春は、「肝(かん)」のはたらきが異常亢進し、疲弊してしまうため、「血(けつ)」の不足が生じます。「血」を補う食材や精神を安定させる食材をとりましょう。
また、「心(しん)」が弱ると、不眠や不安感などの症状が現れるので、「心」のはたらきを助ける食材をとると良いでしょう。

「血」を補って、精神を安定させる

  • 竜眼の果実
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ムクロジ科の植物の果実で、その乾燥品が生薬でもある竜眼肉です。「血」の不足を補い、高ぶった精神を鎮めるはたらきがあります。
そのままお茶漬けに入れたり、軽く煎じてお茶に入れたりしてとりましょう。また、ドライフルーツのようにフルーツケーキなどに入れても良いでしょう。

体の熱をとる

  • たけのこ
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たけのこは春に旬を迎える代表的な食材。体の熱を冷ますので、「陽の気」の高まりによる不眠におすすめです。また、二日酔いの予防や便秘の予防にも役立つといわれています。
茹でてアクをとり、和えものや炒めものにしてとりましょう。

「心」のはたらきをアップ

  • 豚・鶏の心臓(ハツ)
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中医学では「以臓補臓」といって、体の弱っている部分を同じ臓器で補えると考えます。豚や鶏の心臓(ハツ)は、焼き鳥や煮込み料理にしてとりましょう。

ツボ

神経が高ぶっていると、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。
寝る前に、神経を穏やかにする「失眠穴」を押しましょう。また、「丹田」に「気」を集めてリラックスしましょう。

失眠穴(しつみんけつ) イメージ

イスに座り、片方の手で足首を固定して、もう一方の手でツボをゆっくりと軽く叩く。叩くときはこぶしの小指側で、両脚ともに30回ほど行う。

丹田(たんでん) イメージ

あぐらをかき、目を閉じて心を落ち着ける。両手の中心が重なるように手のひらをツボに重ねて(女性は右手が下)、何も考えずに静かに呼吸する。

神門(しんもん) イメージ

耳の上部にあるY字型の軟骨の分かれ目から少し上。
人さし指を「神門」に当て、気持ちいいと感じる強さで押しもむ。「心」も同じようにして、両耳同時に行う。

心(しん) イメージ

耳の穴の少し顔寄り。耳甲介腔の中央。

養生

  • お風呂後はセルフマッサージを
  • 夕食後はゆっくり過ごす

不眠は、単に睡眠時間を増やすだけでは改善されません。夜眠れないからといって昼寝をすると、ますます眠れなくなるという悪循環を引き起こします。日中はできるだけ活動的に過ごし、夕食後はゆっくりと過ごすと良いでしょう。少しでも眠気を感じたら、早めに布団に入るようにしましょう。

また、お風呂で温まったあとのマッサージもおすすめ。マッサージをすることで、眠りを深くすることができます。

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