胃腸かぜの研究室

感染性胃腸炎になったらどうする?

かぜと似ているところもあれば違うところもある、感染性胃腸炎。もしなってしまった場合は、どうすればいいのでしょうか。そもそも、感染しないようにするには、何に気をつければいいのでしょうか。ここでは、感染性胃腸炎の予防法と対処法をみていきます。

まずは感染しないように気をつける!

もっとも重要なのは、感染しないこと。完全に感染を防ぐことは難しいかもしれませんが、次のような対応を心がけて、感染の可能性を少しでも低くすることが大切です。

ウイルス、細菌を『つけない・持ちこまない』
なんといっても手洗いです。外から家に帰ったとき、食材や食器を触る前、
ご飯を食べる前など、こまめに手を洗うことが重要です。
石けんを使って指の間、爪の中までしっかりと洗いましょう。
手についた泡を十分に水で流してから、清潔なタオルなどでよく拭き取りましょう。
とくに生ものを扱う場合、ほかのものにウイルスなどをつけないよう、
包丁やまな板などは食材ごとに取り換えるか、消毒してから使用するようにしましょう。
ウイルス、細菌を『増やさない・ひろげない』
生ものを触ったあとなど、ウイルスや細菌がついたまま
いろいろなところに触れないようにしましょう。
石けんを使って指の間、爪の中までしっかりと洗いましょう。
手についた泡を十分に水で流してから、清潔なタオルなどでよく拭き取りましょう。
細菌の場合、自分自身だけで増殖することができます。
そのため、食べ物を常温で長時間おいておくと、細菌がどんどん増えてしまいます。
すぐに食べない料理は、冷蔵庫や冷凍庫で保存するようにしましょう。
下痢の症状がある場合は、プールや温泉などに入らないようにします。
家庭でお風呂に入る場合は、家族のなかで最後に入りましょう。
使ったお湯は、すぐに捨ててしまいましょう。
感染しても発症しないことがありますが、その場合、自分が感染していることに気づかず、知らないうちに病原菌をひろげてしまう「感染源」になることがあります。症状がなくても、日頃から手洗いや消毒を意識しておくことが重要です。
ウイルス、細菌を『やっつける』
ほとんどのウイルスや細菌は、85℃以上、1分以上の加熱で死滅したり、
感染する能力を失ったりします。加熱調理するとき、または加熱消毒するときは、
これらの温度と時間が重要になります。
材質などによって加熱できない調理器具などは、
次亜塩素酸ナトリウム(家庭用の塩素系漂白剤など)で消毒します。
ウイルスにも細菌にも効果が期待できます。

それでも感染した場合は?

感染性胃腸炎は、原因となるウイルスや細菌が、からだの外に出てしまえば自然に治まるため、特別な治療を必要としないことも多いです。そのため、基本的には、現れた症状への対応がメインとなります。

POINT 01 水分と栄養をしっかり補給する!
下痢やおう吐などの症状が続くと、脱水症状になる危険性が高まります。とくに
子どもや高齢者では脱水症状になりやすいので、水分・栄養補給はしっかりと行いましょう。
ただし、冷たい飲み物はおなかを刺激してしまうこともあるので、
白湯や常温の飲み物などを摂るようにしましょう。
POINT 02 吐くときの姿勢に気をつける!
おう吐の症状があるときに気をつけたいのが、誤って気道に吸い込んでしまう「誤嚥」です。
おう吐物が肺まで達してしまうと、肺に炎症が起こり、発熱やせきなどの症状が現れる
「誤嚥性肺炎」になることがあります。おう吐する際は、仰向けや
横になったままの状態を避け、下を向くなど、
気道に吸い込まないような姿勢をとるようにしましょう。
POINT 03 下痢を止めないで!
下痢は、ウイルスなどの異物を外に出そうとする役割もあるため、
下痢止めなどでむやみに止めてはいけません。止めてしまうと、治りが遅くなったり、
症状が悪化したりしてしまう可能性があるからです。そのまま症状が治まるまで待つか、
腸内環境を整える整腸剤で様子をみるのがいいでしょう。
症状がつらい場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
POINT 04 漢方薬を活用する!
腹痛や吐き気、胃腸炎などの症状に適する医薬品として、漢方薬の
柴胡桂枝湯があります。からだのなかの熱や炎症を鎮めながら、胃腸を元気にして
体力を補うようなはたらきをする漢方で、微熱、腹痛、吐き気があるかぜの中期から
後期の症状にも効果が期待できます。一般用医薬品の柴胡桂枝湯の効能・効果は「体力中等度又はやや虚弱で、多くは腹痛を伴い、ときに微熱・寒気・頭痛・
はきけなどのあるものの次の諸症:胃腸炎、かぜの中期から後期の症状」となっています。

感染性胃腸炎は、一般的に、発症してから少しの日数が過ぎれば、自然と症状が治まることが多いとされています。しかし、症状が長引いたり悪化したりする場合、または、少しでも不安を感じた場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。