胃腸かぜの研究室

かぜと間違えやすい感染性胃腸炎。その原因って?

かぜと間違えやすい感染性胃腸炎。ウイルスなどの病原体の感染が原因ですが、その種類はたくさんあります。
ここでは、感染性胃腸炎の原因となる主な病原体と、感染の経路、流行時期についてみていきます。

多くがウイルスか細菌の感染によるもの!

感染性胃腸炎の原因は、大きくウイルスと細菌に分けることができます。
原因となる主なウイルスには、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどがあります。また、原因となる主な細菌には、カンピロバクター、サルモネラ菌、ウエルシュ菌、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌などがあります。
これらの病原体が口などから体内に侵入し、感染して、腹痛や下痢、おう吐などの症状を引き起こします。

感染性胃腸炎の原因となる主なウイルス

  • 【 ノロウイルス 】

    感染力が強く、100個以下のウイルスでも発症することがあります。汚染されたカキなどの二枚貝を、生のまま、または十分な加熱をせずに食べた場合などに感染し、潜伏期間を経て感染します。吐き気・おう吐、下痢、腹痛などが現れ、発熱は軽度です。これらの症状は通常1~2日で治まります。例年11月から2月にかけて流行します。

  • 【 ロタウイルス 】

    主に乳幼児に急性胃腸炎を引き起こすことで知られるウイルスです。100個以下のウイルスでも感染し、発症することがあります。水のような下痢やおう吐が繰り返し起こり、発熱や腹痛などもよくみられます。通常は1~2週間で自然に治まります。例年3月から5月にかけて流行します。

  • 【 アデノウイルス 】

    数は不明ですが、少量のウイルスでも発症すると推測されています。発症は乳幼児に多くみられます。主な症状は下痢で、1週間以上続くこともあります。発熱とおう吐は軽度で、通常2~3日で治まります。

感染性胃腸炎の原因となる主な細菌

  • 【 カンピロバクター 】

    家畜やペット、野生動物の多くが持っている菌で、生または加熱不足の鶏肉などに存在することがあります。数百個程度で発症することがあります。発症すると下痢、腹痛、発熱、吐き気、おう吐、だるさなどが現れます。多くの場合、1週間程度で症状が治まります。

  • 【 サルモネラ菌 】

    動物の腸内や、川・湖・下水などに広く存在しています。とくに鶏肉と卵を汚染することが多いです。発症すると激しい腹痛や下痢、発熱、おう吐などが現れます。通常は3~4日で治まりますが、下痢などは1週間以上続くこともあります。

  • 【 ウエルシュ菌 】

    ヒトや動物の腸内にいる菌で、いわゆる悪玉菌と呼ばれるもののひとつ。土壌や下水などにも広く存在しています。腸内で大量に増殖すると、菌が作り出した毒素によってさまざまな症状が引き起こされます。主な症状は腹痛と下痢で、一般的に1~2日で治まります。

  • 【 病原性大腸菌 】

    ヒトの腸内などにいる大腸菌のうち、病気・症状を引き起こすおそれのある大腸菌のことです。下痢原性大腸菌ともいいます。病気の起こしかたによって5つのタイプ(腸管病原性大腸菌、腸管侵入性大腸菌、毒素原性大腸菌、腸管出血性大腸菌、腸管凝集性大腸菌)に分類されています。とくに注意しなければいけないのが、O157などの腸管出血性大腸菌です。発症すると激しい腹痛、水のような下痢、血便などが現れ、その後、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重篤な症状が起こる場合もあります。

  • 【 黄色ブドウ球菌 】

    ニキビやおできなどの原因にもなる菌で、通常、ヒトののどや鼻などにも存在しています。潜伏時間が平均3時間と短く、発症すると吐き気やおう吐、腹痛などが現れます。通常は24時間以内に改善するとされています。

なお、フグやキノコなどの自然毒、医薬品などの化学物質などでも、腹痛や下痢、発熱などの胃腸炎の症状が現れることがありますが、こういった感染性ではない胃腸炎は、「非感染性胃腸炎」と呼ばれています。

どうやって感染するの?

原因となるウイルスや細菌などの感染経路は主に2つ。
人から人へ感染する場合と、食べ物から人へ感染する場合があります。

人から人へ!
ウイルスなどがついた手で口に触れると、口から体内に侵入し、
感染することがあります(接触感染)。
感染した人の便やおう吐物を処理する場合は、とくに注意が必要です。
また、いろいろな 人が触れる場所(トイレ、ドアノブ、照明のスイッチなど)は、
その分ウイルスなどがつきやすいともいえます。
汚染されたお風呂やプールの水が口に入ることで感染する場合もあります。
せきやくしゃみなどのしぶき(飛沫:ひまつ)が口から入り、
感染することがあります(飛沫感染)。
食べ物から人へ!
ウイルスなどがついた手で口に触れると、口から体内に侵入し、
感染することがあります(接触感染)。
感染した人の便やおう吐物を処理する場合は、とくに注意が必要です。
また、いろいろな 人が触れる場所(トイレ、ドアノブ、照明のスイッチなど)は、
その分ウイルスなどがつきやすいともいえます。
汚染されたお風呂やプールの水が口に入ることで感染する場合もあります。
せきやくしゃみなどのしぶき(飛沫:ひまつ)が口から入り、
感染することがあります(飛沫感染)。

季節で流行が変わる!?

感染性胃腸炎の原因となるウイルスや細菌は、基本的には一年中存在しているものですが、それぞれに流行しやすい季節もあります。
たとえばウイルスは、湿気の少ない環境で感染が拡大しやすいため、ウイルス性の胃腸炎は、乾燥しやすい冬場に流行することが多いです。
細菌の場合は、湿気が多い環境で感染が拡大しやすいため、細菌性の胃腸炎は、ジメジメする梅雨から秋にかけて流行することが多いです。
ただし、あくまでもこの季節に流行することが多いというだけで、それ以外の季節でも感染する可能性は十分にあります。とくに、子どもや高齢者、免疫力が落ちている人などは、季節にかかわらず感染しやすいと考えられるので、日頃から注意しておく必要があるでしょう。