論文及び学会発表資料
研究所では
研究成果を対外発表しています。
過去に発表した論文及び学会発表をご紹介します。
ホームプロダクツカンパニー
- 「分光学的手法を用いた紫外線による子ども毛の毛髪表面変性解析」
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発表年2024年学会・媒体第29回高分子分析討論会 ウインクあいち
毛髪は物理的、化学的、環境的要因などで損傷を受けるが、特に紫外線(UV)はキューティクルに大きな損傷を与えることが報告されている。本研究では、成人よりも細く柔らかく、UVに日常的に曝露される機会が多い幼児毛髪に着目し、UVによる幼児毛髪の形態学的および化学的変化を調査した。その結果、幼児毛髪は600 J/cm²までのUV照射で有意な形態変化が確認され、特に300 J/cm²でキューティクルのリフトアップが確認された。また分光学的手法を用いて毛髪表面の化学変化を解析したところ、幼児毛髪は300 J/cm²でC=OやSO3Hなどの信号強度が有意に上昇することを見出した。さらにその化学変化機序として、まず脂質の脱離が起き、次にタンパク質のカルボニル化が起きることが示唆された。一方、本研究の照射条件下では、大人の毛髪に有意な変化は確認されなかった。以上より、幼児毛髪はUVダメージを受けやすいため、皮膚だけではなく毛髪にも適切なUVケアが必要だと考えられる。
- 「クレンジングクリームの製造条件検討におけるレオロジーの応用」
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発表年2024年学会・媒体第72回レオロジー討論会 山形
化粧品の処方開発において、設計通りの高品質で使用者が使いやすい製品を提供するために、最適な製造プロセスを確立することは非常に重要であるが、製造プロセスが使用感触に与える影響についての報告例は少ない。本研究では、クレンジングクリームをラボスケールから工場スケールへスケールアップを行った際に生じた使用感触の違い、特に塗布し始めの製剤の崩れ方を物性として捉えることを試みた。製剤を塗布し始めるときの動作を再現したせん断速度100s⁻¹におけるせん断粘度の時間依存性測定において、チキソトロピー性と相関が見られることを見出し、定量化するためチキソトロピー性インデックス(TI)を定めた。ラボ試作品同等の使用感触とするためには、工場生産において攪拌力を2/3に、もしくは分散時間を1/5にする必要があると推測された。また、ひずみ依存性測定により、製剤を塗布し始めの崩れ方には系内の凝集構造が寄与していることが考えられた。
- Why don't you change your skincare to “skin-friendly and eco-friendly”?
Fabulous emulsion with low-HLB surfactants will supply oil to your skin like drinking milk. -
発表年2024年学会・媒体2024 IFSCC Congress ブラジル・イグアス フォール
エマルジョンには安定性を高めるために乳化剤や合成増粘剤を多く配合するが、刺激性や感触の悪化、環境面への課題があった。「牛乳」のように低粘度で浸透性が高く安定なエマルジョンを作成するために相分離状態に着目、セスキオレイン酸ソルビタンとPPG-13-デシルテトラデセス-24との組み合わせを見出した。2つの乳化剤の最適な比率を検討し、共溶媒のBGと水との疑似三相平衡図を作成したところ、特定の比率においてⅠ相の液晶構造を形成することが分かった。この液晶構造に油剤を取り込ませ、その後水で希釈することによって、ラメラ液晶構造の形成を経てコールドプロセスで簡便にエマルジョンを作成することができた。油剤としてスクワランを用い、肌への油剤の浸透性を一般的なエマルジョンと比較した。テープストリップ後の角層中の油剤を定量したところ、新開発のエマルジョンは角層のより深層に、かつ多くの量を浸透させることが確認された。
- 「脂肪酸石けん系界面活性剤水溶液の粘弾性特性に与える香料成分の影響」
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発表年2024年学会・媒体日本油化学会第62回年会 山形大学工学部米沢キャンパス
界面活性剤水溶液のひも状ミセルは、その絡み合いにより溶液の粘度を高くするという特徴をもち、ボディソープ、シャンプーなどの製剤の安定性の一端を担っていると考えられる。過去の研究により、ひも状ミセル水溶液に炭化水素を可溶化させることで増粘挙動に変化が現れ、炭化水素の種類によって変化の傾向が異なることがわかっていた。また、ドデシル硫酸ナトリウム、疎水性界面活性剤であるトリ(オキシエチレン)モノドデシルエーテルの系のひも状ミセル水溶液に、種々の香料成分を可溶化させると、それらの極性により増粘挙動に影響を与えることが報告されていた。そこで本研究では脂肪酸石けん系界面活性剤のひも状ミセル水溶液の粘弾性特性に与える香料成分の影響について検討し、特性の変化を明らかにした。
- Age-related hair denaturation related to protein carbonyls
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発表年2024年学会・媒体International Journal of Cosmetic Science誌
これまでに我々は加齢により毛髪タンパク質がカルボニル化することを明らかにし、毛髪の曲率変化や水分挙動における関係性を見出してきた。本研究では、毛髪タンパク質におけるカルボニル化が加齢によって起こりやすい部位を特定し、さらにカルボニル化によっておこる高次構造変性について明らかにするため、生化学分析、熱分析、および分光分析を用いて調査した。その結果、加齢により毛髪タンパク質中のアミノ基含量が減少し、Intermediate filamentにおけるtype IIケラチンのカルボニル化が進むことが明らかとなった。顕微赤外分光分析と多変量スペクトル分解を用いた解析では、タンパク質二次構造におけるαヘリックスの存在量が加齢とともに減少することが示された。さらに高圧差示走査熱量測定の結果、変性エンタルピーも加齢とともに減少することが確認され、三次構造安定性の低下が示唆された。
- 「Noble boosting technique of penetration and adsorption for hair conditioning agent」
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発表年2024年学会・媒体ASCS 2024 conference インド・ゴア
カチオン性界面活性剤は、髪を柔らかく滑らかにする重要な成分としてヘアコンディショナー中に配合されているが、髪に効果的に浸透、吸着させる方法についてはあまり研究されていない。今回毛髪コンディショニング剤の一種である第三級アミンの併用に着目、カチオン性界面活性剤の浸透、吸着の強化について検討した。一つの系では乳酸で中和された第三級アミンをカチオン性界面活性剤と併用、もう一方は未中和の第三級アミンとカチオン性界面活性剤を併用し中和酸の影響を評価した。それぞれ毛束に処理を行い、第三級アミンとカチオン性界面活性剤の毛髪内部への浸透深度と強度をGCIB-TOF-SIMSで測定した。未中和の第三級アミンの系では、カチオン性界面活性剤と第三級アミンの浸透量が多く、深くまで浸透していることが明らかとなった。未中和第三級アミンを併用することで、カチオン性界面活性剤の髪への浸透を強化することが可能となった。
- 反復延伸によるゆがみ毛の形状変化ならびにそのケア方法の開発
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発表年2024年学会・媒体日本化粧品技術者会誌
加齢によってうねりやくせが目立つようになり、ゆがみ毛と言われる毛髪が増えてくる。“ ゆがみ毛” の存在によって、髪の手触りが悪くなり、まとまりや外観を損なうとともに、思うようなスタイリングが出来なくなるなどの課題が生じる。本研究では、ゆがみ毛に着目し、日常のお手入れ行動としてよく行われる髪を繰り返し伸ばす(反復延伸)行為との関係性を調査した。まず、ゆがみ毛保有者の行動調査では、繰り返しコーミングしてうねりやくせ対策を行っているが、その行為がかえって髪のまとまりを低下させていることがわかった。次に直毛とゆがみ毛について形態学的パラメータを定義してそれぞれサンプリングし、日常にかかり得る荷重ストレスにおいて反復延伸試験を実施した結果、ゆがみ毛は曲率が有意に上昇し、その一因として毛髪内部タンパク質のインターメディエイトフィラメントの構造安定性の低下が示唆された。さらに、ゆがみ毛の形状ならびに構造変化を抑制する成分としてPPG-2 アルギニンを見出した。
薬品カンパニー
- 高速液体クロマトグラフー四重極ー飛行時間質量分析計を用いた生薬中の不純物スクリーニング法
及びその定量法の開発(Pyrrolizine alkaloids) -
発表年2024年学会・媒体日本薬学会 第144年会
15種のPAsのスクリーニングが可能な方法を開発した。その方法を用いて3種の生薬合計10検体についてスクリーニングを実施したところ、シコンからEchimidineと、Lycopsamineあるいはその構造異性体であるIntermedineが検出された。検出されたPAsの内、標準品が入手可能なEchimidineを定量した結果、1ppm以上のEchimidineが検出された。本研究で構築したプロトコルを用いることで、生薬中の15種PAsのスクリーニングと一部PAsの定量が可能となった。
- リアルタイムPCR法を用いた生薬及び漢方処方エキスからの特定微生物の検出法(第4報)
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発表年2024年学会・媒体日本薬学会 第144年会
第十八改正日本薬局方における〈5.02〉生薬及び生薬を主たる原料とする製剤の微生物限度試験法には特定微生物試験が規定されている。この試験は標準的な培養法を採用しており、試験結果を得るには数日間を要するため、迅速で簡便な特定微生物試験法の開発が望まれる。本研究では過去にリアルタイムPCR法で約30品目の生薬から大腸菌・サルモネラを検出できることを示した。第十九改正日本薬局方参考情報の〈G4-6-190〉微生物迅速試験法に「各試験と検証が必要なバリデーションパラメーター」が追加される予定であり、定性試験の項目を参照し、本報では試験法の検出限界及び頑健性に加えて、精度についても検討を行った。なお、試験法の特異性及び適合性は過去にすでに報告している。検討の結果、すべての項目において問題ないことを確認し、リアルタイムPCR法は生薬の特定微生物試験に応用できることを確認できた。本試験法は培養法より試験日数を2日以上短縮でき、培養法の迅速化の手段として製造現場で利用できると期待される。
- 熱重量分析装置TGA801を用いた灰分試験の自動化の検討
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発表年2024年学会・媒体日本薬学会 第144年会
第十八改正日本薬局方(以下、JP18)で漢方処方エキス及び生薬の品質試験として規定されている灰分試験は、予備灰化・長時間強熱灰化及び恒量確認の工程があり、手間と時間を要する。そこで、プログラムに従い自動的に加熱(~1000℃)、冷却、秤量(>0.1 mg)を行う熱重量分析装置TGA801(LECOジャパン合同会社)を用いた灰分試験の自動化装置を用いた漢方処方エキスの灰分試験の自動化の可能性について検証を行った。JP18収載エキス9品目(3ロット)についてTGA法で測定した結果、予備灰化(250℃、30分)+強熱灰化(550℃、4時間)の条件下では9品目中4品目について恒量確認ができなかった。一方、予備灰化(250℃、30分)+強熱灰化(550℃、10時間))の条件下では、全ての検体で恒量確認ができ、灰分値も全てJP18規定値以内であった。以上の結果から、JP18収載エキス9品目について熱重量分析装置TGA801による自動化条件を確立し、本装置を利用した灰分試験の可能性が示唆された。
- 漢方製剤における生物学的同等性の評価指標成分の探索
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発表年2024年学会・媒体フォーラム富山「創薬」第59回研究会
医療用医薬品の承認申請は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)に則って行われるが、本承認制度は単一化合物あるいは少数の既知化合物から構成される化学薬品を想定したもので、未知化合物を含む多種多様な化合物から成る天然物医薬品である漢方製剤にそのまま適用することは難しい。そのため、1985年の「医療用漢方エキス製剤の取扱いについて」(薬審2第120号)等に基づく148処方の代替新規申請以降、新たな医療用漢方製剤は承認されていない。我々は、国立医薬品食品衛生研究所と共同で、非常に多くの成分より構成される天然物医薬品である漢方製剤に関する基礎的知見を得ることを目的として漢方処方の湯剤とエキス製剤を用いた臨床試験を実施し、ヒトに投与した際の薬物動態が確認できる化合物を探索してきた。その中で、マオウに含有されるephedrineやpseudoephedrine、カッコンに含有されるpuerarinは生物学的同等性を得られる可能性が高いことを明らかにした。今回、得られた知見について紹介する。
- マイクロコロニー法による生薬及び生薬を主たる原料とする製剤の生菌数試験における迅速化の検討(第3報)
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発表年2024年学会・媒体日本防菌防黴学会第51回年次大会
第十八改正日本薬局方(JP18)における生薬及び生薬を主たる原料とする製剤の微生物限度試験法< 5.02 >には、生菌数試験として総好気性微生物数及び総真菌数の評価が規定されている。これらの試験法は、対象となる微生物が目視で観察できるまで数日間を要するため迅速な試験法の開発が望まれる。本研究では、JP18参考情報の微生物迅速試験法< G4-6-170 >に記載されているマイクロコロニー法を応用した微生物微小コロニー迅速検査装置TM-LAB plus(槌屋)の適用について検討してきた。これまでに、葛根湯エキス及び構成生薬の総好気性微生物数評価においてTM-LAB plusを用いたマイクロコロニー法(以降TM-LAB法)の適応が可能であることを示した。本報では、総真菌数評価の条件検討及び総好気性微生物数評価の条件の見直しを行い、生菌数試験TM-LAB法による19生薬の生菌数試験を実施した。検討の結果、総好気性微生物数評価では全ての生薬、総真菌数評価ではオウレン及びボレイを除く17生薬で正しい菌数評価ができ、本法は生薬の生菌数試験に利用できる可能性が示唆された。一方、オウレンは自家蛍光によりコロニーの識別ができないこと、ボレイは菌の増殖抑制により菌数が過小評価される課題が判明した。
- 二酸化炭素超臨界流体抽出-LC-MS/MSを用いた植物試料中のマイコトキシン分析法の開発と
ハンセンの溶解度パラメータを用いた抽出寄与パラメータの解析 -
発表年2024年学会・媒体日本分析化学会第73年会
マイコトキシンはカビが産生する二次代謝物のうち健康影響を及ぼす化合物の総称であり、低濃度でも健康被害を及ぼすため、様々な国や地域で最大基準値が設定されている。マイコトキシン分析は特に夾雑成分の多い乾燥食品やスパイスでは複数の前処理法を組み合わせる必要があり、煩雑性や再現性で課題がある。二酸化炭素を用いた超臨界流体抽出 (CO2-SFE) は浸透力、溶出力及び夾雑成分との分離能の高さから、残留農薬など食品中不純物スクリーニングの抽出法として検討されつつある。CO2-SFEは共溶媒として有機溶媒を混合し、抽出力を変化させることができる。そのため、CO2-SFEのメソッド開発には測定対象に応じた共溶媒の選択が必要であるが、経験的に共溶媒を選択しており、抽出力に与える影響は明らかではない。そこで、共溶媒とマイコトキシンの物性パラメータを用いて共溶媒の種類とマイコトキシンの抽出率との関係を考察した。ハンセンの溶解度パラメータを説明変数、マイコトキシンの抽出率を目的変数として重回帰分析した結果、自由度調整済み決定係数 (R2) の値が0.92と非常に高く、説明変数が目的変数を説明できていることが分かった。また、3種のハンセンの溶解度パラメータのうち、今回の定対象マイコトキシンの抽出には特に水素結合性に関するパラメータの寄与が高いことが明らかとなった。
フーズカンパニー
- 泡沫状服薬補助食品の開発およびその薬剤溶出性への影響について
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発表年2022年学会・媒体第32回日本医療薬学会年会
泡沫状服薬補助食品(おくすりパクッとねるねる)に薬剤を混合した時の薬剤溶出性への影響について、溶出試験法により評価した。試験は日本薬局方に準じて実施し、薬剤はアセトアミノフェン製剤、プレドニゾロン製剤、フロセミド製剤、メトロニダゾール製剤の4種を対象とした。判定基準には、各製剤に設定された溶出性の基準(溶出規格)を用いた。試験の結果、4種すべての薬剤において、溶出規格を満たす溶出性を確認した(n=12)。このことから、泡沫状服薬補助食品(おくすりパクッとねるねる)は薬剤の溶出性を妨げないことが示唆された。
- ゲラニオール配合ローズフレーバーソフトキャンディの喫食影響の研究
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発表年2022年学会・媒体日本農芸化学会2022年度大会
ゲラニオール配合ローズフレーバーソフトキャンディが、マスク着用時の不快感の解決に繋がる可能性について検証した。まず、精神面への影響をアンケートにより確認したところ、キャンディを喫食することでリラックス・リフレッシュしたと感じること、気分が良化し、ネガティブな感情が減少する傾向が見られた。次に、マスク内空間(マスクと体表面の空隙)の状態を調査すべく、マスク内面に付着した成分をGC/MSにて分析すると、喫食30分後のマスクからゲラニオールが検出された。また、キャンディ喫食時の脳波への影響を確認したところ、喫食前後でα波の出現率(%)が上昇していることが確認された。これらの結果より、ゲラニオール配合ローズフレーバーソフトキャンディを喫食することで、マスク内空間の環境が改善され、α波の出現率上昇、及び気分の良化・ネガティブ感情が減少する可能性が示唆された。
その他(3事業の枠を越えた研究)
- アルクチゲニンを含むレンギョウ葉エキスの疲労感軽減効果および睡眠の質改善効果
—ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験— -
発表年2022年学会・媒体Japanese Pharmacology & Therapeutics, 2022, 50(1), 61-77
レンギョウの葉には抗酸化作用や抗炎症作用を有するアルクチゲニン(AG)が豊富に含まれており、疲労および睡眠の質に対する改善効果が期待される。本研究では、日常的に疲労感を自覚しており、25.0≦BMI≦30.0、20歳以上65歳以下の健常成人男女120名を対象に、レンギョウ葉エキス(RLE)配合食品(AG 80 mg/日)またはプラセボを4週間摂取した。その結果、RLE配合食品摂取群はプラセボ群に比べてVAS(疲労感)が有意に改善し、Chalder疲労質問票の身体的および精神的疲労スコアが有意に低下した。また、OSA睡眠調査票MA版およびセントマリー病院睡眠質問票において、睡眠感や睡眠の質に関するいくつかの指標が有意に改善した。これにより、AGを含有するRLE配合食品は、日常的な疲労感の軽減および睡眠の質の改善に効果があることが示された。
- アルクチゲニン含有ゴボウスプラウトエキスの疲労感軽減効果および睡眠の質改善効果
—ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験- -
発表年2022年学会・媒体Japanese Pharmacology & Therapeutics, 2022, 50(11), 1989-2003
ゴボウスプラウトに豊富に含まれるアルクチゲニン(AG)は、様々な生理活性を有することが知られており、疲労および睡眠の質に対する改善効果が期待されている。本研究では、日常的に疲労感を自覚しており、23.0≦BMI≦30.0、20歳以上65歳以下の健常成人男女120名を対象に、ゴボウスプラウトエキス(GSE)配合食品(AG 40 mg/日)またはプラセボを4週間摂取した。その結果、GSE配合食品摂取群はプラセボ群に比べてOSA睡眠調査票MA版およびセントマリー病院睡眠質問票において、睡眠感や睡眠の質に関するいくつかの指標が有意に改善した。また、特定の集団においては日常的な疲労感の軽減が認められた。以上よりAGを含有するGSE配合食品は、睡眠の質の改善や日常的な疲労感の軽減に有用な食品であることが確認された。

