遺伝子情報を利用したソウハクヒの基原植物に関する調査
ソウハクヒは五虎湯に含まれる重要な生薬であり,Morus alba Linné(Moraceae)の根皮と規定されている(第17改正日本薬局方).生薬は加工した後では形態学的な鑑別は難しく,近縁植物がソウハクヒとして混入する可能性がある.最近では,生薬の基原植物の鑑別のため遺伝子型を利用した方法が確立されてきている.本報告では,様々な地域から得られた11検体についてDNA解析および理化学試験を実施し,局方記載のソウハクヒの基原植物であるのか検討した.
DNA解析では葉緑体遺伝子6領域および核遺伝子1領域について調査した結果,複数の領域で遺伝的違いが見つかった.河南省栾川の1検体ではrpl16領域に特異的な配列が見つかり,他のクワ属植物と遺伝的相同である可能性が示された.理化学試験では,ほとんどの検体が成分Mulberroside Aを含んでいたが,栾川の検体では検出されなかった.Mulberroside A含有と遺伝的多様性の関連性が示唆された.
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