STQ法による漢方処方エキス中残留農薬の分析法の検討
漢方薬の原料である生薬の生産現場では,栽培の効率化や虫害の防除などのために農薬が使用される場合があるほか,近接する作物への農薬散布時におけるドリフトの可能性があるなど,生薬への農薬の残留が否定できない.そのため,日本薬局方や日本漢方生薬製剤協会自主基準の対象となる農薬のみならず,想定外の農薬の残留まで幅広く対応するためにも,網羅的なスクリーニング方法として一斉分析法の確立が求められている.そこで,漢方処方エキス中の残留農薬の多成分一斉分析として,QuEChERS法と固相抽出法を組み合わせたSTQ法の有用性について検討を行った.
検討の結果,いずれのエキスについても試料に由来する妨害ピークはほとんど確認されず,多くの農薬種で実用的な回収率が得られた.本検討より,STQ法による精製とMRMモードによる測定を行うことで,漢方処方エキスのようなマトリックスが複雑である試料についても,簡便に分析できる可能性が示唆された.
学会・雑誌
日本分析化学会第69年会
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