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作り手の思いを形にして、お客さまのもとに届ける使命。

「開発担当から託された思いを形にして、お客さまに届けることが工場の使命です」。そう語るのは、約20年にわたって生産管理の仕事に携わっているHさんです。品質と生産性の向上を追求しつつ、多くの部署と連携を取りながら広い視野を持って仕事に取り組んでいます。

  • 宿泊施設
  • 温浴施設

効率的な生産を目指しつつ、もちろん品質も譲らない。

「開発担当の思いを共有して、その熱量を工場の作業員の人たちに伝えていくことも自分の大切な役割」と話すHさん

生産管理課長として、現在はグループ会社セキセイT&C で生産部門の司令塔の役割を担っているHさん。クラシエホームプロダクツの津島工場と現在の工場、2つの現場で約20年にわたって生産管理に携わってきました。

「現在勤務しているのは、津島工場と同程度の生産量を担う、第2の主力工場。ボディソープ商品を中心に、ヘアケア商品も一部取り扱っています。私は生産管理の責任者として、依頼に応じて生産計画を立案し、資材を調達して、品質・工程・出荷の管理を行っています」

Hさんの仕事のモットーは「コストを抑えて良いものを」。ただし、「より効率的な生産を目指すことを大切にしながら、もちろん品質も譲れないので、そのせめぎ合いが最も難しいというか、苦労する部分ですね」と真摯に語ります。

また、商品開発や研究所など、各部署の担当者にもそれぞれのこだわりがあるため、お互いに譲れない部分を話し合いながら、落としどころを探っていくのだとか。特に、新商品の立ち上げの際には、さまざまな部署とやり取りをしながら、生産の方法や体制を決めているといいます。

「各部署と調整をして、自分たちが立てた計画通りに工場がうまく回っていくと、やりがいや手ごたえを感じますね。計画とのギャップがあれば埋めていって、次の計画に反映していくことを繰り返しながら、いかに計画の精度を上げていくかをずっと追い求めています」

コロナ禍以前、インバウンドの影響でホテルの稼働率が上がり、プロフェッショナル商品の需要が大きく増えた時期には、関係者と相談しながら対応したと話すHさん。

「Bag In Box(以下BIB)と呼ばれる、ホテルや温浴施設向けの大容量商品は、私が現在勤務している工場にしか充填ラインがありません。そのため、生産数量が多い中で、何を優先するのか、どうすれば対応できるのか、工場側からも解決策を提案しながら進めてきました。生産管理課は、生産数量を最初に把握できる部署ですので、私たちが積極的に提案や問題提起をしていくことが重要だと考えています」

さらに、コロナ禍以降の状況も見越して、「外国人観光客の方たちが少しずつ戻りつつある中で、またプロフェッショナル商品の需要が増えていくと予想されます。津島工場との役割分担を考えて、私たちの工場ではBIBの生産に特化するといった“選択と集中”も今後は必要になってくるかもしれません」と語ってくれました。

サプライヤーのみならず、各部署や津島工場、協力工場との窓口として、多くの人たちと連携を取りながら生産管理を行う

思いを届けるために、一丸となって取り組んでいきたい。

「商品に対して一番思い入れがあるのは、やっぱり商品開発の方だと思いますので、その思いをできる限り実現することが、ひいてはお客さまに届けたいメッセージを表現することにもつながるはずです」と口にするHさん。開発担当の思いを形にするのが工場の使命だと語ります。

その一方で、工場の生産性を向上させるために、省人化や自動化にも取り組んでいく必要があるといいます。

「これまではいわゆる人海戦術で、人員を投入して生産体制を強化していた面がありました。しかし、これからの時代は省人化や自動化も考えていかなければなりません。そのためには、より効率よく作ることが可能なデザインや仕様を、生産現場から開発担当者に提案していくことも必要だと考えています。現在も部署を越えて連携を取っていますが、これからは商品開発の早い段階からもっとコミュニケーションを取っていけるといいですね」

品質と生産性の向上を実現していくためには、生産現場だけで取り組んでいても限界があるとHさんは続けます。

「お客さまへの思い、商品開発者の思いを実現しながら、品質や生産性も考えていくためには、工場だけでなくメーカーとして一丸となって取り組んでいくことが大切だと思っています」

自身の現場だけでなく、他部署や会社全体にも目を配り、未来を見据えて思考を巡らせているHさん。常に視座を高く持って仕事と向き合う姿から、長年にわたり生産管理を担ってきた矜持が伝わってきました。