血液と血管の総合サイト

監修:杏林堂漢方薬局 薬剤師 若山忠裕 先生

全身のすみずみまで行き渡り、体中に栄養分を送り届けてくれる血液と、それを支える血管は、人間の健康の源ともいえるものです。もしこの血液・血管に問題が発生すると、さまざまな病気につながってしまいます。
そこでこのWebサイトでは、血液・血管の健康やさまざまな病気に関する話題を、わかりやすく解説していきます。血液・血管の健康を保つ秘訣を身につけて、病気になりにくい健康な体を目指しましょう!

大切な血液・血管の健康

人間が元気でいるためには、エネルギーのもとになる酸素や栄養分を、体の末端組織まで送り届ける必要があります。そんな「人体のデリバリーシステム」ともいえるのが、血液・血管です。このシステムには、体のすみずみの組織まで「酸素や栄養分を送り届けること」と「二酸化炭素や老廃物を回収すること」の2つの役割があります。

人体のデリバリーシステム説明

動脈を流れて体を巡る血液は、やがて毛細血管に入り、体のすみずみまで酸素と栄養分を届けます。一方、末端の組織で酸素や栄養分が使われると、その際に発生した二酸化炭素や老廃物を含んだ血液が、静脈を通って戻ってきます。こうして常に体中に活動のもととなるエネルギーが届けられています。

そのため、このデリバリーシステムに異変が起こると、体にさまざまな不調を感じることになるのです。たとえば、肩こりや頭痛も血行不良による栄養素や酸素の不足、疲労物質などの滞りが原因となることもあります。また、血液・血管の不調によって、動脈硬化のような重篤な症状を引き起こすこともあります。そうした症状に悩まされないためにも、この仕組みを正常に保ち、“血液の流れ”を良くすることがとても重要になるのです。

血管が青く見えるわけ

血管が透けて見えるイメージ

血液といえば、一般に鮮やかな赤色のイメージですが、腕や足などに透けて見える血管は青く見えるものがほとんどです。体表に近い側を流れるのは老廃物などを含んだ静脈であることが多く、こうして見える血管は、ほとんどが静脈です。そのため、この静脈を通る血液が、酸素を失って青くなっていると思われがちですが、実は違います。血液検査などで採血された経験がある方はおわかりと思いますが、静脈から抜かれた血液は暗赤色で、青いわけではありません(なお、タコやイカのように、青い血液の生物もいます)。

それなのに、なぜ血管が青く見えるのでしょうか? それは光の色の違い(波長の違い)による浸透しやすさが関係しています。青い光と赤い光を比べると、波長の短い青い光は透過しにくいため、皮膚の表面近くで反射します。一方、より波長の長い赤い光は浸透しやすく、皮膚の内部をさまよう(乱反射する)ため、血管(血液)に到達した際にはいくらか吸収されて、弱まってから出てきます。その結果、血管部分では、ほとんど吸収されずに反射した青い光に対し、赤い光は弱まって目に届くため、ほかと比べて血管のある部分が青く見えるというわけです。ちなみに、目の内側に見えるような毛細血管の場合は、透けて見えるほど表面にあるため、血液の色がそのまま見えていると考えられます。

要注意! 進行に気づきにくい血液・血管の病気

このように重要な役割を担っている血液・血管。重要な器官であるからこそ、ちょっとした不具合が、重篤な病気へと繋がってしまう場合があります。とくに年齢を重ねてくると、古くなった血管の不調などのせいで、生活習慣病の対象者が増えていく傾向にあります。一般的に注意したいものとしては、

  • 高血圧
  • 動脈硬化
  • 脂質異常症(高脂血症)

などがあげられるでしょう。

動脈硬化のイメージ

とくに近年では、食生活の欧米化のほか、睡眠不足、ストレス過多といった影響から、高齢者だけでなく30代~40代の若い人にもこうした病気などが増えているようです。たとえば動脈硬化の場合、公益財団法人 循環器病研究振興財団の情報によれば、実はゼロ歳の時点で主な動脈に「硬化」の初期病変がみられ、なんと10歳前後から急に進んでくるといいます。そして、「30歳ごろになると、まさに“完成”された『動脈硬化』が現れるようになる」とのことです。もちろん、それ以降の中高年ではさらに気をつけたいのは言うまでもないことです。

これらはすぐに体に変調を来すわけではないことも怖さのひとつです。その病変が積もり積もったときには、血管が詰まって「梗塞(こうそく)」になったり、こぶ状にふくれて最悪の場合は血管が破裂したりする事態にもなってしまうのです。なかでも高齢者にありがちな「高血圧」は、「サイレントキラー」とも呼ばれ、ハッキリとした自覚症状がないことも多く、放っておくと寿命を縮めることにもなりかねないので注意が必要です。

血液・血管を健康に保つには?

年齢を重ねると問題になるこうしたリスクを防ぐためにも、血液・血管は健康に保ちたいですよね?
定期的に健康診断を受けて、自身の健康状態を把握することはもちろん大切ですが、異常値が出てから対処したのでは手遅れになることも。そうならないよう、日常的にケアすることが重要です。そんな血液・血管を健康に保つ秘訣をいくつかご紹介しましょう。

食事によるケア

血液・血管を健康に保つために、まず食生活を見直しましょう。日常的に運動していた頃とは違い、年齢を重ねて活動量も減ってくると、1日に必要なカロリーも減少します。昔のように何でも好きなものを好きなだけ食べるという食生活を見直して、現在の自分に見合ったカロリー量を把握し、それを超えない程度の食事に抑えましょう。
多く摂取するように心がけたいのは、雑穀・納豆・海草・キノコ類・野菜など食物繊維の多い食品。反対にできるだけ控えたいのは、マーガリン・揚げ菓子などトランス脂肪酸の多い食品(LDLコレステロール上昇などを引き起こし、心臓疾患リスクの増加に繋がるとされています)、肉の脂身・チーズ・バターなどの動物性脂肪を多く含んだ食品などです。また、アルコールも中性脂肪を増加させるので、量を控えるようにしましょう。
さらに、塩分の摂り過ぎ、喫煙も血圧を上げる作用があります。たとえば、塩分過多の食事後の一服といったことをよく行う人は注意が必要です。

摂取推奨、非推奨の食品イメージ

運動によるケア

カロリーを制限する食事だけでなく、運動によって消費カロリーも増やしたいですね。体を動かすことで一時的なカロリー消費だけでなく、筋肉がついて基礎代謝を上げる効果も期待できます。年齢を重ねると「若いときより太りやすくなった」と感じるのは、筋肉量が減ったことも一因でしょう。毎日少しずつでもいいので、継続的に運動することで、筋肉を増やして代謝を上げることができ、さらに身体の機能低下も防ぐことができます。 おすすめの運動は、ウォーキングやランニング、水泳といった有酸素運動です。酸素を取り入れながらゆっくりと運動することで、体にたまってしまった余分な脂肪を燃焼するだけでなく、血行促進も期待できます。

動脈硬化のイメージ

漢方薬・生薬製剤

漢方では、西洋医学の血液とは少し違った「血(けつ)」という概念があり、その理論に沿った対処法があります(血の質や量、流れなどを判断して対処を行います)。そのため、西洋薬では対処の難しい「高血圧傾向のある方の頭痛や肩こり」「冷えのある方の月経痛・月経不順・めまい・肩こり」といった症状も、漢方薬・生薬製剤では対応が可能になるのです。
詳しくは、こちらからご覧ください。

摂取推奨、非推奨の食品イメージ