
喉がイガイガするのはなぜ?原因や対策、予防法などを解説
最終更新日 2025年12月26日喉が痛いというほどではないけれど、喉がイガイガした経験は誰しもあるのではないでしょうか。かぜのひき始めと思われがちですが、実はさまざまな原因が考えられます。
ここでは、喉がイガイガする原因と、原因に合わせた対策や予防法などについて詳しく解説します。
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目次
喉のイガイガとはどんな症状?

「喉がイガイガする」というのは、喉が痛いというほどではないけれど、「むずむずする」「ヒリヒリする」「いがらっぽい」などの症状を含め、喉にいつもと違う不快感がある時に使うことが多い表現です。ほこりっぽい日や乾燥した室内で感じる日常的なちょっとした喉の不快感から、かぜのひき始めなどに咳の前兆として感じる場合や、何らかの病気の症状としてしばらく続いている場合もあります。
喉のイガイガの主な原因とは?
空気の通り道である気道のどこかに炎症などが起きてイガイガが起こっていると考えられます。喉のイガイガが起こる主な原因を紹介します。
季節や室内環境による乾燥
季節や室内の乾燥が、喉のイガイガの原因の場合があります。喉は粘膜で覆われていて、口や鼻から侵入した異物を気道の粘液で取り込み、線毛で排除するというバリア機能が備わっています。このバリア機能には乾燥が大敵で、季節や室内環境によって喉が乾燥すると、粘液が減り線毛の動きが悪くなり、喉が刺激を受けやすい状態になり、喉の不快感が出るのです。空気が乾燥する冬はもちろん、夏もエアコンによって室内の空気が乾燥するため、注意が必要です。また、空気が乾燥すると喉のバリア機能が低下する上に、細菌やウイルスに感染しやすくなり、かぜの初期症状として喉のイガイガが現れることもあります。
かぜなどのウイルスや細菌
ウイルスや細菌による感染が、喉のイガイガの原因の場合があります。かぜの原因となるウイルスや細菌に感染すると、喉の粘膜に炎症が起こり敏感になります。そのため、喉の痛みや咳などのかぜの初期症状として、喉がイガイガしたり、不快感が出たりするようになります。特に習慣的に口呼吸をしている方は、ウイルスや細菌が体内に侵入しやすく、また喉が乾燥しやすいため、喉の不調を感じている可能性があります。
花粉やハウスダストなどのアレルギー
さまざまなアレルギーが、喉のイガイガの原因になっている場合があります。花粉症、ハウスダストやダニによるアレルギー性鼻炎などアレルギーの病気のある方は、アレルギーの原因(アレルゲン)が体に入ると鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどの症状が出ますが、喉のイガイガやかゆみもアレルギー症状のひとつとして起こることがあります。花粉症やアレルギー性鼻炎で鼻づまりになり口呼吸になると、喉が乾燥することも喉に症状が出る原因のひとつです。かぜと間違いやすく、喉の症状がアレルギーと結びつかないことが多いようです。
また、特定の果物や生の野菜などを摂った後に、口の中や喉にイガイガやしびれ感などがある場合には、口腔アレルギー症候群の可能性があります。花粉症の原因となるアレルゲンと、果物や野菜に含まれるアレルゲンの構造が似ていることで発症します。花粉症の時期だけでなく1年を通して起こる可能性があり、重篤なアナフィラキシーショックを起こすこともあるため注意が必要です。
喉の使いすぎによる負担
喉の使い過ぎが、喉のイガイガの原因の場合があります。大きな声を出したり声を出し続けたりすると、声を出すための器官である声帯の粘膜に炎症が起きて、喉のイガイガにはじまり、声のかすれや喉の痛みが現れることがあります。声帯に炎症が起きて充血している時に、さらに喉を使い過ぎると声帯にポリープが出来ることがあり、悪化し症状が長引きます。歌手や声優、教師、政治家など職業柄、声を使う機会が多い方や、カラオケやスポーツ観戦など大声を出すことが多い方は注意が必要です。
逆流性食道炎や腫瘍、その他の要因
逆流性食道炎や腫瘍などの病気、飲酒や喫煙習慣、辛い食べ物が、喉のイガイガの原因の場合があります。
逆流性食道炎は、胃の内容物や胃酸が食道に逆流して食道に炎症が起きる病気ですが、逆流した強い酸が喉まで達することで、喉の粘膜にも炎症が起きて、喉に不快な症状が生じます。また、咽頭がんや喉頭がんなどの悪性腫瘍は、初期症状が乏しいことも多く、腫瘍のできる場所によっても違いますが、喉のイガイガ、声のかすれ、喉の異物感、飲み込みにくさがあらわれることが多いです。
その他、アルコールやタバコ、辛い香辛料は喉の粘膜を直接刺激するため、イガイガの原因となります。特に飲酒はアルコールの利尿作用によって喉が渇くことも、喉の不快感につながります。こうした生活習慣や嗜好はやめられないことが多く、喉の不調が続く原因となります。
喉のイガイガをやわらげる予防法
喉のイガイガなど喉の不快な症状は、少しでも和らげ、悪化しないようにしたいものです。喉のイガイガを和らげ、予防する方法を紹介します。
うがいの徹底
喉のイガイガを予防するには、まず「うがいを徹底する」ことです。外出から帰宅した時のうがいは、ウイルスや細菌を除去する感染対策として一般的になりましたが、喉のイガイガの原因となる花粉やほこりを除去するためにも役立ちます。また、家にいる時でも、気になる時にうがいをすると、口の中を清潔に保ち、喉の粘膜を潤すことができ、乾燥による喉の不快感の予防に役立ちます。

喉の乾燥を防ぐ
喉の乾燥を防ぐと、乾燥による喉の粘膜のダメージを和らげ、線毛の働きを助けるため、喉のイガイガの予防につながります。喉の乾燥を防ぐ方法として、マスクを着用すると乾燥した外気を防ぎ、自分の吐いた息に含まれる水分で喉が潤います。また、加湿器で部屋の湿度を上げると、喉の乾燥を防ぐだけでなく、ウイルスの活動を押さえることができるため、感染予防にも役立ちます。喉の乾燥を防ぐために、こまめに少しずつ水分を摂ることもおすすめです。
そのほか、飴をなめたり、ガムやグミを噛んだりすると、唾液の分泌を促すため喉を潤すことができます。のど飴は用途に応じて使い分けましょう。まず普通の食品として売られている飴やガム・グミは、毎日の喉を潤すのに適しています。喉に少し違和感を覚えた時には、のどの不快感を和らげる効果が期待できる医薬部外品ののど飴がおすすめです。そして、喉の症状がはっきりしている場合は、のどの痛みや炎症を抑えたり、粘膜を保護したりする成分が入った医薬品のトローチを、用法・用量をしっかり守って使うようにしましょう。

休息をしっかり取る
喉のイガイガや不快感が、長時間の会話やカラオケ、大声での声援など、喉の使い過ぎが原因の場合には、喉を休めることが大切です。喉のイガイガや不快感がある時には、できるだけ、声を出さないようにすることが大切です。また、喉だけでなく、疲労やストレスが蓄積すると免疫の低下につながり、かぜをひきやすくなるため、睡眠を十分にとり身体を休めることも大切です。

喫煙や刺激物を控える
喉のイガイガや不快感の原因であるアルコールや喫煙、辛い食べ物など、喉の刺激になるものは、できるだけ控えて喉に負担をかけないようにしましょう。こうした喉の刺激になるものを習慣的に摂っていると、喉の不快感が日常的になってしまい「いつものことだから」となりがちですが、悪化する可能性や他の病気の初期症状の場合もあります。喉がイガイガするなと感じたら、禁酒・禁煙を心がけ、喉に負担をかけないように薄い味付けの消化の良い食物を摂るようにしましょう。

症状別:喉のイガイガに役立つ漢方薬、生薬製剤
喉のイガイガや不快感をやわらげるには、対策や予防法などをおこなったうえで、漢方薬、生薬製剤が回復を助けることがあります。喉のさまざまな症状に適した漢方薬、生薬製剤を紹介します。
喉の乾燥や空咳に
「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」
喉が乾燥して、痰(たん)の少ない乾いた咳が出る場合の漢方薬として、「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」があります。麦門冬湯は、喉の粘液の分泌を増やし、喉や気管などの呼吸器に潤いを与え、咽頭炎や咳を鎮める働きが期待できる漢方薬です。
かぜのあとに乾いた咳が残っている場合や、喉が乾燥して声枯れや喉の不快感がある方にお使いいただけます。

喉の腫れ・痛みがあるときの痰に
「桔梗石膏(ききょうせっこう)」
喉が腫れて唾を飲みこむ時に痛みがあり、痰が絡むような場合の生薬製剤として「桔梗石膏(ききょうせっこう)」があります。桔梗石膏は、呼吸器の炎症を抑えて痰を排出する効果が期待できる生薬製剤です。喉の腫れや痰があるときに幅広くお使いいただけます。

かぜによる喉の痛みに「銀翹散(ぎんぎょうさん)」
かぜによる喉の痛みや、口の渇き、咳、頭痛がある場合の漢方薬(生薬製剤)として「銀翹散(ぎんぎょうさん)」があります。銀翹散は、のどや体表の炎症を抑える働きがあり、かぜのひき始めの熱っぽく喉が痛い時にお使いいただけます。

激しい咳に「五虎湯(ごことう)」
かぜで激しい咳が出る場合の漢方薬として「五虎湯(ごことう)」があります。五虎湯は、気管や気管支の炎症を抑えて咳の症状の改善が期待できる漢方薬です。息が苦しいほど咳こんだり、顔が赤くなるほど激しい咳が出たりするときや、粘り気のある黄色い痰が出る気管支炎にお使いいただけます。

まとめ
喉は空気の通り道である気道の一部であり、イガイガする症状が起きている場所や、原因はさまざまです。主な原因は喉の乾燥、ウイルスや細菌による感染、アレルギーの症状、喉の使い過ぎなどですが、逆流性食道炎や腫瘍といった別な病気が原因の場合もあります。喉のイガイガや不快感に対して、思い当たる原因があれば、原因を取り除いたり、原因に応じた対策することで、喉のイガイガを和らげたり予防することができます。また、症状が長引く場合には、医療機関に相談することも大切です。喉のイガイガの対策や予防をしたうえで、症状に応じた漢方薬や生薬製剤を使うと、さらに症状の改善が期待できます。喉の乾燥があるときの咳には麦門冬湯、喉の腫れや痛みがあるときの痰には桔梗石膏、かぜの喉の痛みには銀翹散、激しいせきには五虎湯など、漢方薬や生薬製剤は症状に合わせて使うことが大切です。
小谷敦子
薬剤師免許取得後、病院薬剤師として就職。ライフステージの変化にともない、調剤薬局の薬剤師とメディカルライターとしての実績を積んできた。東洋医学専門診療科のある大学病院の門前薬局では、漢方薬の処方に対する数多くの服薬指導を経験。
