
かぜのときにおすすめの食べ物・避けたい物は?症状別でご紹介
最終更新日 2025年12月26日かぜをひくと「食欲がない」「何を食べたらいいかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。発熱や寒気、のどの痛み、下痢など、かぜの症状は人によってさまざまで、体調を崩したときこそ食事選びに迷いやすくなります。ではかぜをひいたときは、どんな食べ物をとるのが良いのでしょうか。実際、胃腸の働きが弱っているときに負担の大きい食べ物をとると、治りが遅くなったり体力の回復が遅れたりすることもあります。この記事では、症状別に「かぜのときにおすすめの食べ物」と「避けたい食べ物」を紹介します。体をいたわりながら、無理なく回復をサポートしてくれる食事をみていきましょう。
おすすめの漢方はこちら
目次
かぜのときの食べ物が重要な理由とは

かぜの回復には薬だけでなく、毎日の食事で体のケアをすることが欠かせません。体は栄養素を材料にしてエネルギーを作り、免疫の働きを維持しています。そのため、体調を崩しているときはその機能が低下しやすく、食事からの栄養補給や水分補給がより大切になります。
漢方の考え方でも、昔から日々の食事で体を整える「食養生(しょくようじょう)」が重視されてきました。かぜのときも、どんな食べ物を選ぶかが体を整え、体調の回復を後押しするポイントになります。
症状別:かぜのときにおすすめの食べ物
かぜとひとくちに言っても、発熱や寒気、のどの痛み、胃腸の不調など症状はさまざまです。体調に合った食べ物を選ぶことで、体に負担をかけずに必要な栄養を補い、回復を後押しすることができます。ここでは、症状別におすすめの食材と活用メニューのポイントを紹介します。
発熱・寒気があるときにおすすめの
食材とメニューのポイント
かぜで寒気や発熱があるときは、体を内側から温めて代謝を高める食べ物を選ぶことが大切です。消化にやさしく、温かい一品を取り入れることで、回復をサポートできます。
おすすめの食材
しょうがは体を芯から温めて発汗を促すため、寒気や発熱時に昔から使われてきました。辛味成分のショウガオールをはじめ、しょうがに含まれる成分には殺菌作用があり、胃液の分泌を促して消化吸収を助けるほか新陳代謝を高めて体を温める働きがあります。ねぎには疲労回復を助ける硫化アリルが、シナモンには血流を促すシンナムアルデヒドが含まれ、いずれも発熱や悪寒による不快感をやわらげるのに役立つ食材です。

おすすめメニュー(例)
寒気がするなどのかぜのひきはじめの時は、冷たいものよりも温かいメニューで体を中から温めましょう。しょうが湯は、寒気や発熱でつらいときに体を内側からじんわり温めてくれる一品です。しょうがに含まれるショウガオールが血行を促し、発汗を助けるため、体をポカポカにしてくれます。その他、おかゆや鶏スープ、葛湯などの温かい料理は消化しやすく、口当たりもやさしいため、熱や寒気でつらいときにおすすめです。
おすすめの1品「しょうが湯」の作り方のポイント
しょうが湯の作り方は簡単で、すりおろしたしょうがをお湯に溶かし、はちみつや砂糖で味を調えるだけで手軽に作れます。甘みとして砂糖の代わりに甘酒を少しブレンドすると、エネルギー補給や栄養面でもサポートが期待でき、より体にやさしい一杯になります。冷えがつらいときは、シナモンパウダーをひとつまみ加えるのも良いでしょう。寒気や発熱でつらいときに、体を温めてやさしくケアしてくれるメニューです。
のどの痛み・咳があるときにおすすめの
食材とメニューのポイント
のどの痛みや咳があるときは、のどを潤し炎症をやわらげる食べ物を選びましょう。刺激にならないよう、
やさしい口当たりのものや水分を多く含むものがおすすめです。
おすすめの食材
はちみつは粘膜を保護してのどの痛みをやわらげる作用を持つ食材です。さらにはちみつに含まれるメルピロールという成分
には咳を鎮める作用があり、夜間の咳をやわらげるのに役立つとされています。レンコンはのどのケアをサポートするビタミンCを豊富に含み、銀杏はアメントフラボンという成分によって痰を出しやすくします。梨は水分を豊富に含むことと、ソルビトールと呼ばれる成分によってのどを潤す作用が期待できます。

おすすめメニュー(例)
のどの痛みや咳があるときは、のどを潤すやさしいメニューを選びましょう。大根とはちみつの煮物は、はちみつによってのどの痛みがやわらぐだけでなく、夜間の咳を落ち着かせるのに役立つでしょう。大根のやさしい甘みと合わせることで、食べやすくのどにやさしい1品になります。
他には、はちみつレモンや梨のコンポートなども、乾燥したのどをやさしく潤して保護し、つらい咳を和らげてくれるおすすめのメニューです。
おすすめの1品「大根とはちみつの煮物」の作り方のポイント
大根とはちみつの煮物の作り方は簡単で、角切りにした大根を水とともに鍋で煮こみ、やわらかくなったら火を止めてはちみつを加えて完成です。大根を柔らかく煮込むことで、のどの通りも良く食べやすくなるでしょう。はちみつのやさしい甘さが咳やのどの痛みを和らげ、かぜの回復をサポートしてくれる1品です。
胃腸の不調・下痢があるときにおすすめの
食材とメニューのポイント
胃もたれやむかつき、下痢などの不調がつづくときは、胃腸に負担をかけない食べ物を選ぶことが大切です。消化しやすく、必要な栄養を補える食材を取り入れましょう。
おすすめの食材
滋養強壮の食材として古くから親しまれてきた山芋は、消化を助ける酵素アミラーゼを豊富に含み、弱った胃腸を支えて体力回復を促します。さらにカリウムや食物繊維も含まれ、腸内環境を整えるのに役立ちます。
にんじんは粘膜を保護してくれるβ-カロテンを豊富に含み、胃や腸の調子を整えてくれます。

おすすめメニュー(例)
胃もたれや消化不良などの不調や下痢が続くときは、消化にやさしく体に負担をかけないメニューを選びましょう。山芋入りおかゆは消化もよく、体力を補えるおすすめの一品です。山芋に含まれるアミラーゼが消化を助け、疲れた胃腸をいたわりながら栄養を摂ることができます。
他には、にんじんスープやバナナなども胃腸の不調や下痢があるときに
手軽に取り入れられて食べやすいおすすめのメニューです。
おすすめの1品「山芋入りおかゆ」の作り方のポイント
山芋入りおかゆの作り方は、多めの水で米をやわらかく煮込み、すりおろした山芋を加えて混ぜ、塩やしょう油で軽く味を調えます。とろとろの山芋と柔らかいおかゆは消化に負担をかけずに体力を補い、下痢や胃もたれがあるときの回復をやさしく支えてくれるでしょう。
かぜのときに避けたい食べ物とは
かぜをひいているときは胃腸の働きが弱まりやすく、普段よりも消化や吸収に負担がかかります。こうした状態で胃腸やのどに負担のかかる食べ物をとると、症状が長引いたり、体力の回復が遅れたりするおそれがあるため注意が必要です。例えば、以下のような食材はかぜをひいているときは避ける方が良いでしょう。
- 揚げ物などの脂っこい料理:脂質の消化に時間がかかるため胃腸の負担になる
- アイスや冷水など冷たいもの:のどを刺激したり冷えによって胃腸の働きを低下させたりする
- カレーなどの香辛料、刺激の強いもの:のどの粘膜を刺激し、炎症や痛みを悪化させる
- お菓子類など甘すぎるもの:大量に摂ると糖質を代謝する際にビタミンBを消費し、体力回復や免疫維持に必要な栄養素が不足しやすくなる
- アルコールやカフェインを多く含む飲み物:利尿作用によって水分が失われやすく、脱水を招きやすい
適切な食事とあわせて活用したい漢方
かぜの回復には、毎日の食事で体を整える「食養生」とともに、生薬(しょうやく)と呼ばれる自然由来の成分を組み合わせて症状を緩和する漢方の考えが古くから取り入れられてきました。ここからは、代表的なかぜ症状にあわせて活用したい漢方薬を紹介します。
かぜの初期の発熱・寒気に「葛根湯(かっこんとう)」
かぜのひきはじめに体がゾクゾクして布団を重ねても寒気がおさまらず、頭痛や肩・首のこわばりで頭が重く感じることがあります。
こうしたときに頼りにされてきたのが「葛根湯(かっこんとう)」です。
葛根湯は生薬の力で体を温め、免疫のはたらきを助けるため、かぜのひきはじめで悪寒が強いときに役立つといわれています。
できるだけ早めに服用し、体をしっかり保温しながら栄養価の高い消化にやさしい食事をとって安静に過ごすことが、つらい症状をやわらげるポイントです。

かぜによるのどの痛みに「銀翹散(ぎんぎょうさん)」
かぜの初期症状として「のどがイガイガする」「熱っぽい」といった不調が現れることがあります。「銀翹散(ぎんぎょうさん)」は、こうしたのどの痛みや口の渇きなどに対応する漢方薬(生薬製剤)として、昔から活用されてきました。
乾燥する冬はもちろん、エアコンの使用が増える夏場でも、部屋の乾燥によってのどの痛みを感じやすくなることがあります。銀翹散はのどや体の熱や炎症を鎮めることでかぜによるのどの痛みをやわらげてくれます。

胃腸の不調・かぜの中期から後期の症状に「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」
かぜをこじらせると「胃の辺りが気持ち悪い」「下痢が続く」「吐き気がある」など胃腸の不調がみられることがあります。そんな胃腸型のかぜの症状に悩むときに頼りにされてきたのが「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」です。1週間ほどだらだらと症状が続いてなかなかすっきりしない場合や、微熱や腹痛をともなうときにも用いられます。
体内の熱や炎症をやわらげながら胃腸を整え、体力を補うことでかぜの中期から後期の症状をやわらげてくれる漢方薬です。

まとめ
体にやさしい食事は、免疫の働きを支える「自然な治療」のひとつといえます。十分に休養をとることと同じように、かぜの回復を早めるためには何を食べるのかも重要です。かぜとひとくちにいっても、発熱や寒気、のどの痛み、胃腸の不調など症状はさまざまです。それぞれの症状により、体を温める食材やのどを潤す食材、消化にやさしい食材など効果が期待できる食べ物が異なります。また、かぜのときは脂っこいものや刺激の強いもの、冷たいもの、アルコールやカフェインなど胃腸やのどに負担をかける食べ物は控えるようにしましょう。さらに、必要に応じて漢方を取り入れることも、症状をやわらげるひとつの方法です。
症状にあった食事を摂ることと同様に、つらいかぜからの回復が期待できます。
今井 茉里
薬剤師免許取得後、10年以上調剤薬局にて勤務。延べ6万人以上の服薬指導経験があり、漢方薬や東洋医学の知識を活かした健康サポートも行う。現在は医療ライター・医療メディアの編集者として、専門知識を活かした記事執筆にも携わっている。
