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Kracie Room

40周年ブランド担当者 座談会

40周年ブランド担当者 座談会

守るべき本質と、変えるべき価値
ロングセラーブランドを支える担当者の挑戦

2026年にブランド誕生40周年を迎えた「ヨーロピアンシュガーコーン」「旅の宿」「ねるねるねるね」。それぞれの担当者にお話いただきました。

長年愛され続けてきた秘訣とは

受け継がれた「思い出」「日本の安らぎ」「本質的な楽しさ」

宮原
「ヨーロピアンシュガーコーン」は家族みんなで食べた記憶が引き継がれているのかなと思います。品質や形状が大きく変わっていないことで、思い出としてリレーされやすかったのかなと。
榎本
「旅の宿」は日本人にとっての心の安らぎや情緒を追求し続けた点ですね。最近は、版画を使ったパッケージが「レトロ感があってかわいい」という声をSNSなどで見かけるので、認識度が高いのかなと思います。
「旅の宿」担当 榎本さん
木下
「ねるねるねるね」は、練って食べるお菓子が他にないことかなと思います。当時の開発担当者が、砂場で子どもが泥遊びをしているところから着想を得て開発したのですが、子どもが本質的に楽しいと感じる動きをお菓子にできたことが、長く愛されている価値になっていると思います。
他には、呪文みたいに覚えられる「ねるねるねるね」という商品名も要因だと思います。
榎本
一般的に、言葉を3回繰り返すと覚えやすいと言われますよね。
木下
そうですね。「ねる」を3回繰り返しているので、記憶に残りやすいネーミングだと感じます。さらに、最後に「ね」を加えることで、動作もプラスされて、より覚えやすく呼びやすくなったと思います。
「旅の宿」もよく考えるとすごい名前ですよね。
宮原
このコンセプトだと「温泉」を名前に入れたくなりますよね。でも、「旅の宿」で止めたところが、情緒があって良いですね。
榎本
本当にブランド名は大切ですね。「ヨーロピアンシュガーコーン」も、パッケージにイラストもありますし、ヨーロッパの街並みを想起できますね。

重要なことは、どう維持するかを考え続けること

木下
ロングセラーブランドだからこそ、ずっと支持してくださっているお客さまは大事にしたいと思う一方で、新しいお客さまにも届けていかないとさらなる成長は見込めないですよね。
お二人はどうバランスを考えていますか?
宮原
変えてはいけない部分をしっかり守り続けることで既存のお客さまにも応えながら、変えても良い部分をどう変えて、新しいお客さまにどうアプローチしていくかは考えています。
宮原さん 榎本さん
榎本
ブランドが長くなれば売上が下がるときもあります。そこでブランドをどう守れるかはよく考えますね。ロイヤルユーザーの方も年齢と共に離れてしまうことはあるので、新規開拓していかないとブランドを維持できなくなりますね。
宮原
本当にそう思います。「ヨーロピアンシュガーコーン」も年々受け継がれてきたとはいえ、やはり新しいお客さまにも届けていかなければと思っています。
榎本
ブランドを維持させるためにどうするべきかということが大事ですね。長いブランドを担当していると、そういう悩みがありますよね。自分でブランドを維持しなければいけないし、新しい発想や考えも持っていなければいけませんね。

これまでの成功と失敗から学んだこと

トライしてみなければ結果はわからない

宮原
成功事例ですと、「ヨーロピアンシュガーコーン」を購入するとバラの花束をプレゼントするというキャンペーンが好評だったと聞いています。パッケージの裏にハガキを付けて、抽選で当たった方にお届けするという施策でした。2003年から2017年頃まで継続的に実施して、お客さまからお礼のお手紙も届いたとか。
「ヨーロピアンシュガーコーン」担当 宮原さん
榎本
「旅の宿」は、2023年に温泉気分で体を洗えるボディソープとして、草津と箱根の2種類を限定で出しまして、非常に好評でした。「旅の宿」の入浴剤と同じ香りがするんです。入浴剤ブランドからボディソープを出せるのは、2つの処方を持っているメーカーならではだと思います。
提案したときは、社内では皆さんポカンという感じでしたが、お客さまから「草津に行ったときの気分で体が洗えて嬉しい」などお褒めの言葉をいただきました。
木下
実際に良い反響があって、社内の反応も変わりましたか?
榎本
「何事もやってみないとわからないね」という声がありました。やはり、何が売れるかは我々の目線で判断してはいけないと実感しました。
商品を見たときにお客さまが「これは何だ?」とか「使ってみたい」とか、そう思っていただける魅力があることが大事ですね。
木下
「ねるねるねるね」は対象が子どもなので、なにが受け入れられるのかという感覚が私には分かりません。大人の想像と違う結果になることも多いので、発売する前に子どもにちゃんと受け入れてもらえるかを入念に調べます。それでも、たくさんの子どもたちには受け入れてもらえないこともありますね。
榎本
商品開発は、「こういうものはこうでなければいけない」という概念を持ってしまいがちですが、逆にそれを壊して、新しいものにチャレンジするほうが優位性があったりしますよね。なかなか受け入れてもらえなくても、チャレンジしたことで次に生かせると思います。

失敗も次につながる財産

宮原
過去に冬限定でパッケージの背景色を真っ白にしたことがありましたが、思ったような結果にならなかったと聞いています。ただ、この経験があったことでパッケージの黄色がブランドにとって大事だと再認識できたので、個人的には失敗ではなく、大成功だと感じています。
売れるか売れないかは実際やってみないと分からないので、成功も失敗も、次につながる大事なことだと感じました。
榎本
私も「旅の宿」で失敗したことがあります。発泡タイプの「泡の湯」を過去に出したのですが、苦戦しましたね。諦めずに何年か試したんですけど、あまり芽が出なかったので切り替えて、次に「バスソルト」を提案しました。売れなかったらスパッと次に切り替えるというのも、開発の一つの考えだと思います。
木下
私は、2022年に発売した「大人のねるねるねるね」がSNSを中心に話題になり、実際に大人の方がたくさん購入してくださいました。「久しぶりにやって楽しかった」という声が聞かれ、ターゲット拡張の第一歩となったと感じています。
ただ、最初はかなり話題となり売り上げにつながりましたが、大人が「ねるねるねるね」を作るシーンは子どもと違ってあまりないので、なかなか持続しませんでした。
大人が「ねるねるねるね」を楽しむ時間をどう訴求して創出していただくかの検討が難しいと感じています。「大人のねるねるねるね」も出したときは「本当にそんな需要があるのか?」といった声も社内にありましたが、お客さまの反応がよかったことで、前向きになったんです。これからも担当者として自信を持って、可能性があるところにはトライし続けるという気持ちが大事だと思っています。
「ねるねるねるね」担当 木下さん
榎本
そうですね、信じることが大事です。
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