


八味地黄丸とは?
効果/作用機序
1
八味地黄丸とは

八味地黄丸は、「腎虚(じんきょ)」の症状に対して用いられる代表的な処方で、「温補腎陽(おんぽじんよう)」という考え方のもと作られています。 「腎虚」とは泌尿器・生殖器・腎臓などを指す「腎(じん)」の機能が低下している状態をいいます。詳しくは「腎虚について」をご覧ください。 「温補腎陽」とは、エネルギーをつくり出す力を高めてからだを温めるとともに、「腎陽」を補うことを意味します。
「腎陽」とは身体を温めたり機能させたりするエネルギーの大元のこと。つまり八味地黄丸は、全身を温めて泌尿器や生殖器・腎臓の機能を高め、機能低下によって生じるさまざまなトラブルを改善する漢方です。からだを温める生薬をメインに8種類の生薬で構成され、腎陽虚の人に起こりがちな、さまざまな症状に効果的です。
2
八味地黄丸を
おすすめしたい方の
特徴
疲れやすい
四肢が冷えやすい
尿の量が多かったり
少なかったりする
口が渇く傾向にある
八味地黄丸は、こうした悩みをお持ちの方におすすめです。また、こうした症状をお持ちの方は舌の色が白っぽいことがあるので確認してみましょう。
3
八味地黄丸の
効能・効果
上述したように、八味地黄丸には「腎」機能の低下を改善するはたらきがあります。そのため排尿困難や残尿感、夜間尿、頻尿や軽い尿漏れなどの尿トラブルに効果があります。
また、中医学ではかすみ目や老眼などの目の症状は、視覚系の機能を司る「肝」のはたらきが弱ったり、「肝」を助ける「腎」や「肝」を打ち消す「肺」とのバランスが崩れることによって生じると考えられています。

そのため、「腎」の機能を整える八味地黄丸はかすみ目などの症状にも効果的です。他にもしびれやむくみやかゆみ、下肢や腰の痛み、高血圧に伴う肩こりや頭重、耳鳴りにも有効です。
具体的な効能・効果については「八味地黄丸の商品解説」、症状別の解説は「腎虚について」内のそれぞれの症状ページをご覧ください。
また、「女性の尿トラブル」 「男性の尿トラブル」でも詳しく解説しています。
4
八味地黄丸の
配合生薬
八味地黄丸は桂皮、地黄、 山茱萸、山薬、附子、牡丹皮、沢瀉、茯苓の8つの生薬からできています。これらの生薬は腎の働きをよくしてくれるため、「腎」機能の低下状態に効果的です。 ここでは各生薬について解説します。なお、生薬の基原植物は多数存在する場合があります。その場合は多くの基原植物の中の一つをご紹介します。

桂皮(ケイヒ)
桂皮とは、クスノキ科桂の樹皮や周皮の一部を除いたものを基原とする生薬です。

地黄(ジオウ)
地黄とは、ゴマノハグサ科アカヤジオウの根を基原とする生薬です。

山茱萸(サンシュユ)
山茱萸とは、ミズキ科サンシュユの偽果の果肉を基原とする生薬です。

山薬(サンヤク)
山薬とは、ヤマノイモ科ヤマノイモまたはナガイモの周皮を除いた根茎を基原とする生薬です。

附子(ブシ)
附子とは、キンポウゲ科ハナトリカブト、オクトリカブトの塊根を基原とする生薬です。

牡丹皮(ボタンピ)
牡丹皮とは、ボタン科ボタンの根皮を基原とする生薬です。

沢瀉(タクシャ)
沢瀉とは、オモダカ科サジオモダカの塊茎、通例、周皮を除いたものを基原とする生薬です。

茯苓(ブクリョウ)
茯苓とは、サルノコシカケ科マツホドの菌核を基原とする生薬です。
5
八味地黄丸の
用法・用量
用法・用量は商品によって異なります。
1回に服用する量や1日の服用回数、服用可能な年齢などは商品の「用法・用量」を読み、正しくお使いください。
「八味地黄丸A」の用法・用量は「八味地黄丸の商品解説」をご覧ください。
6
八味地黄丸を
服用する際の注意点
胃腸の弱い人や下痢しやすい人は服用をお控えください。また、以下に該当する方は服用する前に医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
●医師の治療を受けている人
●妊婦または妊娠していると思われる人
●のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人
●今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
発疹、発赤、かゆみ、食欲不振、胃の不快感、腹痛、動悸、のぼせ、口唇や舌のしびれなどの症状が生じた場合は副作用の可能性があります。服用を中止し、医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。また、1カ月ほど服用しても症状がよくならない場合も服用を中止して医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
その他、保管方法などの注意点は「八味地黄丸の商品解説」にて詳しく解説しています。併せてご覧ください。