インフルエンザとは?種類や症状について

「インフルエンザ」とは?
種類や症状について 最終更新日 2019年09月03日

毎年、冬になると流行するインフルエンザ。高熱が出たり、全身の節々が痛くなったりするというのは知っているけど、具体的にはどのような病気なのでしょうか。ここでは、インフルエンザの種類や症状、かぜとの違い、重症化するとどうなるかなどについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。

インフルエンザとは?

インフルエンザとは、「インフルエンザウイルス」に感染して起こる病気です。普通のかぜと同じようにのどの痛みや鼻水、咳などの症状も出ますが、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が比較的急速に現れるのが特徴です。11月頃から5月頃まで発生がみられます。
ヒトに感染するのは主にA型、B型、C型の3種類で、そのうち流行的な広がりを見せるのは、A型とB型です。

インフルエンザの種類

A型インフルエンザウイルス

流行の原因となるウイルス。日本では毎年12月から3月頃にかけて流行します。ウイルスの表面にあるたんぱく質の種類(H、N)によって、さらに細かく分類(亜型)されます。近年、国内で流行しているA型インフルエンザウイルスは、H1N1型と、H3N2型です。

B型インフルエンザウイルス

A型と同様、流行的な広がりの原因となるウイルス。日本では毎年12月から3月頃にかけて流行します。大きく、山形型とビクトリア型の2種類に分けられます。

C型インフルエンザウイルス

一般に、感染しても軽度の呼吸器疾患を引き起こす程度で、ヒトでの流行は起こりにくいと考えられています。

新型インフルエンザとは?

主に、動物同士で感染するインフルエンザウイルスなどが変異し、ヒトからヒトへと感染できるようになったものです。毎年のように流行する季節性のインフルエンザと違って、ほとんどのヒトが免疫をもっていないため、世界的大流行(パンデミック)を引き起こす可能性があります。なお、多くの人が免疫を獲得し、季節的な流行を繰り返すようになると、季節性インフルエンザとして取り扱われます。

インフルエンザの症状・かぜとの違いは?

インフルエンザとかぜの主な違いは、その症状です。
一般に「かぜ」と呼ばれている病気は、正式には「かぜ症候群」といい、その多くがウイルスの感染によって引き起こされます。原因となるウイルスは200種類以上ともいわれているため、年に何度も感染することがあります。症状は、のどの痛み、鼻みず、くしゃみ、咳などが中心で、全身症状はあまりみられません。発熱も、軽度で済むことが多いです。
インフルエンザも、ウイルスの感染によって引き起こされる病気です。かぜと違って、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感などの全身症状が、比較的急速に現れるのが特徴です。また、のどの痛みや鼻みず、咳など、かぜと同様の症状がみられることもあります。子どもではまれに急性脳症(インフルエンザ脳症)を、高齢者や免疫力の低下している人では肺炎などを併発するなど、重症化することがあります。

  インフルエンザ かぜ
主な原因 インフルエンザウイルス(A型、B型) ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなど200種類以上のウイルス
主な症状 38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感、食欲不振など のどの痛み、鼻水、くしゃみ、咳、発熱(軽度)
主の現れ方 急激 ゆるやか

※インフルエンザウイルスに感染した人すべてに、これらの症状が現れるわけではありません。

インフルエンザの潜伏期間は?いつから感染するの?

インフルエンザに感染した場合、発症までにどのくらいの潜伏期間があるのでしょうか。また、潜伏期間中は、ほかの人に感染することがあるのでしょうか。

01潜伏期間は?

体の中に入ったインフルエンザウイルスは、細胞に侵入して次々と増殖していきます。1日~3日ほどの潜伏期間をおいて、突然、発熱や全身症状などが現れます。症状の現れ方はかぜよりも急激なので、「熱っぽい」「だるい」などの感覚を覚えてから、時間をおかずに38℃以上の発熱や関節の痛みなどの全身症状が現れます。

02いつからいつまで感染力をもつの?

インフルエンザに感染後、ウイルスが鼻やのどから排出される、つまり周囲へ感染させる可能性が出てくるのは、一般に発症の前日からとされています。ウイルスが排出される期間は人によって異なりますが、発症後3日から7日くらいまで排出し続けるといわれています。熱が下がるとともに排出されるウイルスの量は減少しますが、平熱まで戻ったあとでもすぐにウイルスが排出されなくなるというわけではありません。

03発症してから何日で登校・出勤を再開できる?

インフルエンザウイルスの排出は、感染直後から、熱などが治まったあとまで続きます。そのため、現在、「学校保健安全法」では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」を、出席停止期間としています※。なお、社会人の場合でも基本的には同じと考えていいですが、企業ごとに決まりがあることもあるので、それぞれ確認をしましょう。
※ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りではありません。

インフルエンザが原因で引き起こされる病気は?

通常、健康な成人であれば、インフルエンザを発症しても1週間程度で回復することが多いです。しかし、体力のない子どもや高齢者、免疫力の低下した人では、次のような病気を併発することがあります。

インフルエンザが原因で引き起こされる病気の種類

急性脳症(インフルエンザ脳症)

インフルエンザウイルスが脳に侵入して炎症を起こし、発熱、おう吐、けいれんなどの症状が現れる病気です。発生はまれですが、死亡率が高く、生存した場合でも脳に重い障害が残ることがあります。子どもに多くみられる症状で、とくに15歳未満の子どもは注意が必要です。インフルエンザ脳症を予防するには、インフルエンザにかからないこと、インフルエンザを発症させないこと、そして、かかっても重症化させないことが重要となります。日頃から手洗いや消毒を心がけ、流行シーズン前にはワクチン接種を行うようにしましょう。

肺炎

インフルエンザウイルスや細菌などの感染により、肺に炎症を起こす病気です。咳、たん、息切れ、胸の痛み、発熱などの症状が現れ、重症化すると、死に至る場合もあります。とくに高齢者や免疫力の低下した人がインフルエンザにかかると、肺炎球菌などの細菌にも感染しやすくなるので、注意が必要です。

急性心筋炎

インフルエンザウイルスなどが、心臓を動かす筋肉(心筋)に感染して、炎症を起こす病気です。のどの痛み、咳、発熱など、かぜのような症状から始まり、胃のむかつき、腹痛、全身倦怠感、不整脈、心不全、ショックなどさまざまな症状が現れます。重症化すると、死に至るほどの症状の変化を示す「劇症型心筋炎」になることもあります。

まとめ

インフルエンザにかかると、仕事や日常生活へ影響が出るだけでなく、場合によっては、重篤な症状になる場合もあります。正しい知識と予防法、対処法を理解することで、自分や家族を感染から守り、また、感染しても、被害を最小限に食い止めることも可能です。
インフルエンザの流行は毎年やってきます。インフルエンザのことを知って、インフルエンザに対抗できるようにしておきましょう!
※インフルエンザは病院で診断・治療が必要です。まずは、病院での受診をお勧めします。

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