イノベーション

高機能ポリフェノール「アルクチゲニン」を豊富に含む ゴボウスプラウトの製造方法を確立、新規食品産業利用に成功 「アルクチゲニン」の生活習慣病予防・QOL改善効果を確認

 クラシエホールディングスは、高機能ポリフェノール類の一種である「アルクチゲニン」の食品産業における新規利用に成功し、さらに「アルクチゲニン」の生活習慣病予防・QOL改善効果を見出しました。

近年、疲労感や睡眠の質の低下などの不調状態や、肥満・動脈硬化などの生活習慣病に「慢性炎症」が関与していることが報告されています。抗酸化作用や抗炎症作用を併せ持つ食品素材の摂取は、慢性炎症制御に有効な可能性があります。これらの作用を有する「アルクチゲニン」は、ゴボウやレンギョウなどの植物に含まれていることが知られていましたが、食品用途における産業利用はほとんど進んでおりませんでした。今回、植物素材の豊富な取り扱い経験を活かして、アルクチゲニンを食品として摂取できる①ゴボウスプラウト(図1)の製造方法、②レンギョウ(シナレンギョウ)葉(図2)の栽培方法、を確立し、世界で初めてアルクチゲニンの食品産業への利用に成功しました。

さらに、アルクチゲニンを高含有する植物抽出エキスの開発に成功し、生活習慣病予防、QOL改善効果の検証を行いました。臨床試験の結果、ヒトに対してアルクチゲニンは、i) 睡眠の質を改善する効果(図3)、ii) 疲労感を軽減する効果(図4)、iii) 酸化LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を抑制する効果(図5)、を示すことが世界で初めて明らかとなりました。ゴボウスプラウトエキス(アルクチゲニンとして1日あたり40 mg)による睡眠の質の改善効果、およびBMI高めの方の疲労感を軽減する効果については、11月28日発刊「薬理と治療」の2022年50巻11号に掲載されました。

また、非臨床試験研究においては、アルクチゲニンが善玉腸内細菌の一種であるアッカーマンシア菌を増やすことが世界で初めて見出されました(図6)。アッカーマンシア菌はヒトにおいて腸内での短鎖脂肪酸の生産を誘導し、エネルギー代謝の活性化や脂肪の蓄積を抑制することが知られており(図7)、アルクチゲニンのアッカーマンシア菌増殖作用を介した肥満や生活習慣病の予防効果が期待されます。本研究内容については、2022年 12月6日から11日まで開催された国際栄養学会議(東京)にて報告し、英文誌「Bioscience of Microbiota, Food and Health」の2023年42巻1号に掲載されました。

アルクチゲニンに関し、弊社が独自に見出し対外発表を行った生活習慣病予防、QOL改善効果は下記の通りとなります。

【臨床試験】
・ゴボウスプラウトエキスによる酸化LDLコレステロール(悪玉コレステロールの一種)の抑制及び、肝繊維化指標FIB-4 Indexの増加抑制作用
「Effect of 12 weeks of continuous burdock sprout extract intake on oxidized LDL: A placebo- controlled, randomized, double-blind, parallel-groups study」
掲載誌:Functional Foods in Health and Disease 2021 11(9)
・BMI高めの方の疲労感を軽減、睡眠の質の改善(レンギョウ葉エキス・アルクチゲニン80 mg)
「アルクチゲニンを含むレンギョウ葉エキスの疲労感軽減効果および睡眠の質改善効果」
掲載誌:薬理と治療 2022 50(1) ,61-77
・睡眠の質の改善およびBMI高めの方の疲労感を軽減(ゴボウスプラウトエキス・アルクチゲニン 40 mg)
「アルクチゲニン含有ゴボウスプラウトエキスの疲労感軽減効果および睡眠の質改善効果」
掲載誌:薬理と治療 2022 50(11) 

【非臨床試験】
・腸内細菌叢の改善を介した抗肥満作用
「Arctigenin-containing food materials prevent obesity by improving composition of gut microbiota in obese mice」
発表:2022年国際栄養学会議 IUNS-ICN 22nd International Congress of Nutrition in Tokyo, Japan 
「Arctigenin-containing burdock sprout extract prevents obesity in association with modulation of the gut microbiota in mice」
掲載誌:Bioscience of Microbiota, Food and Health 2023 42 (1) 
・糖尿病性網膜症予防効果
「マウス網膜静脈閉塞症モデルに対するアルクチゲニンの作用」
発表:2021年 第139回日本薬理学会近畿部会

以 上

<問い合わせ先>
クラシエホールディングス株式会社 
総務・広報部 080―7642―9073


図1 ゴボウスプラウト

図2 レンギョウ葉


図3 ゴボウスプラウトエキス(アルクチゲニンとして40mg/日)摂取による睡眠の質改善効果
プラセボ:n=58, 被験食品:n=60


図4 ゴボウスプラウトエキス(アルクチゲニンとして40mg/日)摂取による疲労感軽減効果(BMI≧25.0)プラセボn=26、被験食品n=26



図5 ゴボウスプラウトエキス(アルクチゲニンとして40mg/日)摂取による酸化LDL抑制効果群間比較(対応の無いt検定):**p<0.01, 被験者間効果の検定p=0.015(two-way ANOVA)
プラセボ食n=21、被験食n=22


   

図6 アルクチゲニンおよびゴボウスプラウトによるアッカーマンシア菌増殖作用
各群n=6, 高脂肪食高ショ糖食群との比較**p<0.01, *p<0.05(Dunnett's test)

図7 アッカーマンシア菌増殖による抗肥満作用メカニズム



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