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熱中症に効く漢方薬

中暑について

漢方では、熱中症トラブルは「中暑(ちゅうしょ)」による症状だと考えられています。
「中暑」とは、邪気(病を引き起こすもの)のうちの
「暑邪(しょじゃ)」と呼ばれる夏の暑さの邪気が原因によって引き起こされます。

暑邪の特徴

  • ① 炎熱の性質を持つ
  • ② 津液と気を損傷する

現れる症状

  • ① 発熱、心煩、口渇など
  • ② 発汗、尿量減少、息切れ、倦怠感など

竹葉石膏湯ちくようせっこうとうについて

竹葉石膏湯とは、清熱(せいねつ)と滋陰(じいん)を両方行いたい熱中症に使いやすい漢方です。
人をヤカンに例えて、熱中症のしくみと竹葉石膏湯の効果を説明します。

通常の状態

水の入っているヤカンがあります。
中の水は人にとって必要な水です。

熱が加わっていくと…

ヤカンに強火をかけていきます。
強火は熱中症の原因となる熱です。

通常の体調では

この段階で自分の体力によって熱を下げ、水分を入れる(水を飲む等)することでヤカンの水を足して最初の状態に戻ることができますが…

体調不良、病気、
想定以上の悪環境等の場合

ヤカンの中の温度はどんどん上がり、
やがて水がなくなって空焚き状態に。
この状態が熱中症になる入口です。

竹葉石膏湯のアシスト効果

火から外す

涼しい場所に
移動等

水をかける

熱を冷ます

水を入れる

体内に
潤いを与える

火から外し、
ヤカンに水をかけ、
水を中に入れます。
本来、体の代謝として行うものを、
本処方が作用をアシストします。
冷やすだけではなく、
潤いも与えることができます。

竹葉石膏湯についてさらに詳しく知る

病機

熱性疾患で大熱が去った後、余熱が残っているもので、体液が枯れ、皮膚が乾燥し、体力が衰え、津液が消耗しているので口渇、胃の津液が不足している。
そのため胃気が逆上し、食欲がなくなり嘔吐する。また、肺の津液も不足するので肺気が逆上し喉の乾燥が見られる。
また過度の発汗で津液が外に逃げてしまい、気を消耗し息切れ・疲労感を伴う。

構成生薬

竹葉
(ちくよう)

石膏
(せっこう)

麦門冬
(ばくもんどう)

人参

甘草
(かんぞう)

粳米
(こうべい)

半夏
(はんげ)

本来の用いられ方

【出典】 傷寒論 
陰陽易差後労復病編(傷寒が治癒した後で、病気がぶり返した時の治療法)

「傷寒解して後、虚羸して少気、気逆して吐さんと欲するは竹葉石膏湯之を主る」

訳:大病のあとで、(余熱が残存し、)体が消耗して痩せてしまい、息切れ、吐き気や咳を生じた状態に竹葉石膏湯を用いる。

白虎加人参湯のような清熱を重視した方剤と比較し、滋陰薬がしっかりと配合されていることがポイントです。

その他古典等での紹介

医方集解

〔主治〕 傷暑の発渇
   「傷暑して渇を発しての虚なるを治す」

暑邪に傷れて、口が渇いてしまう症状を治療します。

漢方診療医典 (大塚敬節ら 著)

竹葉石膏湯は麦門冬湯証に似て、体力が衰え、皮膚,粘膜は枯燥して滋潤に乏しく、口舌は乾燥して、口渇を訴えるものを目標とする。
本方は肺炎,麻疹,流行性感冒などで、回復期になって、なお余熱が去らず、咳嗽,口渇,多汗,盗汗などのあるものに用いる。
このようなさいは尿は濃くて着色しているのを普通とする。(一部省略)

“尿の状態は濃くて着色しているのを普通とする”は熱中症でも参考になります。

漢方処方解説 (矢数道明 著)

〔応用〕竹葉石膏湯は主として呼吸器疾患に用いることが多く・・・(中略)、日射病で口渇・呼吸困難があるもの、・・・などに応用される。
〔目標〕熱性病で大熱がおおむねとれた後、余熱が去らず、熱が内に潜んでいるので、体液が枯れて皮膚枯燥し、体力は衰え、熱気が胸に上って逆上感があり、胸中煩悶を訴え、
呼吸促迫し、口渇き、あるいは嘔吐を発するものを目標とする。

日射病で口渇や呼吸困難があり、皮膚は乾燥、体力は衰えるような症状を目標にするとよいでしょう。