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クラシエの漢方が伝えたい100のこと。

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品質管理と試験を司る、クラシエ漢方の司令塔

医薬品である漢方薬を製造するためには、医薬品GMP(医薬品の製造管理および品質管理に関する基準)という国が定めた基準に適合していることが必要となります。この基準には、誰が、いつ作業しても、必ず同じ品質・高い品質の製品を作るために行うべきことが定められており、クラシエはその法的基準を順守しながら、業界団体である日本漢方生薬製剤協会の基準に加え、より高い品質、高い安全品質のための独自基準を自ら課しています。そんなクラシエの漢方の高品質を守るため、正しい製造基準をつくり、より飲みやすく、より使いやすい漢方を目指す、クラシエ漢方研究所は、漢方製造の司令塔です。

漢方研究所

【漢方研究所が研究していることその1】「漢方の品質基準をアップデートする」

漢方薬は自然由来の原料(生薬)を使っているため、栽培地の気候変動や土壌の変化により品質や成分量にどうしてもバラツキが出ます。昨日と同じものが今日も手に入るわけではありません。患者様に同じ効能の漢方を明日も届けるためには、一度定めた基準をただ守るだけでなく、状況に応じてアップデートし続ける必要があるのです。漢方研究所では、日々の研究を通じて製造各工程の品質基準が正しいかをチェックし、アップデートし続けています。新しい製品を生み出すわけではありませんが、漢方を未来へつないでいくための大切な研究です。

  • 研究用の薬草園では、栽培方法によって生薬の成分量がどう変わるかを日々試験しています。
  • 三次元PDAという手法で含有成分量を3Dモデルで表示する。成分の構成要素を比較し、変化を見る試験

【漢方研究所が研究していることその2】「漢方薬の飲みやすさや使いやすさをアップデートする」

漢方薬は全体に占める有効成分が多く、また自然由来の成分であるため溶けにくいものも含んでおり、そもそも錠剤の形に成形すること自体がとても難しく高い技術が必要です。クラシエではその錠剤をより小さく、より溶けやすくするための技術研究を日々繰り返しています。小さくなればその分飲みやすく、溶けやすくなればより速く効きやすくなる。小さな錠剤の更に小さな変化ですが、結果として患者様のためになる。形だけの話ではなく効能にも影響する大きな改良なのです。

崩壊性試験器

【漢方研究所が研究していることその3】「漢方薬の未来をアップデートする」

超高齢化が進む日本では、健康寿命を伸ばすことは大きな課題。クラシエでは高齢者の加齢により心身が老い衰えた状態いわゆる「フレイル」に対する人参養栄湯の効能について研究を進めています。人参養栄湯のフレイルに対する医学研究では、疲労感の軽減、食欲の増加、握力などの筋力の増加、栄養状態の改善が報告されており、発症予防、治療における効果が期待されています。セルフメディケーションの意識が高くなっていく中で、身体の違和感や病気の初期症状に対して漢方薬がファーストチョイスになるような未来を目指し、基礎、臨床の両面でさまざまな研究を進めています。

研究所というと新商品を作っているだけ、という印象があるかも知れませんが、クラシエの漢方研究所は違います。漢方の品質をつかさどり、より良い漢方薬製造を目指して日々研究を続ける最前線の現場、それがクラシエ漢方研究所なのです。