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ニュースリリース

2010年6月10日

研究開発関連

米のとぎ汁由来「イノシトール」に予防美髪効果を発見
併せて、毛髪内部への浸透状況の可視化に初めて成功

クラシエホールディングス株式会社
クラシエホームプロダクツ株式会社

クラシエホームプロダクツ株式会社は、米のとぎ汁に含まれる糖質のひとつであるイノシトールに顕著なダメージヘア予防効果(予防美髪効果)があることを見出しました。

そして、世界最高性能の大型放射光施設(SPring−8)の機器を利用することで、毛髪保護成分の毛髪内部への浸透及び保持局在状況の可視化に世界で初めて成功。その結果、イノシトールは毛髪洗浄後も毛髪内部に留まることで、予防美髪効果を発揮していることを確認しました。

 

シャンプーやコンディショナーなどのヘアケア製品におけるダメージヘア改善成分として、現在、天然由来の植物エキス、タンパク質、アミノ酸などが使用されおり、メーカー各社は優れたダメージヘア改善成分の探索にしのぎを削っています。当社では、この段階から一歩進め、ダメージを受けにくい髪をつくる予防美髪成分の探索を行ってまいりました。

 

当社ではこれまで、「ゆする」と呼ばれる米のとぎ汁を用いた平安時代宮廷女性の髪のお手入れ習慣に着目し、米のとぎ汁にダメージヘアを改善する効果があることを実証、商品へ応用してまいりました。今般、研究をさらに進め、米のとぎ汁に含まれる成分を詳しく検証した結果、米のとぎ汁に含まれる糖質のひとつであるイノシトールに顕著な予防美髪効果があることを見出しました(図1)。イノシトール処理によって、ヘアカラーダメージによる毛髪表面の摩擦悪化(滑らか感減少)が抑制、すなわちダメージ予防効果を発揮していることが分かります。

 

そして、イノシトールの予防美髪効果のメカニズムをさらに探るため、毛髪保護成分の毛髪内部への浸透に関する研究を進めた結果、大型放射光施設(SPring−8)の機器のひとつである、顕微IRを使用して毛髪横断面の観察を行うことで、毛髪内部の微細領域における成分浸透を可視化することに世界で初めて成功しました。

 

 

顕微IRとは通常の赤外分光光度計と顕微鏡を組み合わせた装置で特定の領域の成分分布を測定できる装置です。しかしながら、これまでの顕微IRではビーム強度が弱いため微細な領域の情報を得ることが難しく、毛髪横断面の成分分布に関しては詳細なデータを得ることはできませんでした。当社では世界最高性能の大型放射光施設を利用することで高エネルギーのビームが得られることに着目、同施設での顕微IRによる毛髪断横断面測定を行い、毛髪浸透成分に関する詳細な分布の可視化が可能となりました。

 

本手法を用いて、イノシトールの毛髪内部への浸透を観察した結果、イノシトールは毛髪内部へ浸透し、毛髪洗浄後も毛髪内部へ留まっていることが確認されました(図2)。その結果、イノシトールの予防美髪効果は洗浄後も毛髪内部へ留まる性質に由来しているものと推察されました。

 

 

 

以上の結果より、イノシトールを毛髪に塗布することによりイノシトールは毛髪内部まで浸透し留まることで、ダメージに強い毛髪へと導くことがわかりました。当社は、今回の成果を今秋のヘアケア製品に応用する予定です。

 以 上

参考

イノシトールの予防美髪効果とイノシトールの毛髪断面への浸透図

 

凡例の数字とIR吸収強度が対応。数字が大きいほどイノシトールを特徴付ける結合が多い=濃度が高いことを示している。白色から灰色の部分が多い右側のグラフにおいて、イノシトールの濃度が毛髪の輪郭(点線部)に沿って高まっていることが示されている。

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クラシエホールディングス株式会社 総務・広報部
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