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ニュースリリース

2014年2月6日

研究開発関連

「大人ニキビ」の原因について
ストレスにより、表皮細胞内で酵素「アロマターゼ」が減少することを初めて確認
「アロマターゼ」を活性化させる成分として「ホップエキス」を発見

クラシエホールディングス株式会社
クラシエホームプロダクツ株式会社

 クラシエホームプロダクツは、20代半ば以降に見られる、いわゆる「大人ニキビ」に関して研究を進める中で、若年層と比べて皮脂の分泌が安定している大人にニキビが発生する原因の1つとして、特に現代人のさまざまな疾病の原因となり、ホルモンバランスの乱れを引き起こすとされるストレスに着目し、ストレスとニキビとの関係について研究を行いました。

 

そこで、皮膚が外界からストレスを受けたのと同様の状況を作り出し、細胞レベルで調べたところ、男性ホルモンを女性ホルモンに変換する酵素である「アロマターゼ」が表皮細胞内で低下していることを発見しました。そして、「アロマターゼ」低下によって皮脂の分泌が活発になり、ニキビの出来る原因の1つになることを突き止めました。さらに、「アロマターゼ」を活性化させる成分を探索した結果、ビールの原料であるホップから抽出した「ホップエキス」に「アロマターゼ」活性化作用があることが分かりました。

 

ニキビは皮脂が過剰に分泌された結果、毛穴に皮脂がたまり角栓を形成し、毛穴内にアクネ菌が繁殖することで発症することが知られています。思春期にはホルモンの分泌が活発になるため、皮脂が過剰に分泌されやすい時期であり、これがニキビ発症の原因とされています。しかしながら、20代以降ではホルモンの分泌は安定しており、同じメカニズムでニキビが発症しているとは考えにくい面があります。また、一般にストレスを受けるとニキビができやすくなるということは広く認識されていますが、その関連性についてもはっきりしていませんでした。

 

一般に、男性ホルモンは皮脂の分泌を「促進」し、女性ホルモンは皮脂分泌を「抑制」すると考えられています。また、ヒトの性ホルモン生成に関しては、男性ホルモンはコレステロールから変換され、一方、女性ホルモンは、ホルモン調整酵素である「アロマターゼ」によって男性ホルモンから変換されて作られることが知られています。男性ホルモンは性腺や脳など、色々な組織で生成されますが、皮膚においては皮脂腺細胞がホルモン生成の中心的な役割を担っているといわれています。

 

当社は、皮膚内でのホルモンバランス調整機構について検討・考察を行った結果、皮脂腺細胞にはホルモン調整酵素である「アロマターゼ」がほとんど発現しておらず、それを取り囲んでいる「表皮細胞」に強く発現していることを見出しました。このことは、皮膚中においては皮脂腺細胞で生成された性ホルモンのホルモンバランス調整を、表皮細胞が行っている可能性を示唆する結果です(図1)。

 

図1. 皮膚におけるホルモン代謝

 

さらに、表皮細胞におけるストレスと「アロマターゼ」の関連について検討を行いました。ヒトは外界からストレスを受けると、ストレスホルモンを分泌することが知られています。そこで、細胞実験で表皮細胞にストレスホルモン(ACTH)を添加したところ、「アロマターゼ」の分泌が低下していることを発見しました(図2)。つまりストレスホルモンが多く存在する皮膚では、男性ホルモンが過多になり、皮脂が過剰に分泌されていることが考えられます。

 

図2. ストレスホルモン(ACTH)添加によるアロマターゼ量の変化

 

以上のように、ストレスによるニキビ発症は、

ストレス負荷 ⇒ 表皮の「アロマターゼ」低下⇒ 男性ホルモン過多 ⇒ 過剰な皮脂分泌 ⇒ ニキビ発症

につながっていると考えられます。

 

当社ではさらに「アロマターゼ」に着目をして研究を進め、表皮細胞の「アロマターゼ」を活性化させる素材に関して植物を中心にスクリーニングを行った結果、ビールの原料として広く知られ、一部で女性ホルモンに類似した作用も報告されている「ホップエキス」に「アロマターゼ」を活性化する作用があることを見出しました(図3)。

 

図3. ホップエキス添加によるアロマターゼ量の変化

 

本研究の成果は2014春の洗顔アイテムに応用する予定です。

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