漢方薬名解説

一般的に「女性の悩み」に使われる漢方薬

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

目次

血行不良による生理痛・生理不順などを改善する漢方薬「桂枝茯苓丸」

「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」は、下半身の冷えがとくにつらい方、シミができやすい方など一般的に女性の悩みと言われる症状がある方(生理痛、月経不順、月経異常など)におすすめの医薬品(漢方製剤)です。

漢方の考え方では、「気」と「血(けつ)」は常に体をめぐり、バランスを調整しています。しかし、「血(けつ)」の流れが滞ると、めぐりがかたよってしまうため注意が必要です。「血(けつ)」によって滞ったものは、温かければ上へ昇り、冷たければ下へ降りる性質があるため、上半身はのぼせ、下半身は冷えるという、いわゆる「冷えのぼせ」の状態になるのです。また、体の「血(けつ)」の流れが滞っているため、生理痛が重いなどの症状が現れます。

「桂枝茯苓丸」は、滞った「血(けつ)」のめぐりを良くすることで、のぼせや足冷えなどを感じる方の生理痛、月経不順、月経異常、血の道症などを改善する作用のある医薬品です。

効能・効果

比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。

配合生薬(成分・分量)

成人1日の服用量6錠(1錠310mg)中、次の成分を含んでいます。
桂枝茯苓丸エキス(1/2量)…1150mg
(ケイヒ・ブクリョウ・ボタンピ・トウニン・シャクヤク各2.0gより抽出)
添加物として、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスCMC-Na、ステアリン酸Mg、二酸化ケイ素、セルロースを含有する。


生薬ファイル

成分に関連する注意

本剤は天然物(生薬)のエキスを用いていますので、錠剤の色が多少異なることがあります。なお、錠剤の表面に白い部分が見られる場合がありますが、これは添加物によるものです。
また本剤は、生薬精油成分(においのする成分)を含んだエキスを使用しておりますので、漢方薬特有のにおいがします。

用法・用量

次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。

年齢1回量1日服用回数
成人(15才以上)2錠3回
15才未満7才以上1錠
5才未満服用しないこと

用法・用量に関連する注意

小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。

注意点・副作用

使用上の注意
  • 相談すること
    1. 次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
      (1)医師の治療を受けている人
      (2)妊婦又は妊娠していると思われる人
      (3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
      (4)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
    2. 服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
      皮膚発疹・発赤、かゆみ
      消化器食欲不振

      まれに下記の重篤な症状が起こることがある。
      その場合は直ちに医師の診療を受けてください。
      肝機能障害発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる。
    3. 服用後、次の症状があらわれることがあるので、このような症状の持続又は増強が見られた場合には、服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
      下痢
    4. 1カ月位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください

保管方法

(1)直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
(2)小児の手の届かない所に保管してください。
(3)他の容器に入れ替えないでください。(誤用の原因になったり品質が変わります。)
(4)使用期限のすぎた商品は、服用しないでください。
(5)水分が錠剤につきますと、変色または色むらを生じることがありますので、誤って水滴を落としたり、ぬれた手で触れないでください。

製品情報

【「クラシエ」漢方桂枝茯苓丸料エキス錠】

桂枝茯苓丸 第2類医薬品

漢方製剤「桂枝茯苓丸」の詳細情報を見る
顔がのぼせて足が冷える方、生理痛の方におすすめの漢方薬です。


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よくある質問

Q 月経で腹部に痛みがあるのですが、この製品は一般的に使用して効果が出るまでにどれくらいの時間がかかりますか?
A 症状の度合いや期間の長さ、体質や生活習慣などで効果の発現は個人差があります。添付文書の情報をよく読んでから服用していただき、1カ月位服用して効果が出ない場合は、医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。
Q 「桂枝茯苓丸」は、男性でも服用することはできますか?
A 添付文書の効能・効果に記載されている症状があてはまれば性別に関わらず服用いただける処方です。用法・用量を守って服用ください。
Q 「桂枝茯苓丸」は、更年期障害に有効な処方ですか?
A 一般的な不定愁訴の治療は漢方治療が得意とするところです。漢方製剤「桂枝茯苓丸」は、比較的体力があり、下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどがある人の更年期障害の症状に効果があるお薬です。
Q 副作用について注意することなど、「桂枝茯苓丸」の情報を教えてください。
A 体に発疹、かゆみなどの過敏症状が現れることがあります。服用後、他にも不快な症状が出た場合は服用を中止し、医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。また、著しく体力の衰えている人は服用前に医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。