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免疫力の低下を防ぐ「歯ヨガ」とは…4つのトレーニングで口から健康!

人々が“マスク生活”を送るようになって1年近くが過ぎた。人と話さず、常に口元を覆っていると、息苦しさに呼吸が荒くなることもしばしば。マスクのせいだからと目を逸らしていると、その「口の中の衰え」が、災いのもとになるかもしれない──。

口呼吸をする人は免疫力が低い

口まわりの筋力の低下は、歯の食いしばりや歯ぎしりといった「ブラキシズム」にもつながる。小島歯科医院副院長の小島理恵さんが解説する。

「睡眠時だけでなく、ストレスや緊張で日中に歯を食いしばっている人は少なくありません。本来、歯と歯が当たっている時間は、食事も含めて1日20分間だけ。歯が当たれば歯がすり減るだけでなく、あごの骨にもダメージを与え、顎関節症や肩こりを引き起こします」(小島さん・以下同)

免疫力の低下にもつながるというから恐ろしい。筋力の衰えによって無意識に口が開きっぱなしになり、口呼吸がクセになることが原因だ。

「本来なら、呼吸は鼻でするべきもの。鼻毛が花粉やウイルスなどを除去し、鼻の粘膜で温められた空気を吸い込むのが正常な呼吸ですが、口呼吸だと冷えた空気と不純物をダイレクトに吸い込むことになります。すると、口の中が乾き、本来なら虫歯菌やウイルスを殺す唾液の量が減ることも問題です」

たるみやしわ、ほうれい線が目立つのも、口呼吸に一因がある。

「口呼吸がクセになって常に口を開けたままの状態が続くと、口を閉じるときに筋肉がこわばって、あごに梅干しじわができやすくなります」

歯ヨガの前のマッサージで健康寿命を延ばす

こうした問題をすべて解消するために小島さんが提案するのが「歯ヨガ」だ。

「歯ヨガで普段使っていない筋肉を動かすことで、口元を健康にします。口腔環境は食事や呼吸に直接つながっているため、口まわりの筋肉を整えることは、全身の健康につながります。口元の筋肉を整えれば姿勢がよくなりますし、正しく噛めるようになれば健康寿命を延ばすことができます」

歯ヨガは前半のマッサージと後半の体操で構成されており、それぞれ効果が出やすい順になっている。まず、マッサージについて解説していこう。

■歯ヨガのマッサージで効果倍増!

あご先【1】を指先で円を描くように揉んだ後、フェイスラインに沿って筋肉を耳の前あたり【2】まで揉みほぐす。その後、耳の前から鎖骨の上【3】まで撫でる。側頭部【4】を指先で揉みほぐしてから、手のひらと指を使って頭皮全体【5】を揉む。親指で頰骨の下【6】から小鼻のわき【7】まで指圧する。親指でえらの内側【8】からあご先の内側【9】まで指圧する。耳の前側【10】を指先で揉みほぐした後、あごの内側の深いところにある舌下腺【11】を押す。

「はじめに、両手の人差し指、中指、薬指の腹を使って、あごを指先でグルグルと揉みほぐします。このとき、少し強めに押すのがコツです」

次に、あご先から耳に向かって4~5か所、指をずらしながらフェイスラインをほぐす。その後、リンパの流れに沿うように、耳の横から鎖骨まで指をすべらせる。これを5回繰り返す。

側頭部を上下にマッサージした後、手のひらを使って頭皮もよく揉みほぐすといい。次に、頰骨から小鼻のわきを指圧して、えらからあご先の骨の内側にある顎下腺(がくかせん)、耳の前にある耳下腺(じかせん)、あごの裏側の深い部分にある舌下腺を刺激すると、唾液の分泌が促され、さらに効果が高まる。

「あご下の柔らかい部分の顎下腺は、えらの部分から両手の親指を差し込むように押し込んで、5~10秒間、イタ気持ちいい程度の強さをキープします。次に、骨の内側に沿わせながら、4~5か所、あご先に向けて同じように指圧します。これを3回行いましょう」

体操部分はマスクをつけている外出中でもできるが、筋トレと同じで、マッサージで筋肉をほぐしておくことで、より効果を高められる。特に、口を軽く開けて、下あごだけを左右に大きく動かしたとき、動かしにくい部分があれば、その部分を入念にほぐすことをおすすめする。

全身が元気になる4つの「歯ヨガ」

顔の筋肉が充分にほぐれたら、4つの「歯ヨガ」を実践しよう。1つにつき約30秒~4分ほどなので、合わせてもわずか7分程度だ。

★頬を動かして鼻呼吸をクセづけ【頬すぼめ&ふくらませ】
口まわり全体の筋肉アップには、頰をすぼめたり、ふくらませたりするヨガがいい。口を閉じて3秒間、鼻から息を吸いながら頰をすぼめる。次に、口を閉じたまま3秒間、鼻から息を吐きながら、頰をふくらませるだけ。

「これを、5~10回繰り返します。余裕がある人は、頰をふくらませるときに、ブクブクとうがいをするような動作を取り入れると効果的です。うがいの動作も、必ず鼻呼吸をしながら行ってください」

■「頰すぼめ&ふくらませ」のやり方

【1】口を閉じ、3秒間鼻から息を吸いながら頰をすぼめる。

【2】そのまま3秒間鼻から息を吐きながら頰をふくらませる。【1】【2】を5~10回繰り返す。

★筋肉を目覚めさせ、誤嚥を防ぐ【6秒舌回し】
舌をゆっくり回すと、こわばった口まわりの筋肉を活性化させ、唾液の分泌を促すことができる。これにより、誤嚥性肺炎の予防になる。

「口を閉じたまま、舌先を真上から時計回りに、歯ぐきの周りを一周させます。ポイントは“ゆっくり”行うこと。約6秒で一周するようにしてください。舌で頰を外に押し出すことで、使わないまま動かなくなった筋肉を目覚めさせていくイメージです。一周して、舌が上に戻ってからつばを飲み込むようにすると、舌が正しい位置にくるので、正しい舌の位置を意識するのにも役立ちます」

反時計回りにも、それぞれ5~20回ずつ行う。下あごに舌を回せない、回しづらい人は、無理せずに上あごだけで行ってもいい。

■「6秒舌回し」のやり方

上あごの歯ぐきと唇の間から、6秒かけて舌を一周させる。5~20回繰り返し、反対回りも同様に行う。

★背筋を伸ばせば小顔効果も見込める【発声練習】
鼻呼吸の促進と舌のトレーニングには、舌と口を大きく動かすのが効果的だ。まず姿勢を正し、「りー」と声に出しながら、口を横に開く。その後、「えー」と言いながら舌をまっすぐ前に突き出すのを10回繰り返す。

「舌を使ってしっかり『り』と発音することで、舌の筋トレになります。このとき、歯と歯が当たらないように気をつけることも大切です。『えー』と言うときは、できるだけ大きく口を開けて、下唇や歯に舌が当たらないよう、まっすぐ前に突き出します」

■「発声練習」のやり方

【1】「りー」と言いながら、横に思い切り口角を引っ張る。

【2】「えー」と言いながら、舌をまっすぐ前に突き出す。【1】【2】を10回繰り返す。

★唾液量を増やして歯並びをよくする【舌鳴らし】
口の中で舌をはじくようにして音を鳴らす「ポッピング」をすると、舌の鍛錬をしながら位置を正し、鼻呼吸も促すことができる。これにより、誤嚥の予防や唾液分泌の促進が期待できる。

「上あごに舌を吸いつかせるように、ぴったりくっつけます。このとき、舌先だけでなく舌の奥まで全体をつけるようにしてください。次に、吸いついている舌を『ポン』と外すイメージで、上あごから舌を素早く離すのを10回繰り返します。音を鳴らすことよりも、上あごに舌をしっかりくっつけることを意識してください」

次に、ポッピングをするときと同じように、上あごに舌を吸いつかせ、そのまま口を閉じて100秒キープすると、安静時の正しい舌の位置を覚え込ませ、歯並びの悪化も防止できるのでおすすめだ。

「余裕がある人は、舌を吸い上げたままの状態で、口を大きく開け閉めして、舌の裏側にある筋を伸ばしてみてください。舌の可動域が広がり、滑舌がよくなります」

■「舌鳴らし」のやり方

【1】舌全体を上あごにぴったりと吸いつかせ、勢いよく離して「ポン」と音を鳴らす。

【2】舌を吸いつけた状態で100秒キープして、正しい舌の位置を覚え込ませる。

小島さんは、日常生活のちょっとした心がけによっても、美しさと健康をキープできると話す。

「最も大事なのは、歯を食いしばらないようにすることと、常に舌の位置と鼻呼吸を意識して、姿勢を正した生活をすること。家にいるときもできるだけいい姿勢を保ちましょう。歩くことはあごの関節の筋肉を発達させるといわれているので、ウオーキングもおすすめです。走るよりも、手を振って大股で歩くことの方が効果的です」

いつでもどこでも実践できるのが、歯ヨガのメリットだ。気づいたときにマスクの下で「歯ヨガ」をすれば、健康を手に入れることができる。

教えてくれた人

小島歯科医院副院長・小島理恵さん
※女性セブン2021年2月4日号
https://josei7.com/

この記事は、小学館『介護ポストセブン』(初出日:2021年2月1日)より、アマナのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、licensed_content@amana.jpにお願いいたします。

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