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インフルエンザから体を守る!
呼吸器内科医が実践している方法

風邪、インフルエンザ予防対策は大丈夫!? 今すぐチェック

□ マスクを使うのは1日1枚
□ 手洗いは、外出から帰った時に水で洗う
□ お茶を飲む習慣がない
□ 加湿器は、あまり使わない
□ 魚やキノコ類はあまり食べない
□ うがいはヨード液でしている
□ 咳をするときは、両手で口元をかくす
□ 冬はあまり運動をしなくなる
□ 歯磨きは食後だけ
□ 寒いから外に出て陽にあたることがあまりない

当てはまるものがあれば、感染予防対策の見直しを!

手洗い、うがい、マスク 基本を見直して

寒さも本格的になり、このだるさは風邪かな、インフルエンザかなと、不安になってしまう時。

「鼻や喉、気管支などの空気の通り道に炎症をおこす風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症には、飛沫感染と接触感染の予防対策が重要です」と話すのは、呼吸器内科を専門とする大谷義夫先生。

では私たちにできる日常の予防は?

「やっぱり30秒の手洗いは基本ですけれども、もっといいのはアルコールの手指消毒です。15秒すりこめばいいのですから。人と会ったり、どこか触ったりするごとに消毒するのがおすすめです」

大谷先生は診療時、次の患者さんが入室するまでの15秒の間に手指や聴診器を消毒する。

「会社でも家庭でもアルコールの消毒液は、使い勝手がいいのではないでしょうか。手洗いより有効ですし。家にもオフィスの机にもひとつ置き、携帯用のものを持ち歩くのがおすすめです」

ハンドクリームを使う場合は、アルコール消毒液だとさっと乾くので、その上から塗る。

玄関前にもアルコール消毒液を置いている大谷家では、帰宅時にドアノブを触る前に消毒する。

「エレベーターのボタンも皆さん真ん中を触りますので、私は端っこを触ります」

インフルエンザウイルスの人にうつるウイルス活性は、金属やプラスチックでは、24時間。衣服や繊維は15分程度だという。

「次にうがいですが、インフルエンザに関しては、1日数回のうがいでは予防にならないことが分かりました。けれども、お茶のカテキンについては、お茶の摂取量が多いと発症率が低いデータがあります。

私は、患者さんの診療がひとり終わるたびにお茶を一口飲みます。うがいは、口の中をゆすいでから、のどをガラガラの2段階。口の中の細菌を喉に入れないためです」

マスクは一日3~4枚惜しみなく

そして飛沫感染対策のマスク。

「ある調査で、1日1枚使うという人が多かったのです。着脱回数は、男性8・6回、女性7・9回。同じマスクを着ける時に表面を触ってしまう。

ここは、他人の飛沫を浴びて汚染されていますから、触ってほしくない。マスクのヒモを持って外し、なるべく使い捨てが望ましい。

アメリカの論文では、医療用のN95の高性能マスクでも安価なサージカルマスクでも予防効果の差はなかったというデータが出ました。1日3~4枚は使ってほしいですね」

また口腔ケアも大切。積極的に口腔ケアを行った群は、しなかった群に比べインフルエンザの発症率が、10分の1になったという日本のエビデンスがあるという。

「口腔内には細菌がたくさんいます。毎食後のほか就寝前にも歯磨きをしてほしいですね」

摂取を心がけたい栄養素は?

「ビタミンCと考える人が多いのですが、ビタミンDの方が効果的だという呼吸器感染症予防のデータがいくつかあります。脂溶性なので鮭などの魚類、キノコなどを炒めて食べるのがいいと思います。

あとは日光浴。手のひらだけでいいので、冬の季節は15~20分手袋を外して歩いてみましょう」

また、睡眠も大切。7時間眠る人と6時間未満の人を比べると、風邪の引きやすさは約4.2倍になるという。大谷先生は、この論文を読んでからは、6時間を切らない睡眠時間を心がけている。

どれもすぐ実行できることばかり。この冬は元気に過ごそう。

●教えてくれたのは…
大谷義夫(おおたに よしお)先生
呼吸器・アレルギー・内科専門医/指導医。池袋大谷クリニック院長。博士(医学)。群馬大学医学部卒業後、九段坂病院内科医長、米国ミシガン大学留学東京医科歯科大学呼吸器内科兼任睡眠制御学講座准教授などを経てクリニックを開院。分かりやすく実践的なコメントでテレビ、ラジオ、雑誌などに登場。『長引くセキはカゼではない』(KADOKAWA)など著書多数。

この記事は、文藝春秋『CREA/執筆:Kaoko Saga(Lasant)』(初出日:2020年1月5日)より、アマナのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、licensed_content@amana.jpにお願いいたします。

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