ぐっすり眠る方法は?基本の生活習慣やセルフケア、NG行動を解説

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朝起きても疲れがとれていない…そのような経験はありませんか? 「私は毎日ぐっすり眠れて、疲れ知らず!」と、自信をもって言える人は、それほど多くないのではないでしょうか。

毎朝すっきり起きられない、寝ているはずなのになかなか疲れがとれないと感じている人は、睡眠をきちんととれていない可能性があります。

本記事では、眠りが浅くなる原因や、朝までぐっすり眠るために今日からできるセルフケアを紹介します。漢方の考え方についても解説しているので、参考にしてみてください。

ぐっすり眠れない原因

睡眠時間は足りているはずなのに熟睡感が得られない場合、眠りの質が低下している可能性があります。その原因は、ストレスや生活リズムなど、日常のなかに潜んでいることも少なくありません。

ここでは、ストレスによる睡眠への影響や、不眠のタイプについて解説します。

ストレスがリラックスモードを妨げることも

十分な時間眠ったつもりでも、夜間に何度も目が覚めていたり、深い眠りに入れていなかったりすると、脳や体は十分に休まりません。

私たちの体は本来、日中は活動モード、夜はリラックスモードに切り替わるようにできています。しかし、夜にリラックスモードへうまく切り替えられずに、ぐっすり眠れない人が増えています。

夜になってもリラックスモードへ切り替わらない要因のひとつが、ストレスです。仕事や人間関係の悩み、将来への不安などが積み重なると、脳は危険に備える状態を保とうとし、体は緊張したままです。

漢方では、このような不安や緊張を「気」の失調としてとらえます。気の巡りが滞る「気滞」や、気が上にのぼりやすくなる「気逆」の状態になると、胸のつかえ感やイライラ、寝つきの悪さがあらわれやすいと考えられています。

ストレスと向き合うときの漢方の考え方について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

眠りが浅いと感じやすい人の傾向

ひとくちに「眠れない」といっても、不眠のあらわれ方は人によってさまざまです。

不眠には、主に以下のようなタイプがあります。

不眠のタイプ 特徴
入眠困難 布団に入ってもなかなか寝つけない
中途覚醒 夜中に目が覚め、その後眠りに戻りにくい
早朝覚醒 予定より早く目覚め、そのまま眠れない
熟眠障害 眠っているのに熟睡感が得られない

一時的な不眠は誰にでも起こりえますが、眠れないことを強く意識しすぎると不安が膨らみ、余計に眠りにつきにくくなることがあります。症状が長く続く場合や日中の生活に支障が出る場合は、無理をせず早めに医療機関を受診しましょう。

ぐっすり眠るために意識したい6つの習慣

ぐっすり眠れないとお悩みなら、以下の習慣を意識してみてください。

  • 1. 朝日をしっかり浴びる
  • 2. 朝食を毎日食べる
  • 3. 日中の活動量を増やす
  • 4. 眠る2時間前までに食事をすませる
  • 5. 就寝前の環境を整える
  • 6. 就寝・起床の時間をできるだけそろえる

無理のない範囲で、取り入れられるものから少しずつはじめてみましょう。

1.朝日をしっかり浴びる

朝に太陽の光を浴びることは、睡眠の質を整えるうえで大切な習慣です。起床後に光を取り入れると、脳内でセロトニンの分泌が促され、体と気持ちが自然に目覚めやすくなります。

また、朝の光には体内時計を整える働きがあり、その後のメラトニンの分泌タイミングにも影響します。日中にしっかりと光を浴びておくことで、夜には自然と眠気が訪れやすくなるのです。

起きたらまずカーテンを開けて部屋に光を取り込んだり、短時間でも屋外に出たりといった習慣を取り入れてみましょう。

2.朝食を毎日食べる

夜の眠気に関わるホルモン「メラトニン」は体内で合成されますが、その材料となるのがトリプトファンという必須アミノ酸です。トリプトファンは体内でつくれないため、食事から補う必要があります。

トリプトファンを多く含む代表的な食品は、以下の通りです。

  • ● ヨーグルトや牛乳などの乳製品
  • ● 納豆や豆腐などの大豆製品
  • ● ナッツ類
  • ● バナナ

朝にこれらの食品を取り入れることで、日中の体内リズムが整い、夜にメラトニンが分泌されやすい状態につながります。ごはんやパンなどの主食に、主菜・副菜を組み合わせて、バランスのとれた朝食を意識しましょう。

3.日中の活動量を増やす

日中に体を動かして適度な疲労を感じると、寝つきがよくなり、途中で目が覚めにくくなります。とくに大切なのは、無理のない範囲で継続することです。

現役世代の人は、ハイキングやジョギングなどのやや強度のある運動を取り入れてみましょう。年齢を重ねた人は、散歩や体操などの軽い運動を取り入れるだけでも、睡眠によい影響が期待できます。

就寝直前に激しい運動をすると、目がさえてしまうおそれがあるため、寝る2〜4時間前までには運動を終えるようにしましょう。

4.眠る2時間前までに食事をすませる

胃に食べ物が入っていると、内臓は消化のために働き続け、体は活動モードになります。そのまま眠っても深い睡眠につながらず、睡眠の質が下がってしまう場合があります。

睡眠の質を高めるには、できるだけ就寝の2時間前までには夕食を終え、内臓が落ち着く時間を確保するようにしましょう。夕食がどうしても遅くなる日は、量を控えめにして、消化のよいものを選んでみてください。温かい汁物や軽めのたんぱく質を中心にすると、体への負担が少なくなります。

空腹が気になる場合は、就寝直前にしっかり食べるのではなく、夕方に軽く間食をとるなど、時間帯の調整も検討してみましょう。

5.就寝前の環境を整える

就寝前には、眠りに入りやすい環境を整えることが大切です。

眠りに入りやすい環境のポイントは、以下の通りです。

項目 ポイント
光 就寝前は照明を弱めて部屋を暗くする
温度 暑すぎず寒すぎない温度を保つ
音 テレビや音楽は消して静かな環境を整える

また、ふわふわしたものや肌触りのよい素材に触れると、心が落ち着きやすくなり安眠につながります。抱き枕やぬいぐるみを抱いたり、毛布やタオルケットにくるまったりといった工夫も取り入れてみましょう。

さらに、マットレスや枕の高さが合っていないと体に負担がかかりやすいため、首や腰に違和感がある場合は寝具の見直しも検討してみてください。

6. 就寝・起床の時間をできるだけそろえる

睡眠の質を安定させるためには、毎日の就寝時間と起床時間をできるだけ一定に保つことが大切です。

人の体には体内時計が備わっており、一定のリズムで眠りと覚醒をくり返すことで、夜に自然な眠気が生じやすくなります。一方、夜ふかしや休日の朝寝坊が続くと、このリズムが乱れ、夜になっても眠くなりにくくなるのです。

不規則な生活は睡眠の質を下げ、長期的には心身への負担にもつながるおそれがあります。平日と休日で起床時間の差が大きくならないよう、できる範囲で一定のリズムを心がけましょう。

ぐっすり眠るために今日からできるリラクゼーションケア4選

就寝前に取り入れたいケアとして、以下4つの工夫を紹介します。

  • 1. ぬるめのお湯で入浴する
  • 2. ストレッチで肩まわりをほぐす
  • 3. 睡眠に関係するツボを押す
  • 4. 入眠儀式として「4-7-8呼吸法」を取り入れる

1.ぬるめのお湯で入浴する

お風呂に入って体を温めることは、快眠に役立ちます。ただし、熱すぎるお湯は刺激になりやすいため、38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくりつかるようにしましょう。

ぬるめのお湯に10〜15分ほど入ると、深部体温がゆるやかに上昇し、その後自然に下がっていく過程で眠気が生まれやすくなります。この体温の変化が寝つきをよくし、深いノンレム睡眠を増やすポイントです。同様の働きは、半身浴でも期待できます。

入浴後は、1時間~1時間半を目安に布団に入ると、体温が下がるタイミングと重なり、より自然に休息モードに切り替わりやすくなるでしょう。

2.ストレッチで肩まわりをほぐす

1日中パソコンを使うデスクワーカーや、子どもを抱く機会が多いパパ・ママは、どうしても肩が前に出がちで凝りやすいです。凝っているということは、それだけ疲労が溜まって体がストレス状態にあるということ。

以下のストレッチ法を参考に、凝った体をほぐして体をリラックスモードにしてあげましょう。

  • 1. 自分の肩に手を置く(右手は右肩に、左手は左肩に)
  • 2. ヒジで大きく円を描くイメージで、ゆっくりと回す
  • 3. 前回しと後ろ回しを10回ずつ行う

肩まわりをしっかり動かすことで、凝り固まった肩のリラックスにもつながります。

3.睡眠に関係するツボを押す

東洋医学では、不眠は「気」の巡りの乱れや高ぶりが関係していると考えられています。体の緊張をゆるめるツボを刺激することで、自然な眠りへ向かいやすくなります。

睡眠に関係するとされる代表的なツボは、以下の通りです。

タイプ:眠れない

ツボ名:失眠(しつみん)

位置:足の裏・かかとの中央

失眠(しつみん)のツボ押しのやり方

文字通り不眠のツボで、血液の循環とカラダを満たしている水分の循環を促進することで自律神経を整え眠りに誘います。強く押しすぎると逆に眠れなくなるため注意が必要です。

タイプ:イライラして眠れない

ツボ名:太衝(たいしょう)

位置:足の親指と人差し指の間

足臨泣と太衝と崑崙のツボ

足の親指と人差し指の間を足首に向かってなであげて止まる足の甲。

タイプ:心配で眠れない

ツボ名:神門(しんもん)

位置:手首の内側・小指側

神門(しんもん)のツボのイラスト

神門はなでたり温めたりするだけでも、自律神経の乱れを整えて気持ちを落ち着かせる効果を期待できます。

タイプ:ほてり・寝汗がある

ツボ名:三陰交(さんいんこう)

位置:内くるぶしから指4本上

「三陰交」のイラスト

冷えやむくみに効果的。お風呂でカラダを温めながらマッサージをすると、気血水の巡りがよくなりむくみを改善させることができます。

タイプ:気が高ぶって目がさえる

ツボ名:内関(ないかん)

位置:手首の内側から指3本上

内関のツボ

ストレスの状態は上腕の内側に出やすいもの。ここが硬くなっていたらストレスがたまっているのかも。このツボをていねいに押してココロの調子をととのえましょう。

ツボは強く押す必要はなく、心地よいと感じる強さでゆっくり刺激しましょう。呼吸に合わせて行うと、よりリラックスしやすくなります。

4.入眠儀式として「4-7-8呼吸法」を取り入れる

布団に入っても頭がさえてしまうときは、毎晩同じ流れで行う「入眠儀式」を取り入れてみましょう。決まった動作をくり返すことで、脳が「これから眠る時間」だと認識しやすくなります。

入眠儀式として取り入れやすいのが、「4-7-8呼吸法」です。ゆっくりとした呼吸によって、緊張をやわらげることを目的としたシンプルな呼吸法で、布団のなかでも無理なく実践できます。

4-7-8呼吸法のやり方は、以下の通りです。

  • 1. 口からゆっくり息を吐ききる
  • 2. 鼻から4秒かけて息を吸う
  • 3. 7秒息を止める
  • 4. 8秒かけて口からゆっくりと息を吐ききる

これを1セットとして、4回ほどくり返します。息を止める時間がつらい場合は、無理のない範囲で調整してかまいません。

くり返すうちに心身の緊張がほどけ、自然と眠りに入りやすくなります。

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ぐっすり眠るために避けたいNG行動

眠りの質を下げないためには、就寝前の過ごし方にも注意が必要です。

就寝直前に以下のような行動をとるのは、できるだけ避けましょう。

  • ● アルコールやカフェインの摂取
  • ● 脂っこい料理や刺激の強い食品の摂取
  • ● 激しい運動
  • ● スマートフォンやパソコンの使用

また、就寝時間が日によってばらばらになることも、体内時計の乱れにつながります。就寝前はできるだけ心と体を落ち着かせる時間として過ごし、眠りに入りやすい状態を整えましょう。

ぐっすり眠りたい人が知っておきたい漢方の考え方

漢方では、眠れない原因をひとつに絞るのではなく、一人ひとりの体の状態や心身の状態全体に合わせて整えていくことを大切にしています。

不眠症などの症状が気になるときに検討される漢方薬として、気持ちが高ぶってしまう場合に用いられる「抑肝散加陳皮半夏」があります。疲れやすく体力が落ちているときには「加味帰脾湯」、また、不安感や神経の興奮、動悸などを伴う場合には「柴胡桂枝乾姜湯」が選択肢になることもあります。

それぞれの処方の効能・効果は、以下の通りです。

処方名 効能・効果
抑肝散加陳皮半夏 (よくかんさんかちんぴはんげ) 体力中等度をめやすとして、やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、更年期障害、血の道症※、歯ぎしり
加味帰脾湯 (かみきひとう) 体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴うものの次の諸症:貧血、不眠症、精神不安、神経症
柴胡桂枝乾姜湯 (さいこけいしかんきょうとう) 体力中等度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸、息切れ、ときにねあせ、頭部の発汗、口の乾きがあるものの次の諸症:更年期障害、血の道症※、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎

※月経や妊娠、出産、産後、更年期など、女性特有のホルモン変動に伴って起こる、精神面・身体面のさまざまな不調

漢方では、症状だけでなく体の状態全体を踏まえて処方が検討されます。自己判断せず、 医師、薬剤師又は登録販売者 に相談しながら選ぶようにしましょう。

睡眠の環境を整えて朝までぐっすり眠れる毎日へ

眠りの浅さや寝つきの悪さは、一時的なもので自然におさまることもありますが、ストレスや生活リズムの乱れが関係している場合は症状が長く続くこともあります。眠れない夜が続くときは、生活習慣のなかに原因がないか、一度振り返ってみましょう。

朝日を浴びる・就寝前の環境を整える・ぬるめのお湯で入浴するといった日々のセルフケアは、眠りの質を高めるうえで役立ちます。加えて、自身の体の状態に合わせて漢方の知恵を参考にするのもひとつの方法です。

ただし、眠れない状態が長引く場合や日常生活に支障が出ている場合は、自己判断で抱え込まず、医師、薬剤師又は登録販売者などの専門家に相談することも検討しましょう。

尾野 真美子

NPO法人日本ホリスティックビューティ協会インストラクター 専門はストレスケア、睡眠、入浴。味噌作り教室の開催等、発酵食品も得意とする。一児の母であり、働く女性やママ向け講座も多数開催。

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