暮らしのヒント
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旅の宿が開発された1985年頃、日本は第一次温泉ブームに沸いていました。
若い女性たちが温泉旅行に出かけたり、地域おこしの温泉掘削などにより新たな温泉地が誕生したりと、日本人にとって温泉がさらに身近なものへと変化してきました。
そんな中、自宅のお風呂でも温泉気分が味わえたら……という発想から誕生したのが、薬用入浴剤「旅の宿」です。
「旅の宿」は、温泉にこだわり、日本人の心の安らぎ、日本の情緒を追求し続けました。
日本人が温泉に求めることは、温泉の効果や効能だけでなく、温泉地の景色や色、香り、音、そして楽しさなど、五感に訴えかけるものと考えたからです。
開発者は温泉地に何度も足を運びました。名湯と聞けば、山の奥の奥まで出向いて、温泉の採取はもちろん、実際温泉に入って、お湯を肌で感じ、景色や雰囲気を味わいました。
こうして作り上げた「旅の宿」は、温泉を感じるための様々な工夫が施されているのです。入浴剤は、主に「雑貨」「浴用化粧品」「医薬部外品」に分類され、「医薬部外品」の入浴剤は、疲労回復、肩こり、腰痛など17の症状を効能として表記することができます。
当社の旅の宿は、医薬部外品の薬用入浴剤。パッケージにはこのように書かれています。旅の宿はこれらの効能効果を発揮する有効成分として「生薬」が配合されているのも特長です。
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温泉のこだわりのひとつ――温泉気分の再現のため、温泉成分については、徹底的に追求しました。
温泉に浸かると、カラダがぽかぽか温まりますよね。それは、炭酸水素ナトリウムなどを含んだ「温泉ミネラル」が温泉成分に含まれているからなのです。
さらに、クラシエ独自の研究により、温泉に浸かると、なぜお肌がつるつるするのだろうという疑問から、メタケイ酸ナトリウムを配合することに!
メタケイ酸は、名湯と呼ばれるほとんどの源泉に含まれている保湿成分で、美肌効果やうるおい効果があることがわかりました。
そして、温泉に浸かると、なぜほっと心が安らぎ、リラックスできるのかの疑問に、全国の温泉源泉水を分析した結果、温泉地近郊の豊かな自然資源が温泉の香りのもとだったことが分かりました。
そこで「旅の宿」に温泉含有香気成分をプラス。
こうしてこだわりの3つの温泉成分が配合され、「旅の宿」はさらに本格的な温泉気分を楽しめるようになりました。商品を発売する前に、どの商品も商品試用テストを必ず実施しますが、入浴剤は、体力勝負です。
旅の宿の処方検討時には、複数の担当者で、1日に何度も繰り返し湯船に浸かり、“お湯の感触”“剤の溶け方”“お湯の色”“香りの拡がり方”などいくつもの項目をチェックしていかなければなりません。
湯船に浸かるだけでなく、バスタブの種類ごとに、入浴剤を比較してみたり、照明によって、お湯がどう見えるかなどのチェックも欠かせません。
温泉にこだわる「旅の宿」は、こうして新しい商品が、誕生していきます。 -
温泉へのこだわりといえば、発売当時から変わることのないデザイン。
「旅の宿」のパッケージは、画家の木田安彦さんのオリジナル作品で、各地の温泉地を商品開発担当者と巡り、実際に現地を見て版画をつくっていただきました!
このパッケージを見て、温泉気分を味わいながら湯船に浸かる方も多いと聞きます。
実は、このパッケージには、ちょっとしたヒミツがあります。
5種類の分包タイプを左から、別府・白浜・箱根・草津・登別と順番に並べてみると……、なんと1枚の絵としてつながっているのです! 元は、「旅の宿」というタイトルの1枚の大きな版画作品だったのです。
箱根は芦ノ湖と富士山、草津は湯もみ娘など、それぞれの温泉地をイメージできるモチーフがたくさん入っています。ぜひ探してみてください!
こうしたところも「旅の宿」のこだわりなのです。