挑戦のStory

クラシエ製薬

漢方薬が作用する仕組みを
科学的に立証していく。

漢方研究所 製品開発第二グループ
2013年入社 薬学研究科

研究開発

PROFILE

入社後は、現在と同じ漢方研究所製品開発第二グループに配属され、漢方薬が作用する仕組みを紐解く情報開発業務を担当する。2014年からは国立がん研究センターに出向。漢方の抗がん作用に関する研究に従事した。2015年秋から現部署に戻り、非臨床試験による漢方薬の情報開発業務に復帰。漢方薬の有効性を科学的に証明すべく励んでいる。

Challenge Story #01

漢方薬をより世の中に広めていくため
解明されていない薬効の仕組みを紐解く

古くから使用されてきている漢方薬は、その有効性が臨床的に証明されている一方で、どのような成分がどのように作用することで効能を発揮しているのかが解明されていないケースが多くあります。効能の仕組みを科学的に立証できれば、パンフレットに明記したり、医師の方に試験結果を示しながら商品をお勧めしたりと、販売の可能性が格段に広がります。そこで、効能の仕組みが明らかになっていない漢方薬について、マーケティング部門などから依頼を受け、科学的に立証する情報開発業務が、私の担当ミッションになります。先述のとおり、長い歴史がありながら立証できていないことを対象にするわけですから、思うような結論を導き出せないことも多々あります。だからこそ、立証に成功したときの達成感や喜びもひとしお。この点が、最大のやりがいだと思っています。

Challenge Story #02

漢方と抗がん剤の併用による薬効を証明
国際学会で発表して研究賞を勝ち取る

これまでで一番印象深い経験は、ある漢方薬と抗がん剤との併用効果について研究し、学会で発表できたことです。実は、この漢方薬については2013年から研究に取り組み、国立がんセンターに出向している間も、医師主導の臨床試験に従事していました。しかし、漢方薬単体では思うような臨床結果を得られず、研究自体を見合わせることになってしまったのです。こうして漢方研究所に戻ることになってしまったのですが、私はあきらめきれませんでした。そこで、2人の同僚に声をかけ、承認の下りている抗がん剤との併用効果についてプライベートタイムに独自に調査し、正式な研究テーマとしてコストと時間をかけなければこれ以上は先に進めないとなったところで、3人で上司にかけあったのです。この申し出が認められ、私たちのメインテーマとして研究を続けることができました。そして、研究成果を国際学会で発表できるまでに至り、学会では研究賞を受賞したのです。

やる気と熱意さえあれば認めてもらえるのだと実感できて、とてもうれしかったです。その後、2016年からは、自身が興味を抱いている分野について業務時間の10%を使っていいという新たなルールが社内で導入されました。研究者独自の目線も大切にしてもらえるようになり、とても心強く思っているところです。

Challenge Story #03

新たな立証法も積極的に取り入れ
漢方の作用機序を解明していきたい

今後も情報開発業務にいそしみ、ひとつでも多くの作用機序を科学的に証明したいと思っています。最近は、さまざまな技術が進化しているので、以前より手軽に実験できる場面も増えていると思います。例えば、最近のスマートウォッチでは、睡眠の深さも計測できるようになっています。クラシエの商品には、寝つきを良くする漢方がありますが、スマートウォッチを装着し睡眠の深さを測るだけなら、研究の幅を広げることも容易になります。こんな風に、頭を柔軟に、そして視野を広く持ちながら、新たな研究スタイルも生み出し、さまざまな効能の解明にチャレンジしていきたいですね。

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