2017.10.04 プラセンタの知識

更年期障害とプラセンタの関係

更年期と深い関係のある女性ホルモン。 更年期治療の医療現場でもプラセンタが利用されています。

吉澤恵理:薬剤師/医療ジャーナリスト

更年期障害とは

女性のカラダは、エストロゲンという女性ホルモンの分泌により、思春期には初経(初潮)を迎え、性成熟期には安定し妊娠・出産に適したカラダを作ります。 一般に50歳前後で閉経を迎えると、エストロゲンの分泌は急激に低下します。
この前後の期間を、いわゆる更年期と言います。エストロゲンの分泌低下は健康にも大きな影響を及ぼし、高脂血症(脂質異常症)や動脈硬化などの生活習慣病、骨粗しょう症などを引き起こしやすくなります。

更年期に入る頃、月経周期の乱れや月経量に変化が見られ、後に閉経を迎えます。閉経後、さらにエストロゲンが欠乏すると、心血管系、自律神経系、脳機能、皮膚代謝、脂質代謝、骨代謝などに影響し、高血圧や高脂質血症、骨粗しょう症などを招く場合もあります。
更年期の代表的な自覚症状は、ホットフラッシュ、のぼせといった血管運動系の症状の他、頭痛、動悸、めまい、不安、鬱、イライラといった自律神経系の症状など、病名がはっきりしないものが多く、不定愁訴と呼ばれます。 年齢に負けずにハツラツと歳を重ねるためには、更年期以降に起るカラダの変化を知り備えることが大切です。

プラセンタの働き

プラセンタはミネラルやビタミン・アミノ酸・タンパク質・酵素・核酸・脂質や糖質のほか、成長因子や酵素などの栄養成分を含んでおりその効果は様々です。

代表的な効果は、肝機能のアップ、自律神経調整作用、ホルモン分泌調節作用、疲労回復作用、血行促進作用、抗炎症作用、免疫アップ作用、抗アレルギー作用、活性酸素除去作用などが挙げられます。 更年期の対策には、特に自律神経調節作用、ホルモン分泌調整作用が有効と考えられます。

一般に婦人科では、更年期の治療にHRT療法(ホルモン補充療法)というエストロゲンを補充する治療が行われます。 有効な治療法ではありますが、全ての女性が行える治療法ではないのです。乳がん、子宮がん、血栓症の治療薬を服用している人、脳卒中や心筋梗塞を起こしたことのある人などは、HRT療法を行うことができません。

また、子宮筋腫、高血圧、肝機能障害がある場合には、投与方法や投与量を経過を見ながら慎重に調整します。 エストロゲンのみを長期間投与するとガンになる可能性があり、ガンを防ぐために黄体ホルモンを併用するのが一般的です。HRT治療が行えない場合にプラセンタ注射薬が選ばれることが多いようです。

更年期障害治療のプラセンタは

*プラセンタ注射薬

プラセンタ注射薬は、更年期障害治療での保険適応が認められています。 医療機関で行うプラセンタ注射薬は、『ヒトプラセンタ』で皮下や筋肉に注射を打ちます。 通常は、症状によって個人差はありますが、2週間~1か月に1回の頻度で治療を行いホットフラッシュや多くの不定愁訴を改善することが期待できます。

現在、日本の医療機関で使用されるヒトプラセンタは、「メルスモン」と「ラエンネック」ですが、更年期治療薬として保険適応が認められているのはメルスモンです。 ラエンネックは慢性肝疾患の治療薬として保険適応が認められています。

手軽に入手できるプラセンタ

*プラセンタサプリメント/プラセンタドリンク

プラセンタの歴史の中でその様々な効果が分かるにつれ、プラセンタを有効成分とするサプリメントやドリンクが数多く開発されています。 プラセンタサプリメントやドリンクには、ヒトではなく豚や馬の胎盤が使用されています。 現在様々なプラセンタ商品が発売されていますが、品質の違いを比較することが難しいことから、JHNFAでは品質の企画基準を設けています。できれば、その基準を満たすプラセンタエキス純末を含む製品を選びたいですね。

サプリメントやドリンクでは、成分量が少ないのではと考える人もいるようですが、市販されているものの中でも十分摂取目安量をクリアしているものはあります。 過去の動物実験により経口摂取でのプラセンタが消化、吸収の過程を経ても肝臓に働きかける効果があることが確かめられています。

プラセンタの安全性は

プラセンタ注射薬を1回でも受けたことがある人は、献血ができません。 その理由は、プラセンタ注射薬は、ヒトの胎盤を原料とし、現状の製造工程で取り除けない未知のウイルスや病原体の存在の可能性を完全に否定はできず、感染症などのリスクがゼロとは言えないからです。 しかしながら、日本でのプラセンタ注射薬による感染症の報告はありません。

プラセンタサプリやドリンクの中で、衛生面に配属された農場で飼育・管理された豚、馬の胎盤から抽出されるものは安全性が高いと言えるでしょう。また、一般的に製造メーカーごとに独自の安全基準を設けるなど製造工程で十分な微生物の有無のチェックや滅菌処理などが行われており、安全性が保たれています。

プラセンタで更年期に負けない体作りをしたいですね。

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