2017.10.04 プラセンタの選び方・飲み方

プラセンタの利用方法と注意点

プラセンタって安全なの? ちょっと抵抗がある… プラセンタを利用する際の注意点や選び方についてまとめました。

吉澤恵理:薬剤師/医療ジャーナリスト

デメリットや注意することは?

近年、美容や健康促進・維持によいとされるプラセンタは、成長因子、アミノ酸やビタミン、ミネラルなど多くの成分を含みます。
私たちの体にとって良い働きのあるプラセンタですが、プラスな点ばかりが注目されがちで、その注意点やデメリットについても十分理解する必要があります。
今回のコラムは、皆様にプラセンタを安全に使用していただくためにプラセンタの注意点についてのお話です。

プラセンタ製品のいろいろ

日本でのプラセンタの歴史は古く、第二次世界大戦末期にプラセンタを含む経口栄養剤が開発され、全国で販売されるようになりました。
開発当時、妊婦の母乳分泌不全と新生児の死亡率改善に大きな効果を示し、それから今日まで多くのプラセンタ製品が研究、開発されてきました。 現在では、プラセンタを原材料とした「医薬品」「サプリメント」「化粧品」など、多くの製品が作られています。

プラセンタの安全性

ご存知の通りプラセンタの成分は、胎盤から抽出されます。 医療機関で使用されるプラセンタ注射薬は、人の胎盤を原料とし特定生物由来製品に指定されます。 特定生物由来製品には、その製造工程から市販後まで様々な安全対策が取られています。

しかし、現状の製造工程で取り除けない未知のウイルスや病原体の存在を完全には否定はできず、感染症などのリスクはゼロとは言えません。 現在、日本でのプラセンタ注射薬による感染症の報告はありませんが、プラセンタ注射薬を打つ際には同意書を書く必要があります。
これに対し国内で流通している内服薬やサプリメント、化粧品の原料となるプラセンタは、豚や馬など動物の胎盤を原料としています。 製造工程では、微生物の有無のチェックや滅菌処理などが行われ安全性が保たれています。

プラセンタの危険性

一般用医薬品やサプリメント、化粧品は、主に豚や馬の胎盤を原料としますが、以前は牛の胎盤が使用されていたこともありました。
しかし、狂牛病(BSE)の発生を機に厚生労働省は「BSEが発生している国の牛や羊など反芻動物の胎盤を原料としないこと」と通知を出しています。 現在、日本国内で羊由来のプラセンタも流通していますが、輸入によるものです。原産国などをしっかりチェックしリスクを回避しましょう。

白い肌は年齢問わず女性を輝かせます。プラセンタサプリやドリンクを積極的に取り入れ美白でエイジレスな美しさを手に入れたいですね。

原材料に注意

プラセンタの危険性でも触れたように、狂牛病(BSE)の危険性から日本国内での牛プラセンタの製造、販売はありません。 しかし、羊プラセンタについては、海外からの輸入による販売があるようです。

羊プラセンタを使用する場合は、BSEが発生していないオーストラリア、ニュージーランド産のものが、安全性が高いと言われています。 日本国内で製造されているプラセンタ製品の多くは、豚プラセンタが使用されています。 特に国産豚由来のSPFプラセンタの安全性は高いものです。

SPFプラセンタとは、日本SPF豚協会が定めた、特定の微生物や寄生虫に由来する病原菌を持たないクリーンな豚から採取された国産プラセンタです。 また、馬プラセンタの安全性も高いと言われています。
この理由は、馬の体温は高いため寄生虫が繁殖しにくく感染症に強いという点と飼育過程で予防接種などの薬剤の汚染を受けることが少ない点にあります。

より安全なプラセンタを選ぶには

前述したようにプラセンタには、医薬品、サプリメント、化粧品があります。 医薬品は、開発から販売までは、様々な基礎試験、臨床試験、治験が行われ、その有効性について国が承認したものですので効果が期待できます。 これに対し、サプリメント、化粧品は、自社基準により製造されているので購入の際は、原材料と産地を確認することや、SPFや日本健康・栄養食品協会(JHNFA)などの基準を満たしているか、などで選ぶと安心です。

ただ、注意していただきたい点は、プラセンタ医薬品やサプリメントの有効性や品質の安全性が高いからと言っても、全ての人に有害な事象が生じないとはいいきれません。 有害な事象に関しては体質やアレルギーなどにより個人差があります。 服用に伴い体調変化や違和感があれば速やかに服用を中止し、医師・薬剤師に相談して下さい。

プラセンタの飲み合わせ

一般用医薬品のプラセンタ製剤の添付文書を見ると、飲み合わせについて特別に注意することはありません。 しかし、慢性疾患や病気の治療のため服用している薬がある場合は、医師・薬剤師に相談してください。 複数のサプリメントやビタミン剤を服用する際は、製品中のプラセンタ以外の有効成分が他のビタミン剤やサプリメントと重複し過剰摂取にならないように気をつけましょう。

プラセンタには、様々な形状のものがあります。原材料などの違いをチェックし選ぶことでより安全に摂取することができます。プラセンタで美しく健康になりましょう。