漢方薬を選ぶ

ストレス(不眠)

目次

あなたのストレス(不眠)のタイプをチェック!

「病は気から」とよくいわれるように、ときとして心の状態は体に大きな影響を与えます。とくに、ストレスを感じやすい現代では、「のどに何かつまった感じがある」「眠れない」といった症状を訴える人が増えています。漢方薬は、こうした心と体のデリケートな変化にも細やかに対応し、ストレスによる不安神経症、神経質、不眠の症状などを改善していきます。

漢方では、さまざまな症状がつながっていると考え、いくつかの側面からタイプを判断します。まずはあなたのタイプをチェックしてみましょう。よりチェックの多いほうがあなたにおすすめの処方です。チェックが同じ数の場合は、一番気になる症状があるものを選んでください。


のどにつかえ感があるタイプ

  • 半夏厚朴湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

のどのつかえ感、不安神経症におすすめする漢方処方

半夏厚朴湯 第2類医薬品

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)


体力中等度をめやすとして、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、のどのつかえ感



一般的に「ストレス」に使われる漢方薬
「半夏厚朴湯」の解説を見る


ささいなことが気になるタイプ

  • 桂枝加竜骨牡蛎湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

ささいなことが気になる方の神経質、神経症におすすめする漢方処方

桂枝加竜骨牡蛎湯 第2類医薬品

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)


体力中等度以下で、疲れやすく、神経過敏で、興奮しやすいものの次の諸症:神経質、不眠症、小児夜泣き、夜尿症、眼精疲労、神経症



一般的に「ストレス」に使われる漢方薬
「桂枝加竜骨牡蛎湯」の解説を見る


神経が高ぶっていらだちやすいタイプ

  • 抑肝散加陳皮半夏のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

周りにあたってしまう・怒りっぽくなってきた方におすすめする漢方処方

抑肝散加陳皮半夏 第2類医薬品

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)


体力中等度をめやすとして、やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、更年期障害、血の道症、歯ぎしり
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、更年期など女性ホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。



一般的に「ストレス」に使われる漢方薬
「抑肝散加陳皮半夏」の解説を見る


なかなか眠れないタイプ

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

ストレスなどでイライラする不眠症の方におすすめする漢方処方

柴胡加竜骨牡蛎湯 第2類医薬品

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)


体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う次の諸症:高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜泣き、便秘



一般的に「ストレス」に使われる漢方薬
「柴胡加竜骨牡蛎湯」の解説を見る


ぐっすり眠れないタイプ

  • 加味帰脾湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

貧血や疲れやすい方の不眠症におすすめする漢方処方

加味帰脾湯 第2類医薬品

加味帰脾湯(かみきひとう)


体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴うものの次の諸症:貧血、不眠症、精神不安、神経症



一般的に「ストレス」に使われる漢方薬
「加味帰脾湯」の解説を見る

ストレス(不眠)の原因

ストレスの健康への影響

ストレス社会といわれる現代では、約半数の人がなんらかのストレスを感じているといわれています(平成22年厚生労働省調査)。仕事でのプレッシャー、不規則な勤務形態、職場での人間関係といった社会的な要因や、気温差や騒音など環境によるものなど、ストレスの原因はさまざまです。また、ストレスは、家庭や職場での心配事を抱え込むなどして、蓄積されていきます。こうしたストレスは、疲労感やイライラをまねいたり、集中力を低下させたりすることがあります。


ストレスから生じる症状

ストレスから生じる症状としてのどのつかえがあります。のどに違和感や不快感があるのに、検査をしてものどや気管にも異常がない・・・。「ヒステリー球」と呼ばれる、このようなのどの違和感は、漢方独自の対応領域になります。漢方では、のどに梅の種が詰ってしまったような不快感と言う意味で「梅核気(ばいかくき)」といいます。ストレスや女性ホルモンの乱れが影響することも多く、ストレス社会の現代では女性を中心に増加傾向の病態といえます。なお、更年期障害、自律神経失調症が原因の場合もあります。

ストレスによる不眠

不眠症とは

不眠症は、夜間なかなか寝つけずに、普段より2時間以上かかってしまう「入眠障害」、一旦寝ついても夜中に目が覚めやすく、2回以上目が覚める「中間覚醒」、朝目覚めたときにぐっすりと眠った感じが得られない「熟眠障害」、朝普段よりも2時間以上早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」などの状態が、週2回以上あり、かつ少なくとも1カ月以上持続していて、不眠のため自身が苦痛を感じるか、社会生活または職業的機能が妨げられている状態と定義されています(日本睡眠学会)。これらの要件を満たさない場合は、「不眠」となります。
不眠といっても、その「睡眠の質」と「期間」によって、以下のように分類されます。

① 「睡眠の質」による分類
入眠障害
  • 寝つきが悪い、なかなか眠れない
  • 不安・心配ごと・旅行の前日に興奮して眠れない
熟眠障害
  • 眠りが浅い/よく夢を見る
  • 朝起きて疲れがとれない
早朝覚醒
  • 朝早く目覚め、その後眠れない
中途覚醒
  • 夜中何度も目が覚め、その後再び寝つくのが難しい
② 「不眠の期間」による分類
一時的不眠
  • 数日以内で1週間を越えない不眠
短期不眠
  • 1~3週間の不眠
長期不眠
  • 1カ月以上の不眠

不眠の主な原因

不眠の主な原因には、室温や騒音、明るさなどの「環境の変化」、悩みや考えごとなどの「ストレス」、「加齢」、アルコールやカフェインなどの「飲食物」などがあげられます。
睡眠は健康の基本です。睡眠には、体の疲れをとるだけでなく、脳の疲れをとる役割があり、とくに、大脳の疲れは、睡眠でしかとれないといわれています。
また、睡眠中に成長ホルモンをはじめ、さまざまなホルモンが分泌され、肌の修復や新陳代謝に深くかかわっています。そのため「肌は夜につくられる」ともいわれています。
このように、睡眠は健康を維持するうえで重要な役割をもっていますが、近年は不眠症に悩まされている方が増えているのが現状です。





ストレス(不眠)Q&A 漢方のギモンを解決!

Q 何か飲み込んでひっかかっているようなのどの違和感・・・私も経験あるのですが、普段から気をつけることってありますか?
A ストレスや疲労のせいで自律神経がバランスを崩し、気管や食道の平滑筋が緊張したり、けいれんしたりして起こると考えられています。漢方的には、気が滞っていると考え「梅核気(ばいかくき)」と呼びます。不快なのに実際には何もないので、吐いても何も出ず、飲み込んでも楽にならないという、やっかいな状態です。体を動かさないでいると症状が悪化することもあるので、適度な運動を心がけましょう。ほかに、香りの強い食べ物やお茶などは、気の通りを良くするといわれています。
Q 細かいことがどうしても気になる性質なのですが・・・。気にしないで過ごす方法ないですか?
A 人間は、体を活発にさせるためにはたらく交感神経と体を落ち着かせるためにはたらく副交感神経が交互にはたらくことで健康を維持しています。二つの神経のバランスがストレスなどによって崩れ、交感神経ばかりがはたらいている状態になってしまうと、上手く気分を切り替えることができず、些細なことを必要以上に気にしたり、クヨクヨしたりします。副交感神経がはたらかないことで食欲がわかず、十分な栄養や休息がとれなかったりするために、疲れやすく体力がないのも特徴です。バランスのよい食事と十分な休養を心がけ、適度にストレス発散できる趣味を持つことが大切です。
Q 不眠の効能のある漢方薬は即効性がありますか?
A 漢方薬は服用してすぐに眠くなるというものではなく、体の不調を改善して、不眠を改善していこうというものです。朝、昼、夜ときちんと服用することで、体が眠りのサイクルをとり戻していきます。不眠の漢方治療の特長は、自然な眠りに導くこと、そして最終的には、薬に頼らなくても眠れるようにすることです。
Q 不眠の漢方薬を長期に服用しても大丈夫ですか?
A 習慣性や依存性のある成分は配合されていませんので、基本的には長期に服用しても大丈夫です。ただし、1カ月ぐらい服用しても症状の改善が見られない場合は、その漢方薬が合っていない可能性がありますので、もう一度症状を確認して薬を選び直してください。
Q 不眠の漢方薬の効果的な服用方法はありますか?
A 西洋薬のように、眠れないときに頓服的に服用するのではなく、漢方薬は朝、昼、夜ときちんと服用してください。きちんと服用することで、体の不調を改善し、眠りのサイクルを取り戻して、不眠を解消していきます。
Q 眠れないので寝酒をついついしてしまうんですけど、これって問題ありますか?
A 寝酒は寝つきを良くしますが、眠りを浅くして、夜中や早朝に目が覚めやすくなります。また、眠るために毎日お酒を飲み続けていると、だんだんと眠るまでに必要な量が増えてしまうことも。肝臓などに悪影響が出ることもあるので、寝酒はできるだけ控えるようにしましょう。
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