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お通じの悩み

目次

あなたのお通じの悩みの症状をチェック!

「もう3日出ていなくて…」といった会話、思い当たりませんか? 食物繊維や水分を積極的にとったり、マッサージやスポーツなどで腸の動きを活性化させたりと、日々の生活で意識されていることも多いのでは? 漢方では、慢性の便秘だけに限らず、便秘と下痢を交互に繰り返してしまう症状に対しても、生薬のチカラで便通を整え、スムーズな排便を取り戻します。

また、痔についてもご紹介します。
「痔」はデリケートな部分の病気なので、なかなか話題にしにくく、放置して悪化させる人もいるようです。座りっぱなしの姿勢や便秘などでおしりに負担がかかると、痔をまねきやすくなります。さらに女性の場合は、冷え、妊娠や出産など、痔をまねきやすい状態にあることが多いもの。漢方には、血行を促進したり、便の通りを良くしたりすることで、痔を内側から改善していく薬があります。

漢方では、症状の出ている部分だけではなく、体全体の状態や嗜好からも症状を判断します。まずはあなたの状態をチェックしてみましょう。チェックが多いようなら、漢方薬でのケアがおすすめです。


便秘が続くと痔になりやすいタイプ

  • 乙字湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

痔や便秘を改善したい方におすすめする漢方処方

乙字湯 第2類医薬品

乙字湯(おつじとう)


体力中等度以上で、大便がかたく、便秘傾向のあるものの次の諸症:痔核(いぼ痔)、きれ痔、便秘、軽度の脱肛



一般的に「お通じの悩み」に使われる漢方薬
「乙字湯」の解説を見る


慢性的な便秘タイプ

  • ワカ末漢方便秘薬(調胃承気湯)のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

便秘を改善したい方におすすめする漢方処方

ワカ末漢方便秘薬(調胃承気湯) 第2類医薬品

ワカ末漢方便秘薬(調胃承気湯)(わかまつかんぽうべんぴやく(ちょういじょうきとう))


体力中等度なものの次の諸症:便秘、便秘に伴う頭重・のぼせ・湿疹・皮膚炎・ふきでもの(にきび)・食欲不振(食欲減退)・腹部膨満、腸内異常醗酵・痔などの症状の緩和



一般的に「お通じの悩み」に使われる漢方薬
「ワカ末漢方便秘薬(調胃承気湯)」の解説を見る


便秘・下痢を繰り返すタイプ

  • 桂枝加芍薬湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

腸が過敏で腹痛や下痢になりやすい方におすすめする漢方処方

桂枝加芍薬湯 第2類医薬品

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)


体力中等度以下で、腹部膨満感のあるものの次の諸症:しぶり腹、腹痛、下痢、便秘
(注)「しぶり腹」とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すものを指します。



一般的に「お通じの悩み」に使われる漢方薬
「桂枝加芍薬湯」の解説を見る


便が硬く、スムーズに排便できないタイプ

  • 麻子仁丸のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

便秘で、便が硬くスムーズに排便できない方におすすめする漢方処方

麻子仁丸 第2類医薬品

麻子仁丸(ましにんがん)


体力中等度以下で、ときに便が硬く塊状なものの次の諸症:便秘、便秘に伴う頭重・のぼせ・湿疹・皮膚炎・ふきでもの(にきび)・食欲不振(食欲減退)・腹部膨満・腸内異常発酵・痔などの症状の緩和



一般的に「お通じの悩み」に使われる漢方薬
「麻子仁丸」の解説を見る

お通じの悩みの原因は?

排便のしくみ

胃で消化された食物は、十二指腸、小腸と通過しながらさらに消化され、栄養分と水分が吸収されます。この時点では、おかゆのように水分の多い状態です。そして、大腸を通過する間に水分が吸収され、適度な硬さの便となります。便が直腸に入ると人は便意を覚え、排便します。
胃から直腸まで便を運んでいるのは、胃腸が収縮する動きです(蠕動運動:ぜんどううんどう)。この動きが正常であれば、便は定期的に出ます。便秘の原因にはいろいろありますが、主に関係しているのが胃腸の動きです。この動きが遅過ぎると、便が大腸を通過するのに時間がかかってしまい、その分だけ水分をたくさん吸収されて硬くなります。便が硬くなると出すのも大変になり、便秘の状態をまねきます。
逆に、この動きが早過ぎると、水分を吸収される時間が少なくなってしまうので、水分が多いままで直腸まで運ばれてしまいます。すると下痢の状態となります。

何日出なければ便秘なの? イメージ

何日出なければ便秘なの?

何日間お通じがなければ便秘、という明確な基準はありません。便秘はその日数よりも、おなかが張る、痛いといった自覚症状に着目しましょう。とくに病気というわけではありませんが、体に悪い影響が出ることもありますので、早めに対処しましょう。
便秘によって、便が大腸の中に留まり続けると、不快感だけではなく、腐敗や異常発酵といったことが起こります。また、それによって毒素が発生します。便秘が続くと、肌があれたりニキビができたりといった不調を感じる方も多いですよね。これは、腸内で発生した毒素の影響といわれています。
便秘にはさまざまなタイプがありますが、日本人に一番多いといわれているのが、「弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)」という、大腸の動きが低下して起こるタイプです。とくに女性は、男性に比べて腹筋が弱いために腸の動きをサポートしきれなかったり、ダイエットによって腸の内容物が十分でなかったりして、便を押し出せずに便秘になることが多いようです。


便秘と下痢を繰り返すのはなぜ?

近年増えているのが、便秘と下痢を繰り返す症状。たとえば、何日か便秘だったのに、突然下痢になったり、普段は便秘気味なのに、通勤・通学中や会議前などは下痢になったりするなどの症状です。こうした症状があると、仕事を思うようにできなくなったり、外出を控えるようになったりと、生活の質(QOL)の低下にもつながりかねません。

便秘と下痢を繰り返すのはなぜ? イメージ
痔になる主な原因

肛門は、便やおならが通るだけの場所と思っていませんか? 人間の「消化」というしくみを考えるとき、肛門はその最終段階にあたり、排便を調節しているとても大切な器官です。
肛門の周りにはいくつかの筋肉があり、肛門を締めたりゆるめたりして、便やおならが出るのを自分の意志でコントロールできるようになっています。また、肛門のすぐ内側にある直腸は粘膜でできていて、この粘膜と外の皮膚がつながるのが肛門。とてもデリケートなつくりになっているので、トラブルも起きやすいのです。
痔になる主な原因としては大きく分けて2つあります。
ひとつめは、「便秘による排便時の過度な圧力」です。便秘などで便が硬くなると、排便時に肛門に圧力がかかって、切れやすくなります。
ふたつめは、「座りっぱなしなどによる血行不良」です。おしりなどの毛細血管が集まった部分にうっ血が生じて、炎症が生じやすくなります。そのほかに、排便時のいきみや、出産などによってもうっ血が生じやすくなります。そのほかに、考えられる痔の原因としては、慢性的な下痢、冷えによる血行不良、ストレス、疲労、刺激物の過剰摂取などが考えられます。
痔のきっかけ(原因)を調査した結果はこのようになっています。

全体
  • 1位便秘
  • 2位下痢
  • 3位ストレス
円グラフ 全体
女性20~40代
  • 1位便秘
  • 2位下痢
  • 3位出産
円グラフ 女性20~40代
女性50~60代
  • 1位便秘
  • 2位下痢
  • 3位ストレス
円グラフ 女性50~60代
男性20~40代
  • 1位下痢
  • 2位便秘
  • 3位ストレス
円グラフ 男性20~40代
男性50~60代
  • 1位便秘
  • 2位同一姿勢
  • 3位ストレス
円グラフ 男性50~60代

データ=2015年クラシエインターネット調査(N=183人)


痔の種類

痔というと、おしりから血が出る、痛いといったイメージがありますが、実はさまざまな種類があります。主なものは、「いぼ痔(痔核)」「きれ痔・さけ痔(裂肛)」「あな痔(痔ろう)」の3つです。
「いぼ痔」は、肛門の中や外にいぼができるものです。いぼが中にできた場合(内痔核)は、痛みは少ないのですが、中でこすれて血が出ることがあります。排便のときに何か柔らかいものが出てくる、というのはこのタイプです。いぼが外にできた場合(外痔核)は、痛みが強く、血はほとんど出ません。いずれも、肛門周りのうっ血が原因とされ、座りっぱなしの姿勢などが続くとうっ血しやすくなります。また、便秘や出産でおしりに負担がかかるとうっ血し、痔をまねくこともあります。
「きれ痔・さけ痔」は、肛門の皮膚が切れるもので、出血はティッシュに付く程度ですが、排便時には強い痛みがあります。便秘による硬い便を無理に出そうとしたり、下痢が続いたりといったことが原因となります。また、痛みを避けて排便をがまんすると、さらに便が硬くなって症状を悪化させることにも。便が通過する場所で起きているので、治りにくいという面もあります。
「あな痔」は、膿のトンネルが肛門内から皮膚に向かってできるもので、激しく痛んで腫れ、発熱することもあります。下痢を繰り返すことが一因といわれますが、一般用医薬品で対処することはできないので、早めに医療機関を受診したほうがよいでしょう。


お通じの悩みQ&A 漢方のギモンを解決!

Q もう便秘とは長い付き合いです・・・。改めてお聞きします! 快適なお通じのためのポイントを教えてください。
A 排便にはリズムが大切といわれています。毎日同じ時間に起き、朝食を食べてトイレに行くという一連のパターンを繰り返すことで、体がそのリズムに慣れていきます。朝食をとることで胃腸が動き出し、便意を催します。漢方的には、脂っぽいものや辛いものを食べ過ぎると、胃に熱がたまりやすくなり、余計に食欲が出てしまうことがあります。できるだけ控えて、おなかにやさしいものを食べましょう。もちろん体を動かすことも大切です。適度に体を動かすと、「気」の流れの助けにもなります。
Q 痔の予防のために、日頃から気をつけておくことってありますか?
A 痔の原因のひとつに、おしりの血行の悪さがあります。痔にならないためには、おしりの血行を良くすることが大切です。お仕事の都合などで、日中座りっぱなしの方は、ときどき立って、少し歩くなどしてみましょう。また、辛い食べ物やアルコールは、おしりに負担をかけるので、できるだけ控えましょう。ほかに、お風呂では、おしりをやさしく洗って、きちんと汚れを落とすことも大切です。足湯のように、おしりだけをお湯につけると、血行も良くなるのでおすすめです。便秘も原因のひとつに挙げられます。こちらは食生活の改善や規則正しい排便習慣を心掛けましょう。出ないからといって長時間力むのは、悪化のもとです。
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