漢方薬名解説

一般的に「尿トラブル」に使われる漢方薬

猪苓湯(ちょれいとう)

目次

「猪苓湯」はこんな方に!

回数が多いタイプ

  • 症状がなくなってもまた繰り返す方
  • むくみを感じることが多い方

「猪苓湯」はどんなふうに効くの?

漢方では、膀胱で炎症が起こるのは、外から入り込んだ悪いもののせいで、尿が出にくくなり、尿によって悪いものを洗い流せなくなるためだと考えます。そのため、排尿の際に痛みが起こったり、排尿しても出し切っていないような残尿感が起こったりします。

私たちの体に腎・膀胱の疾患があったり、体の臓器や組織などに水分が停滞して特定の箇所に偏在していたり(漢方ではこれを水湿といいます)、また尿路に炎症があったりなどすると、尿量が減少し、尿が出にくく排尿痛や残尿感など排尿異常の症状が現れます。

「猪苓湯(ちょれいとう)」は、尿量を増やして悪いものを洗い流す力を高めます。

配合されている生薬は?

  • 猪苓(ちょれい)
  • 茯苓(ぶくりょう)
  • 沢瀉(たくしゃ)
  • 阿膠(あきょう)
  • 滑石(かっせき)

漢方的考え方で尿トラブルを分析

漢方では、膀胱に尿をためておく、出すというはたらきも、「気」の流れによるものと考えます。この「気」の流れは、外から悪いもの(邪)が入り込むことや、冷えによっても悪くなります。「気」の流れが悪くなってしまうと、尿が出にくくなります。

膀胱に侵入した「邪」は、尿をためたり、出したりするはたらきをさまたげるため、頻尿や残尿感が現れます。また、「気」の流れが悪くなってくると余分な熱が生まれ、この熱が炎症を引き起こして、排尿時の痛みが発生します。

膀胱は、腎の腑で腎臓のはたらきと密接な関係があります。とくに、水分代謝に関係のある器官で、腎の作用により調節され、体内の水液を貯留・排泄(排尿)する作用があります。


漢方用語解説
目に見えないが人の体を支えるすべての原動力のようなもの


症状・悩みから選ぶ‐「尿トラブル」

漢方薬での尿トラブルの治し方

西洋医学では、膀胱炎に対しては抗菌剤や抗炎症剤を使い、菌を殺すとともに炎症を抑える治療をします。また、頻尿には尿を出にくくする薬を、尿量減少には尿を出やすくする薬を使うのが一般的です。

漢方では、頻尿や尿もれといった表面的な症状ではなく、その原因にはたらきかける治療をします。同じ薬で、頻尿にも尿量減少にも対応できるのはそのためです。

排尿の際に痛みがあり、膀胱に炎症がみられる尿トラブルは、冷えや「邪」などによって「気」の流れが停滞し、尿が出にくくなったものと考えます。この場合は、尿量を増やすことで悪いものを洗い流す治療をします。さらに、「気」が停滞し続けることで熱がたまり、強い痛みや尿のにごりが現れた場合には、尿量を増やすとともに、熱をとるような治療をします。


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