生活のヒント

昔から、人間の体は天地や両親からのもらいものであり、傷つけたり病気になったりするのは最大の親不孝であるという考え方があります。
この考え方による最大の親孝行=長生きのために、毎日できることを考えてみませんか?

※このサイトの情報は、毎日の生活のご参考となるものです。ご自身の健康状態については、医師にご相談ください。

元気

「元気」とは

人体を構成する“元気”のイメージ図

私たちはふだん、「どうぞお元気で」「元気を出してね」と言いますが、「元気」とはいったいどのようなものなのでしょうか?

養生訓』(貝原益軒著)には、「人の元気は、もと是天地の万物を生ずる気なり。是人身の根本なり」とあります。もともとは世界のすべてを構成するもので、人間のもとにもなっている、という考え方のようです。

中医学では、「元気」は人体を構成する3つの“気”の総称とされます。人体は、心拍や呼吸にかかわる「宗気(そうき)」、全身を栄養する「営気(えいき)」、体表を守る「衛気(えき)」3つがお互いにはたらきあうことで活動している、と考えられています。

この3つの“気”の原料となるものは、大きく2種類に分けられます。
1つは、両親の精気から受け継ぐ先天的なもので、「先天の気」と呼ばれ、加齢とともに減っていきます。
もう1つは、「水穀の精微」(水や食事から精製されるもの)と、「天空の気」(自然の大気)から得られる後天的なものです。

3つの“気”の原料となるのは、下記のような組み合わせです。

  • 宗気=天空の気(後天)+水穀の精微(後天)
  • 営気=水穀の精微(後天)
  • 衛気=先天の気(先天)+水穀の精微(後天)

「元気」を保つために

孫と歩くおじいちゃんのイメージ

「元気」は、後天的なものだけでなく
先天的なものも原料で、
加齢とともに減っていきます

貝原益軒は、著書『養生訓』でこう述べています。
「生を養ふ道は、元気を保つを本(もと)とす。元気を保つ道二あり。まづ元気を害する物を去り、又、元気を養ふべし。元気を害する物は内欲と外邪となり。すでに元気を害する物を去らば、飲食動静に心を用いて、元気を養ふべし」

益軒が、「元気を害する物」としてあげているのが、「内欲」と「外邪」。この2つについては、前回と前々回のコラムでとりあげました。
そして、すでに元気を害する物を身の周りから遠ざけているのであれば、「飲食や動静に気をつかい、元気を養う」ようにしなさい、というのです。

元気を養わなければどうなるか、益軒はこのように述べています。
「養生の道は元気を養ふ事のみにて、元気をそこなふことなかるべし。もし養ふことはすくなく、そこなふこと多く、日々つもりて久しければ、元気減りて病生じ、死にいたる。この故に衆人は病多くして短命なり。限りある元気をもちて、限りなき欲をほしいままにするは、あやうし」

後天的なものだけではなく、先天的なものを原料にしている元気は、限りあるもの。大事にせず、失う量が多くなれば、減る一方なのは当然ですね。

次回からは、元気を養う方法としてあげられている「飲食や動静に気をつかう」ことの例をご紹介します。